東京駅から東北新幹線はやぶさ号で2時間強。盛岡市は岩手県の中部に位置する、人口約29万人の城下町で県庁所在地。古くから人が住み、地域の拠点があり、江戸時代に南部氏盛岡班の城下町が確立。河川も道路も鉄道も高速道路も新幹線も分岐する交通の要衝で、行政や商工業の集積がある。駅弁は明治時代からあるものの、21世紀に入ると国鉄時代からの駅弁屋2社が消え、東京資本の駅弁屋2社の支店も消え、今は仙台駅や青森県あるいは東京の駅弁を販売。1890(明治23)年11月1日開業、岩手県盛岡市盛岡駅前通。
東北新幹線新青森開業1周年を記念し、おそらく2011(平成23)年12月に発売。下記の駅弁「岩手のおべんとう」と、同じ容器とほぼ同じ掛紙を使う。中身は青森県産「つがるロマン」の日の丸御飯に、玉子焼、タラ西京焼、有頭海老、ホヤ西京焼、カニと菊の和え物、イクラ、ミョウガ、ホタテやヤリイカなどの煮物、カズノコなど。青森県産の食材を多用したという、海を感じる幕の内。これは青森の駅弁にしか見えないが、調製元が盛岡で販売駅も盛岡、八戸、新青森の各駅ということで、盛岡駅の駅弁として収蔵する。これを買ったのは東京駅。半年か1年ほどの販売か。
※2017年8月補訂:終売を追記2009(平成21)年11月10日に発売。豪華な絵柄の紙箱に、花巻エリアの風景写真を掲載した掛紙をかける。6区画に分けられた中身は、十穀米、蒸しウニを載せたおにぎりとチャグチャグ漬、かしわそば、白金豚のごましゃぶ、鮭西京焼とホタテ焼にシイタケなどの煮物、みそまんじゅうとさくらんぼ。
調製元が調製元なので盛岡駅の駅弁だと思うが、お品書きによると食材の産地や調達先が花巻にこだわられており、新花巻駅の駅弁として恥ずかしくない仕上がりに見える。内容や風味にも安定感がある。宮沢賢治と中身との関係は読めない。地元の駅弁屋が残る新花巻駅にも、東京のNREが進出してきてしまったことは、ちょっと残念。2014年頃までの販売か。
※2017年8月補訂:終売を追記2011(平成23)年7月9日に一日50個で販売を開始した、東北新幹線車内販売専用商品。薄手の紙張り木製容器に、甘塩鮭の鮭おむすび、アワビとウニと海藻を混ぜた海鮮おむすび、豚肉で目張りした肉巻きおむすび、キュウリや山芋などの漬物である香の物を詰めたもの。腹に軽く小腹に重いお手軽派。調製元がNRE盛岡なので、盛岡駅弁のページに掲載する。他に「青森編」も存在した模様。半年ほどで終売か。
※2017年8月補訂:終売を追記東北新幹線新青森開業記念の駅弁ということは、2010(平成22)年12月4日に発売か。木目柄の正方形の容器に、中身とその食材と海などの写真を印刷したボール紙でふたをする。中身はウニとアワビの炊込飯に蒸しウニ、アワビ、海藻、カニ型ニンジン、ヤマイモを置き、焼ホタテ、カズノコ、カニと菊花の和え物、タラ煮、ネギやニンジンなどの煮物、焼イカなどを添えるもの。
見栄えはともかく、ほぼ海の中身でおいしくできている。NRE盛岡の調製なのに隣県の青森に染まっているように見えるが、青森県内にNREの支店はなく、八戸や新青森で売られる駅弁も盛岡で作っているため、こういうことになる。岩手県盛岡市から青森県青森市まで、2002年まで3時間程度の距離が、新幹線により1時間以内に縮まった。この駅弁は2016年までの販売か。
※2017年8月補訂:終売を追記石川啄木の歌集「一握の砂」の発刊100周年を記念し、2010(平成22)年8月11日に盛岡、一ノ関、青森、八戸の各駅で発売。13センチ角の正方形の容器を二段重ねにして、中身と岩手山の写真と雑穀の内容を印刷したボール紙の枠にはめる。中身は下段が雑穀の鶏飯、上段が鮭西京焼、鶏つくね、牛肉煮、冷麺、ニシンや山菜などの煮物など。
盛岡名物の冷麺をは一口分しかないが、よくぞ駅弁に突っ込んだもの。それ以外の内容もヘルシーと味気を両立しており、旅の飯でも移動中の食事でも良い感じ。食材も岩手県産のものが多く使われている。2014年頃までの販売か。
石川啄木は1886(明治19)年の岩手に生まれた明治時代の詩人で歌人。函館、小樽、釧路、東京の新聞社で勤務しながら短歌や長詩を投稿し注目を集める。25歳で第一歌集「一握の砂」を、27歳で第二歌集「悲しき玩具」を出すが、第二歌集の出版前に肺結核で死去している。パッケージに記される「ふるさとの山に向ひて言ふことなし ふるさとの山はありがたきかな」は「一握の砂」に収録されており、これは岩手県の最高峰である岩手山を歌ったものである。
2010(平成22)年の夏までに、盛岡、八戸、秋田、北上の各駅で発売か。駅弁の名前と岩手の馬型玩具「チャグチャグ馬コ」を描いた黒いボール紙容器を使用、黒いプラ製トレーに収まる中身は、岩手米ひとめぼれの日の丸御飯に玉子焼、鮭西京焼、豆腐田楽、鶏つくね、鶏照焼、大きな結び昆布、ほうれんそうとなめこのおひたし、シイタケや山菜などの煮物、牛肉煮など。
岩手県産にこだわって、おかずが内容も分量もかなり充実している幕の内駅弁。一昔前のご馳走をイメージしたお弁当なのだという。東京都内の岩手県アンテナショップ「いわて銀河プラザ」へも輸送されていた。2014年頃までの販売か。
※2017年8月補訂:終売を追記これは2010(平成22)年8月までに発売か。長方形の容器に木目柄のボール紙でふたをして、駅弁の名前と「おにけんばい」を描いた掛紙をかける。中身は茶飯の上にサーモン、うなぎ、鶏照焼、紅生姜、錦糸卵、小さなシイタケ、ニンジンなどをパラパラと散らし、サトイモなどの煮物とわさび菜おひたしを添えるもの。旅先では気にならないのかもしれないが、帰宅後に自室で食べたら見栄えが寂しい感じがした。2012年頃までの販売か。
かつて東北本線の北上駅には3社の駅弁屋が入っており、そのひとつである伯養軒北上支店では「鬼剣舞弁当」を販売していた。今回購入した駅弁に使われる掛紙のデザインは、駅弁の名前のフォントこそ異なるが当時のものと同じイラストと似た意匠を使う。その点でもしかすると大変懐かしい駅弁と思われるかもしれない。もっとも、正方形の容器に味付飯を敷いて鶏肉や山菜を豪壮に散らした当時の内容と、この内容はまるで異なる。
※2017年8月補訂:終売を追記秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2010(平成22)年秋の新商品か。強度のない容器に透明なふたをして、広告宣伝とともにニワトリを写真とイラストで印刷したボール紙の枠にはめる。中身は茶飯の上をごぼう入り鶏そぼろ、鶏照焼、錦糸卵で覆い、ニンジンとフキとシイタケを添えるもの。味は駅弁として普通の鶏飯。「磨き抜かれた逸品」とか仙台ホテル以来の伝統をうたう説明文と、イラストや容器のチープさが食い違う。比内地鶏の盛岡駅弁というのも違和感がある。2014年頃までの販売か。
※2017年8月補訂:終売を追記2009(平成21)年の春までに発売か。広くて浅い正方形の容器を、人物画と商品名とトンカツのイラストを印刷したボール紙でふたをして、割りばしを置いて輪ゴムで留める。中身は白御飯の上にキャベツの千切りを敷いて、大きく平たいロースカツを1枚載せて、りんごシラップ漬、味付茎わかめ、小松菜お浸し、赤かぶ酢漬を添えるもの。
ロースカツには岩手県二戸市の久慈ファームが2003年12月から生産するブランド豚「折爪三元豚(おりづめさんげんとん)「佐助(さすけ)」」を使ったという。名前も中身の構成も平凡かもしれないが、肉たっぷり、キャベツたっぷり、ソースたっぷり、そして付合せも分量でそのレベルを超えてたっぷり添付。現代的にきれいな見栄えと風味を持つ、食べて満腹感と満足感の高い駅弁だと思う。現存しない模様。
※2017年8月補訂:終売を追記2009(平成21)年の夏頃に発売か。寿司用丼型の容器にふたをはめて、水平線と中身の写真を掲載したボール紙の枠にはめる。中身はホタテの炊込飯に岩手県綾里(りょうり)産ホタテの照焼を3個並べ、炒り卵、イクラ、シイタケ、海藻、カニ型ニンジンなどを貼り付けるもの。見栄えでも味でもホタテが輝き、イクラと炒り卵でその輝きをさらに増して、海草を添えて潮の香りも添加した、なかなかの実力派。2014年頃までの販売か。
岩手県大船渡市三陸町の綾里漁業協同組合では、小石浜青年部の主導のもと2003年から小石浜漁港のホタテの産地直送事業「浜直送便『恋し浜』」を開始、その販路を少しずつ拡大していった。2008年には商標登録を実施、2009年7月には三陸鉄道南リアス線小石浜駅の駅名が「恋し浜」に変わり、駅弁も生まれ、鉄道の利用者や趣味者へもその名を広げ始めている。
※2017年8月補訂:終売を追記2009(平成21)年1月までには発売したらしい、収穫の報告がほとんどない無名の駅弁。長方形の加熱機能付き容器を、中身の写真に各種の宣伝文字を印刷したボール紙の枠にはめる。中身は白御飯の上をナムル(野菜炒め)とわさび菜で覆い、牛肉味噌焼を中央に少々置いたもの。なるほど確かにピリ辛な韓国風。この調子で、かつて盛岡の名物駅弁であったジンギスカン弁当でも作れば、話題にはなるかもしれない。2013年頃までの販売か。
※2017年8月補訂:終売を追記盛岡駅の幕の内駅弁の、日本レストランエンタプライズ(NRE)版。幕の内にしては小柄な正方形の容器に、春夏秋冬の背景を使うが地域性はなさそうな絵柄のボール紙でふたをして、ゴムでしばる。中身は半分がアサリ御飯、残りの半分がホタテや昆布や山菜などの煮物にアンズ、残りが有頭海老に鶏照焼に笹蒲鉾に玉子焼。
御飯の部分は季節による内容変更があるようで、栗バージョンの写真は見つけた。調製元の撤退とともに消えたかつての盛岡駅弁「南部季節弁当」が、華麗に生まれ変わったような印象。地域性は濃くないものの、幕の内の範囲を飛び出した内容の個性と、見栄えや風味の良さを感じられた。2014年頃までの販売か。
※2017年8月補訂:終売を追記「新幹線八戸駅・二戸駅開業5周年記念企画」ということは、2007(平成19)年12月頃に発売か。フタが透明で薄く平たくプラ製容器を丸ごとラップで包んで食品表示ラベルを貼る、コンビニ弁当そのまんまのパッケージを、商品名や上記事項を記す掛紙で包み隠す。中身は胡麻振り白御飯にロースカツ1切れ、ポテトフライや食用菊などを添えるもの。調製元は一戸と八戸に工場を持つ、弁当も作るパン屋さん。
掛紙を除き、見栄えも構造も容器も包装も風味も内容も、まるっきりスーパーの惣菜弁当。中身の見栄えは上々で、上質豚肉「折爪三元豚・佐助」の使用をうたうが、味は昔ながらの固め臭めなトンカツ弁当だった。
しかし、2008年の訪問時に、秋田方面や八戸方面の新幹線が発着するホームで買えた弁当は、これ1種のみ。東京方面行のホームや新幹線改札内コンコースには駅弁売店があるのだが、終着駅まで半時間ないし一時間半の列車しか来ないホームでは、駅弁需要がないのだろうか。この駅弁は数年で売り止めたのではないかと思う。
※2017年8月補訂:終売を追記盛岡駅の駅弁「前沢牛めし」の、加熱機能付き容器版。きぬさやを省略した以外は中身がまったく同じで、風味も変わりないのに、掛紙の色調はまったく異なる。牛肉の見栄えはやはりあまりよくないが、味は確か。2014年頃までの販売か。
※2017年8月補訂:終売を追記秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2006(平成18)年秋の新商品か。長方形タイプの加熱機能付き容器を使用、中身は白御飯の上に牛肉あんかけを少々載せたもの。添付された催事屋製のしおりでは、材料と味にこだわった再発売を宣伝しているが、最近にそのような事実を聞いたことがない。値段や内容を上記や下記の駅弁たちに比べると、風味が劣り実力が足りない印象を受けた。2009年頃までの販売か。
※2017年8月補訂:終売を追記2004(平成16)年の秋に発売か。円形の加熱機能付き容器を、駅弁の名前を大きく、中身写真を部分で載せたボール紙の枠にはめる。中身は岩手県産ひとめぼれの白御飯の上に牛肉、タマネギ、糸こんにゃく、タレを絡めて載せる牛丼で、これに温泉卵が割られた状態で置かれる。追加のタレも中に入れる。
加熱したら見た目は半熟のまま黄身が垂れない程度に固まった。アツアツな牛すき焼き丼としておいしくいただけたが、同じ岩手牛の駅弁であればステーキ弁当のほうがおいしそう。2010年までには終売か。
※2017年8月補訂:終売を追記2005(平成17)年7月25日に発売。長方形の竹皮編み容器の上に蒼い掛紙をかけて紙ひもでしばる。中身はウニ、ホタテ、昆布の炊込飯の上にいぶりがっこを載せ、棒だら甘露煮とひじき大豆土佐煮に煮物数点を添える。素朴な風味の良さが、とにかく素晴らしい。
岩手県釜石地方の郷土料理、というより貧しさゆえに地元でふんだんに採れる昆布などの海産物で白米を増量せざるを得なかった混ぜ御飯「めのこ飯」を、釜石調理師会が再現してレシピを整備、盛岡の駅弁にするとともに、岩手県のアンテナショップや物産展でも販売するもの。時代はめぐり粗食は美しくなり、玄米や雑穀と同様にこの駅弁も好評をもって21世紀に迎え入れられた。2011年頃までの販売か。
釜石は盛岡と同じ岩手県とはいえ、太平洋岸と内陸盆地、鉱業や水産業の街と官庁街や商工業の街という違いがあり、移動には列車で2〜3時間もかかる。ここはひとつ、地元の釜石駅で駅弁にならないものか。昭和50年代頃まで釜石は、公式な駅弁販売駅であった。
※2017年8月補訂:終売を追記御飯の上に焼アナゴとイクラを敷いてミツバを添えて、菊の酢の物と里芋などの煮物を添える。穴子丼もイクラ丼も付け合わせの選択も良い感じだが、一番元気な盛岡駅弁「味噌ヒレカツ弁当」と同様のパッケージは、どう見ても遠隔地や駅弁大会で買う気が起きるものではない。2012年までの販売か。
※2017年8月補訂:終売を追記2006(平成18)年に発売か。長方形の容器に同色同柄のフタをかけ、鮭と海と中身写真を載せた掛紙で包み、紙ひもでしばる。中身は昆布と椎茸の炊込飯の上に、鮭ほぐし身とイクラと大葉を散らし、玉子焼と小ナス醤油漬に加えて氷頭なますを添えるもの。
「鮭といくらの親子めし」など駅弁ではありふれて、美味いけど個性がない商品群。しかしこの駅弁は御飯も具も添え物も個性的で、誰もがそのいずれかで驚いてファンになってくれそうな秀作。平凡な商品名が惜しい。調製元が関東地方や東北新幹線の駅弁を制圧した日本レストランエンタプライズ(NRE)なので、趣味的にどうしても評判が悪くなるし、地元業者を駆逐した盛岡ではなおさらだが、こういう商品が生み出せるのならば悪くない。2014年頃までの販売か。
※2017年8月補訂:終売を追記宇都宮駅の駅弁売店「駅弁屋旨囲門」で、仙台駅の駅弁として販売されていた盛岡駅弁。円形の容器に透明なフタをして、簡易な紙枠にはめる。中身は酢飯の上に錦糸卵を敷き詰め、鮭とイクラと椎茸とキュウリと蒲鉾などを貼り付けるもの。
知名度は薄いが、好評も聞かれる駅弁。しかし今回食べた商品は、酸っぱい酢飯と不自然に甘い錦糸卵にパサパサのサーモンと臭い刻み椎茸、全部口に含むと不自然な苦みが口の中に広がって怖かった。そんな悪評はないと思うので、何かを間違えたか、輸送販売向けの内容にしたのかもしれない。いつまで売られたかは不詳。
※2017年8月補訂:終売を追記平成17年のNHK大河ドラマ「義経」放送に伴い、2004(平成16)年12月23日に発売。9区画のプラ製トレーを付けた正方形の容器に、透明なふたをして掛紙で覆って輪ゴムでしばる。中身は岩手県産ひとめぼれの白御飯と焼きおにぎりに舞茸御飯、おかずはマス酒粕漬焼や「いわいどり」のつくねや折爪三元豚などに、デザートのごまだれもち。義経とこじつけない岩手の食材でいっぱいで、風味も良好。また、伯養軒の駅弁はお品書きの機能的な雰囲気に優れていると思う。2013年頃までの販売か。
※2017年8月補訂:終売を追記駅弁の名前は、食品表示ラベルでは「岩手和牛ステーキ弁当」。ふたが付く長方形の容器を、駅弁の名前と3個も並べた中身の写真を載せたボール紙の枠にはめる。中身はその写真のとおり、タマネギを敷きブロッコリーを添えニンニクの芽とりんごを載せた岩手牛ステーキが1枚、ニンジンやポテトフライやしめじと白御飯に、デザートはメロンとイチゴという、レストランで注文するビーフステーキそのものという内容。
メインのステーキは歯応えと柔らかさを備え持ち、常温でも焼きたてのような風味を持つし、御飯を含めたその他の添え物もその味を引き立てる。東京圏でも北海道でも京阪神圏でもない地方都市で1,400円という高価な駅弁が売れるか分からないが、それに見合う品質を持つ。ただ、上質岩手牛と言われても見た目や普通の舌では地域色に気付かないので、こういう駅弁こそ東京・仙台・盛岡の各地で販売するのが良いと思う。
価格は2005年の購入時で1,400円、2014年時点で1,520円。2014年までの販売か。
※2023年6月補訂:終売を追記2005年時点で最近の発売と思われる、盛岡駅のNRE製幕の内弁当。角を落とした長方形の容器に、木目の紙のふたをかけてお品書きの小片を添え、シンプルで風情ある墨字の掛紙をかけて、べったりと食品表示ラベルを貼り紙ひもでしばる。
中身は日の丸御飯に煮物主体のおかず、南部鼻曲鮭トバ味噌和えや豆腐田楽、ネギ入り玉子焼やニシン甘露煮などと、酒飲みなら呑まずにいられない食材がたくさん入るような気がする、中身も掛紙も地味で渋い幕の内弁当。ただ、都内ならともかく東北で千円でこの内容は、やや割高感がある。
2013年と2017年のJR東日本の駅弁キャンペーン「駅弁味の陣」にエントリー。この駅弁は調製元の盛岡支店の閉店により、仙台支店へ引き継がれて仙台駅の駅弁となった。価格は2005年時点で1,000円、2014年時点で1,070円、2016年時点で1,100円。2018年か2019年までの販売か。
※2023年6月補訂:終売などを追記2004(平成16)年9月1日に発売。2003年に空弁の化け物「若狭の浜焼き鯖寿司」がブレイクして以来、各地で増殖中の焼鯖寿司駅弁の一種。棒寿司を詰めるにはやや幅広な長方形の容器に、炎色の掛紙をかけて赤い紙ひもでしばる。中身は棒寿司でなく、酢の薄いニンジン・ゴボウ・コンニャクの混ぜ御飯の上に、胡麻味噌のタレをかけた焼鯖が載るもの。
この種の商品が嫌いでなければ満足できる味。他よりさらに焼鯖定食の味に近付いたと思う。掛紙に「北国駅弁シリーズ」のマークがあるが、そこにどんな商品群があるのかは不詳。2012年頃までの販売か。
※2017年8月補訂:終売を追記