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 旅の友「駅弁」。実際に食べた9,000個以上の駅弁を中心に、日本全国と世界の駅弁を紹介します。

JR西日本 白浜(しらはま)駅 JR-West Shirahama Station
2020(令和2)年10月訪問 GoogleMap「白浜駅」

駅名標 駅舎 駅構内

和歌山駅から特急列車「くろしお」で約1時間半。白浜町は和歌山県の南西部で太平洋に面する、人口約2万人の温泉地。和歌山県内で唯一の空港と、設備の整った温泉地と、地名のとおり白浜が美しい海水浴場と、パンダの繁殖で有名な動物園・水族館・遊園地を抱える観光地として、年間約300万人の観光客で賑わう。駅弁は1960年代までに紀伊田辺駅の駅弁が売られるようになり、2008年に撤退、後にやはり紀伊田辺駅で売られる弁当が駅売店で売られ、こちらは2020年時点でも販売が続く。1933(昭和8)年12月20日開業、和歌山県西牟婁郡白浜町堅田。


JR西日本 紀伊田辺(きいたなべ)駅 JR-West Kii-Tanabe Station
2021(令和3)年12月訪問 GoogleMap「紀伊田辺駅」

駅名標 駅舎 駅構内

和歌山駅から特急列車「くろしお」で約70分。田辺市は和歌山県の中部を占める、人口約7万人の城下町。農林水産業や漁業や商業が盛んであったほか、世界遺産に指定された熊野古道とその主要な玄関口として観光客を集める。駅弁は1938年から売られ、手まり型容器の駅弁などが知られたが2008年に撤退、入れ替わりに地元業者の弁当が駅のキヨスクでデビューしたが、駅舎の建て替えで2018年8月までに販売を終えた。1932(昭和7)年11月8日開業、和歌山県田辺市湊塔ノ内。

花暦(1,000円)Hanagoyomi
2020年10月24日に白浜駅の待合室のキヨスクで購入 Oct. 24, 2020

掛紙 中身
掛紙 外観 外観 中身 中身 中身

少なくとも2011(平成23)年までに、紀伊田辺駅や白浜駅で売られるようになった、調製元の仕出し弁当。松花堂弁当タイプの4区画に、日の丸御飯、タケノコやシイタケなどの煮物、マグロや鶏などの焼き物、めはりずしと玉子焼とかまぼこなどが入る。安っぽい幕の内弁当の雰囲気を感じた。駅弁として食べるなら、同じ調製元でも下記の、これより安価でおいしい駅弁がよいかと。

販売駅
紀勢本線 白浜(しらはま)駅 1933(昭和8)年12月20日開業 和歌山県西牟婁郡白浜町堅田
調製元
有限会社 矢野 和歌山県田辺市下屋敷町1−56 0739(25)3082 https://www.ajizanmai-tanabe.com/

紀州てまり弁当(930円)Kishu Temari Bento
2017年1月28日に紀伊田辺駅の売店で購入 Jan. 28, 2017

掛紙 中身
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国鉄時代からの駅弁屋の撤退により、2008(平成20)年に失われた駅弁が、他の業者に引き継がれて再登場。引き続き、紀州手まりをイメージした球形のプラ製容器を、立方体のボール紙製パッケージに収める。中身は鶏ガラスープで炊いた御飯、とりそぼろ、鶏照焼、アナゴ、ごぼう巻、タケノコ煮、シイタケ煮などで覆うもの。つまり鶏丼という点も従前どおりだが、食べた感じはだいぶ異なる。キヨスクのセブンイレブンへの転換で、2018年に紀伊田辺駅では販売を終えた模様。価格は2017年の購入時で880円、2020年時点で930円。

紀州てまり、または紀州御殿てまりは、和歌山市や和歌山県の民芸品。紀州藩紀州徳川家55万石の和歌山城中やその城下町で、お姫様の遊び道具として作られていたものだという。糸と絵柄と模様の鮮やかさが特徴。現在はおもちゃとしても民芸品としても、あまり使われなくなったのではと思うが、今も県内の土産物店を探せば買える。

※2021年3月補訂:値上げを追記
※2020年5月補訂:現況を追記
販売駅
紀勢本線 白浜(しらはま)駅 1933(昭和8)年12月20日開業 和歌山県西牟婁郡白浜町堅田
調製元
有限会社 矢野 和歌山県田辺市下屋敷町1−56 0739(25)3082 https://www.ajizanmai-tanabe.com/

パンダべんとう 紀州うめどりの唐揚げ丼(930円)Panda Bento Kisyu Umedori no Karaage Don
2017年1月28日に白浜駅の売店で購入 Jan. 28, 2017

掛紙 中身
掛紙 掛紙 掛紙 外観 外観 中身 中身 中身 中身

2010(平成22)年6月に発売。駅弁の名前や容器は、白浜名物でアドベンチャーワールドのパンダにちなむのだろう、ふたのシールと、容器の紙カップのシルエットは、パンダの顔に見える。中身はもちろんパンダ肉でなく、和歌山県内の養鶏業者が推進するブランド鶏「うめどり」の唐揚げ丼。しその葉を挟んだ白御飯の上を、鶏唐揚と鶏そぼろと錦糸卵で覆い、梅干しと高菜と奈良漬けを添えたもの。食を進める唐揚げが油っぽいB級グルメ。キヨスクのセブンイレブンへの転換で、2018年に紀伊田辺駅では販売を終えた模様。価格は2017年の購入時で880円、2020年時点で930円。

1978(昭和53)年4月に白浜でオープンした、動物園兼水族館兼遊園地である現在の「アドベンチャーワールド」では、1988(昭和63)年に中国からパンダを導入、1994(平成6)年からはパンダの繁殖研究が進められている。ここでは16年間で実に16頭ものパンダが生まれており、2016年時点で8頭のパンダを飼育。東京の上野動物園ではパンダの妊娠兆候が出るだけで全国ニュースになるのに、ここではパンダが生まれてもあまり騒がれないくらい、当たり前のように存在している。

※2021年3月補訂:値上げを追記
※2020年5月補訂:現況を追記
販売駅
紀勢本線 白浜(しらはま)駅 1933(昭和8)年12月20日開業 和歌山県西牟婁郡白浜町堅田
調製元
有限会社 矢野 和歌山県田辺市下屋敷町1−56 0739(25)3082 https://www.ajizanmai-tanabe.com/

弁鶏(べんけい)(1,000円)Benkei
2008年5月6日に紀伊田辺駅の台売りで購入 May. 6, 2008

掛紙 中身
掛紙 外観 外観 中身 中身

2008(平成20)年2月9日から試験販売を開始した、紀伊田辺駅弁5種のうちのひとつ。訪問時にはこれと「熊野古道めぐり」の2種が、土休日のみ臨時販売されていた。

円形の経木枠の容器に透明なふたをして、割りばしとおしぼりを乗せて、商品名と武士や鶏のシルエットを描いた紅白の掛紙をかけて、輪ゴムで十字にしばる。中身は五目飯の上に錦糸卵、鶏そぼろ、紀州備長炭で焼いたという鶏照焼のスライス、山菜、栗、付合せ。

見栄えも風味も駅弁としての完成度が高い、本格的な鶏飯。通常、商工会や観光協会がプロデュースする「駅弁」は、もっと御料理弁当や調製弁当の雰囲気が漂ってくるものだ。調製元は田辺市内の弁当屋。キヨスクのセブンイレブンへの転換で、2018年に紀伊田辺駅では販売を終えた模様。価格は2008年の購入時で850円、2016年時点で880円、2020年時点で930円、2022年時点で1,000円。

※2022年4月補訂:値上げを追記
※2021年3月補訂:値上げを追記
※2020年5月補訂:現況を追記
※2017年1月補訂:値上げを追記
販売駅
紀勢本線 白浜(しらはま)駅 1933(昭和8)年12月20日開業 和歌山県西牟婁郡白浜町堅田
調製元
有限会社 矢野 和歌山県田辺市下屋敷町1−56 0739(25)3082 https://www.ajizanmai-tanabe.com/

【終売】熊野古道めぐり(850円)Kumano Kodou Meguri (end of sales)
2008年5月6日に紀伊田辺駅の台売りで購入 May. 6, 2008

掛紙 中身
掛紙 掛紙 外観 外観 外観 中身 中身

2008(平成20)年2月9日から試験販売を開始した、紀伊田辺駅弁5種のうちのひとつ。訪問時にはこれと「弁鶏(べんけい)」の2種が、土休日のみ臨時販売されていた。

竹皮編みの長方形の容器に、表面に熊野古道の写真、裏面に地図を掲載した掛紙を巻き、割りばしとおしぼりを添えて、ひもで十字にしばる。中身はずんぐりむっくりした白御飯とゆかりめしの俵飯が各1個とめはりずし、マグロ佃煮、山菜天、かまぼこ、だし巻き卵、ぎんなんなど。こちらも調製元は市内の弁当屋で、通常は店頭で「王子弁当」の名で売られる商品である模様。2016年時点で現存しない模様。

田辺商工会議所と田辺観光協会は、国の中小企業庁の補助金を使って、2007年10月に紀伊田辺駅の駅弁の名前と中身を募集、270件の応募案に基づき商工会員の仕出し業者に弁当開発を呼び掛けた。これに5社がそれぞれ「弁鶏(べんけい)」「たなべ弁」「熊野の盛り弁」「熊野古道めぐり」「紀州田辺てまり弁当」で呼応、2008年2月9日から末日までの土休日に紀伊田辺駅での試験販売が実施された。うち今回購入の2種が4月19日から5月末日までの土休日に売られたほか、市内でのイベントでの臨時販売も実施したという。

※2017年1月補訂:終売を追記
販売駅
紀勢本線 紀伊田辺(きいたなべ)駅 1932(昭和7)年11月8日開業 和歌山県田辺市湊塔ノ内
調製元
株式会社 寿屋 和歌山県田辺市たきない7−12 0739(25)4158

【終売】紀州てまり弁当(850円)Kisyu Temari Bento (end of sales)
2004年12月11日に白浜駅の待合室の駅弁売店で予約購入 Dec. 11, 2004

掛紙 中身
掛紙 外観 外観 中身

1983(昭和58)年に発売。紀州手まりをイメージした球形のプラスティック製容器を、その手まりの写真を載せたボール紙のパッケージに詰めて紙ひもで留める。中身はつまりとりめしで、御飯の上に鳥そぼろを敷いて、チキンナゲットや鴨肉団子に鰻蒲焼などを載せるもの。味付けがやや濃く、容器の形状と中身の分量によりやや食べにくい感じはするが、それも個性を演じている。容器のカラーは白の他に青と赤があり、季節で回している模様。

この駅弁は2008年上半期頃の駅弁業者の撤退により失われた模様。

※2008年10月補訂:終売を追記
※2005年3月補訂:写真の掲載と解説文の手直し
販売駅
紀勢本線 白浜(しらはま)駅 1933(昭和8)年12月20日開業 和歌山県西牟婁郡白浜町堅田
調製元
有限会社 あしべ 和歌山県田辺市湊943 0739(24)6363

【終売】特上幕の内くろしお(1,130円)Tokujo Makunouchi Kuroshio (end of sales)
2004年12月11日に白浜駅の待合室の駅弁売店で予約購入 Dec. 11, 2004

掛紙 中身
掛紙 外観 外観 中身

白浜駅の上等幕の内駅弁。おかずはトレーに入るが、底もふたも経木の長方形の容器を使用、紀州の手まりや白浜の円月島などを描いた掛紙をかけて、紙ひもでしばる。中身はゴマ付き俵飯に焼き魚・蒲鉾・玉子焼、白身魚フライにチキンナゲットにハンバーグなど、駅弁の値段に追い付けとばかりに多量のおかずを詰めている。

良くも悪くも観光地らしい、ふた昔前の幕の内弁当という感じか。少々有名な上記の駅弁「紀州てまり弁当」ではなくこちら一種類だけが「駅弁の達人」対象となったことが不思議。ということで、2004年度JR西日本「駅弁の達人」対象駅弁。

この駅弁は2008年上半期頃の駅弁業者の撤退により失われた模様。

※2008年10月補訂:終売を追記
※2005年3月補訂:写真の掲載と解説文の手直し
販売駅
紀勢本線 白浜(しらはま)駅 1933(昭和8)年12月20日開業 和歌山県西牟婁郡白浜町堅田
調製元
有限会社 あしべ 和歌山県田辺市湊943 0739(24)6363

【掛紙】幕の内辨當(100円)Makunouchi Bento
調製年月日不詳

掛紙

1950年代のものと思われる、昔の紀伊田辺駅弁の掛紙。ここは紀伊田辺藩安藤家の城下町。これにちなむと思われる徳川とどこかの家紋がひとつずつ描かれる。

販売駅
紀勢本線 紀伊田辺(きいたなべ)駅 1932(昭和7)年11月8日開業 和歌山県田辺市湊塔ノ内
調製元
あしべ 所在地の記載なし 678番

【掛紙】アイスクリーム(10銭)Ice Cream
調製年月日不詳

掛紙

第二次大戦前のものと思われる、昔の紀伊田辺駅の掛紙。収集者は1942(昭和17)年の旅行で入手し、同行者の名を掛紙に記載したので、そこにぼかしを入れた。アイスクリームは昭和時代中期まで、駅弁屋や構内営業者が販売し、千葉県の佐倉駅などでは名物となっていた。紀伊田辺駅でも駅弁屋がアイスクリームを販売していたことがわかる。

販売駅
紀勢本線 紀伊田辺(きいたなべ)駅 1932(昭和7)年11月8日開業 和歌山県田辺市湊塔ノ内
調製元
あしべ 紀伊田辺駅 連絡先の記載なし