台湾の台北市で1990(民國79)年から毎年開催される、台湾グルメを世界に発信する食のイベント「台灣美食展」。2015(民國104)年7月17日(五)〜20日(一)に開催された「台灣美食展2015」において、台湾の国有鉄道であり直営で駅弁も販売する台湾鉄路管理局が、このイベントの中で初めて「鐵路便當節」が開催されました。以後も毎年、2018年からは台北駅に会場を移して、開催が続いています。日本を除く国や地域で実施される、世界最大の駅弁大会ではないかと思います。
主な参考資料及び画像の出典:中華民國交通部(https://www.motc.gov.tw/)、facebook「鐵路便當節」(https://www.facebook.com/FormosaRailroadBentoFestival/)
台灣美食展から分離して以来、毎年11月に開催されてきた鐵路便當節が、今回は6月に設定されました。5月16日までに開催が発表されたようです。会場は今回も台北駅1階の大ホール。日本など海外の13社を含む42社が出展する予定です。
日本からの出展は12社か。JR東日本はE956ALFA−X次世代新幹線弁当、西武鉄道は味噌和牛餡餅弁当、近江鉄道は近江牛カレー弁当、伊豆箱根鉄道は和牛香きのこ一喜焼弁当、東武鉄道はSL大樹日光和風満載弁当、近鉄電車(近畿日本鉄道)は近鉄奈良弁当、しなの鉄道は観光列車ろくもん特製焼肉弁当、一畑電車は結縁そば天ぷら、銚子電鉄はヘルシー3色弁当、京浜急行電鉄は焼売弁当台湾限定版(という崎陽軒のシウマイ20個入り)、肥薩おれんじ鉄道は九州風味とんかつ弁当、淡路屋はひっぱりだこ飯を、それぞれ販売するようです。
2022年1月上旬や3月中旬に、第7回の鐵路便當節が6月10〜13日に台北駅構内の1階コンコースで開催されると現地で報道されましたが、その開催を確認できていません。
改めて第7回とされた、2022年の鐵路便當節は、11月11〜14日に台北駅構内の1階コンコースで開催されました。過去最大となる39社の出展があったそうです。
日本からの出展は8社。JR東日本がE5系新幹線弁当、西武鉄道が秩父名物味噌豚肉丼、伊豆箱根鉄道、近江鉄道が滋賀名物近江牛丼、東武鉄道がSL大樹日光埋蔵金弁当、近畿日本鉄道がしまかぜ弁当、しなの鉄道が鐵路便當節限定の観光列車ろくもん特製焼肉弁当、一畑電車がご縁電車しまねっこ号Uの弁当を、それぞれ販売したそうです。
2021年8月31日、2021鐵路便當節の中止がFacebook上で発表されました。新型コロナウイルス感染症の流行により、人や観光客の混雑を防ぎ、感染のリスクを減らすためとされます。
前年と同じように、2020年11月13〜16日に台北駅構内の1階コンコースで開催されました。新型コロナウイルス感染症の全世界的流行を受けて、出展を見送った鉄道会社などがあったようですが、イベントそのものは無事に開催されています。
日本からの出展は5社。JR東日本は「E6系新幹線便當」(350元)と「E7系新幹線便當」(350元)と深川飯(250元)を販売、東武鉄道は「SL大樹日光埋藏金便當PREMIUM」(450元)を販売、西武鉄道は「秩父滋味味噌豬肉飯」を新型特急電車Laviewの箱の有無で各150元にて販売、一畑電車は竹皮に包んだいおにぎり弁当「島根飯[米團]便當」(150元)を販売、近畿日本鉄道は「近鐵SHIMAKAZEBOX便當」(300元)と「近鐵江戸川鰻便當」(200元)を販売。
台湾の出展は招牌福隆便當(65元)、車テイ招牌木桶便當(350元)、福井食堂の福井六角紀念便當(399元)、關山便當の關山招牌便當(200元)の4社。南港駅の六福萬怡酒店、松山駅の台北松山意舍飯店、台北駅の天成飯店集團、萬華駅の格莢天漾大飯店の名もあります。華膳空廚の多寶格餐盒(280元)は空弁でしょうか。全家便利商店の鳴日蒲燒鰻丼(199元)はコンビニ弁当でしょうか。台鉄は車勤部七堵餐務室、台中餐廳、高雄餐廳、車勤部花蓮餐務室、車勤部台東餐務室、台北餐廳で6者の出展。食堂車の「鳴日弁当」(650円)と復刻版の「紅燒牛肉飯及[口加][口里]雉飯」(399元)も販売。
前年に予定していたように、2019年11月1〜4日に台北駅構内の1階コンコースで開催されました。入場は無料になり、台湾最大の駅弁販売駅での駅弁大会が実現しました。
5か国で27者の出展があり、35種類の駅弁を販売。以下の台湾や日本などの駅弁が売られました。スリランカ鉄道は駅弁でなく紅茶を販売したそうです。白朗峰列車(モンブランエクスプレス)と旅遊推廣區でも、弁当の販売はなかったようです。
2018第4屆鐵路便當節は、前回開催時には例年どおり、2018(民國107)年8月10日(五)〜13日(一)の台灣美食展での開催を予定していましたが、同展から離れて11月2日(五)〜5日(一)に台北駅構内の1階コンコースにて単独で開催されることになりました。
出展者は、台湾鉄路管理局(台鉄)、JR東日本、東武鉄道、西武鉄道、京浜急行電鉄、江ノ島電鉄、IGRいわて銀河鉄道、道南いさりび鉄道、韓国の弁当店、マッターホルン・ゴッタルド鉄道に加えて、山陽電気鉄道、南海電気鉄道、しなの鉄道、肥薩おれんじ鉄道、銚子電気鉄道、青い森鉄道、スリランカ鉄道、そして弁当店の淡路屋、ひげの張さん、炸鶏大獅、復活の福井食堂が予定されていました。JR東日本は「大人の休日弁当」を、淡路屋は「ひっぱりだこ飯」を販売する予定だったそうです。
しかし10月21日に台鉄の宜蘭線で、特急列車が速度超過で脱線転覆し死者18名と負傷者215名を出す鉄道事故が起きたことで、25日に鐵路便當節の中止が発表されました。「来年は継続に決まっています」の日本語コメントも併せて発表されました。
前年と同じように、2017年7月21〜24日に台北市の臺北世界貿易中心(台北世界貿易センター)で開催された「2017台灣美食展」の中で、「第3屆鐵路便當節」(第3回駅弁フェスティバル)として実施されました。会期が半月ほど繰り上げられています。
台湾鉄路管理局(台鉄)、台灣高速鐵路(高鉄)、日本の東日本旅客鐵路(JR東日本)、西武鐵道(西武)、京急電鐵(京急)、東武鐵道(東武)、江之島電鐵(江ノ電)、IGR岩手銀河鐵道(IGR)、韓国の弁当店に加えて、日本の道南漁火鐵道(道南いさりび鉄道)、夷隅鐵道(いすみ鉄道)、天龍濱名湖鐵道(天浜線)、一畑電車(一畑)、「瑞士冰河列車」つまりスイス氷河特急が出展。台灣美食展には約16万人が来場したそうです。
台鉄は約10種類の台北駅弁を販売。高鉄は掛紙付き折箱にリニューアルした「高鐵便當」3種類(各70元)を販売。JR東日本は東京駅弁「チキン弁当」の容器を使い中身もそっくりな「雉肉便當」(200元)を一日200個、東京駅弁「深川めし」「チャーシュー弁当」「幕の内弁当」絵柄の掛紙と似た中身を持つ「深川飯」(200元)「日式叉燒」(200元)を一日各100個と「幕之内」(250元)一日60個を販売。
西武は台湾タイプの円形金属容器に緑黄色豊かな排骨飯を詰めた「SEIBU(ハート)LAIMO便當」(350元)を一日150個販売。京急は惣菜の「助六寿司」(140元)と焼サバ寿司「燒[火考]青花魚棒壽司」(180元)とマグロ唐揚弁当「酥炸鮪魚排便當」(250元)を販売。東武は浅草駅弁「焼き鶏丼」と同じ掛紙と容器と中身を持つ「浅草鶏雉丼」(150元)を販売。 江ノ電は300形の車体色のプラ容器を使う「江之電便當」(400元)と小田急ロマンスカーVSE型のプラ容器を使う「小田急浪漫特快列車便當」(340元)を販売。
IGRは特別限定版2017鐵路便當節として円形容器で御飯をおかずで覆う「銀河鐵道の夜便當」(200元)を一日100個販売。道南いさりび鉄道は日本の土産物屋やスーパーで売られる真空パックの「函館いかめし」を輸入販売。いすみ鉄道は台湾タイプの円形金属容器を使う「紀念鋼盒」を販売した模様。天浜線は路線図の掛紙を使うミニ鰻丼「鰻魚便當」(380元)を一日25個販売。一畑は「畑便當」(280元)を販売。韓国は絵柄もハンバーガー向けに戻した紙箱の「BOBBYBOX」2種などを販売。スイスは氷河特急の車両型缶容器に少量のパンやサラダを詰めた「冰河列車快遞瑞士瓦莢州美食」を690元という高額で販売。
前年と同じように、2016年8月5〜8日に台北市の臺北世界貿易中心(台北世界貿易センター)で開催された「2016台灣美食展」の中で、「第2屆鐵路便當節」(第2回駅弁フェスティバル)として実施されました。会期が半月ほど繰り下げられています。
展示エリアを1島分から2島分へ増強、台湾鉄路管理局(台鉄)、台灣高速鐵路(高鉄)、關山便當、日本の東日本旅客鐵路(JR東日本)、西武鐵道(西武)、京急電鐵(京急)に加えて、台湾の福髟ヨ當、日本の東武鐵道(東武)と江之島電鐵(江ノ電)とIGR岩手銀河鐵道(IGR)が出展、韓国の弁当店も出展しました。台灣美食展には約15万人が来場、台鉄の年次報告によると約211万元(1元=3.2円として約675万円)の収入があったそうです。
台鉄は台鐵便當本舗と七堵便當廚房が透明蓋や紙箱や電車型容器の台北駅弁の各種を販売、高鉄は流線形プラ容器にリニューアルした「高鐵便當」各種(各70元)を販売。JR東日本は「新幹線E7系便當」(200元)に加えて、東京駅弁「深川めし」「日本のおもてなし弁当」の絵柄の掛紙と似た中身を持つ「深川飯便當」(250元)と「日本款待之心便當」(250元か)、長方形の加熱機能付き容器を使う牛たん弁当「暖呼呼牛舌便當」を販売。
西武は西武秩父駅のフードコート弁当「わらじかつ弁当」に似た「草鞋豬排便當」(250元)を一日250個販売。京急は透明プラ容器の「助六寿司」(130元)と「鮮魚丼」(200元)に加えて電車プラ容器の「炸鮪魚便當」(250元)を一日25個販売。東武は「牛肉壽喜燒便當」(150元)を販売。江ノ電は300形の車体色のプラ容器を使う「江之電便當」と小田急ロマンスカーVSE型のプラ容器を使う「小田急浪漫特快列車便當」(350元)を一日各25個販売。IGRは「ぎんが食堂各駅停食弁当」の電車柄紙箱を御飯とおかずで各1箱使う「銀河列車造型便當」を販売。韓国は鉄道車両の車体色をイメージしたハンバーガー向け紙箱を使う「BOBBYBOX(鐵路展特製BOX)」各種を販売。専用ステージでの駅弁イベントも15〜60分刻みで実施されました。
なお、JR東日本は8月12日から31日まで台北駅で、「E7系新幹線便當」(250元)を一日50個、「日本款待之心便當」(250元)を一日50個、「深川飯便當」(250元)を一日100個販売しました。鐵路便當節で好評だったので駅でも販売旨の現地報道があるようです。
台湾の駅弁大会「鐵路便當節」の第1回は、台湾政府の交通部觀光局が設立し外貿協會が開催する台湾グルメの展覧会(入場有料)で、2015年7月17〜20日に台北市の臺北世界貿易中心(台北世界貿易センター)で開催された「2015台灣美食展」の中で、「第1屆鐵路便當節」(第1回駅弁フェスティバル)として実施されました。
台湾の在来線を運営する台湾鉄路管理局(台鉄)、台湾の新幹線を運営する台灣高速鐵路(高鉄)に加えて、日本の東日本旅客鐵路(JR東日本)、西武鐵道(西武)、京濱急行電鐵(京急)が出展し、駅弁を会場で販売しました。駅弁に関するステージイベントも実施。
台鉄は台北、台中、高雄の3鐵路餐廳(駅弁の調製所)と七堵餐務室がそれぞれの駅弁を販売、高鉄は「高鐵便當」各種(各70元)を販売、他に關山便當や、新竹世博站の駅弁を名乗る湯記食堂の「懐舊月台便當」(85元)が売られました。JR東日本は東京駅弁「新幹線E7系弁当」「牛すき弁当」の容器を使い中身を模した「新幹線E7系便當」(200元)と「牛肉壽喜便當」(200元)を一日各50個販売、西武は電車の車両基地集合写真の写真の掛紙を巻いたコンビニ弁当「西武鐵道〜日式厳選餐盒」(150元)を販売、京急は透明プラ容器を使う助六寿司の惣菜「鐵路便當節出展紀念」(100元)を一日30個販売しました。