奥羽本線の大館駅から秋北バスで約50分。小坂町は秋田県の北東部に位置する人口約8千人の鉱山町で、かつて日本一の鉱山で栄えた。鉱山の貨物と旅客を運んだ鉄道は、2009年3月限りで廃止。その終着駅であった小坂駅は「小坂鉄道レールパーク」となり、車両の展示や構内運転、寝台客車への宿泊ができ、以下のような「駅弁」が買える。1909(明治42)年5月7日開業、2009(平成21)年3月31日限りで廃止、秋田県鹿角郡小坂町小坂鉱山字古川。
小坂駅跡地の小坂鉄道レールパークの簡易宿泊施設「ブルートレインあけぼの」で、宿泊者に限り事前予約で朝食に購入できるお弁当。中身は大館駅の名物駅弁「鶏めし」と同じ。掛紙が特別版で、宿泊施設のロゴマークに、寝台特急あけぼの号の走行写真が載る。掛紙に「税込価格880円」とあるが、常にポリ容器のお茶(120円)とセットで1,000円にて販売される模様。ポリ容器のお茶のみを買うことはできた。
ブルートレインあけぼのの営業は、政府の新型コロナウイルス感染症対策により2021年4月から休止。同7月から、2022年4月から、6月からと休止を重ね続け、7月からは濾水修理を理由に休止を継続。2023年は小坂町の改修工事の中止報告により年内の休止を決定。つまり2020年11月を最後に営業できておらず、この駅弁の予約販売もなくなっている。
※2023年8月補訂:現況を追記2015(平成27)年1月9日に小坂駅で発売。発売当時は1,000円で、今回の予約購入時には「大」1,200円と「小」800円の2種類があった。こちらは「小」で、仙台駅などの駅弁でおなじみの加熱機能付き容器に、御飯を詰め、豚焼肉で覆い、エビ、枝豆、にんじん、ほうれんそう、いぶり大根を添える。分量は全然「小」でない、肉でなくタレに臭みのある、薄くてざらっとした、たっぷりの豚焼肉丼。
調製元は小坂市街の日本料理屋。購入には2日前15時までに、小坂鉄道レールパークへの電話予約が必要だった。2017年10月現在で弁当業者の都合により受付を中止、2018年には夕食の注文を止めてしまった。調製元は「ブルートレインあけぼの宿泊客サービス連携店」になっており、豚丼の定食に「小坂駅弁」の名を付け、掛紙付きで提供するらしい。
掛紙の表面には小坂鉄道の貨物列車の写真を、裏面には小坂市街の観光地図を載せる。この鉱山町には1909(明治42)年5月に鉄道が通じ、1994(平成6)年9月まで大館駅までの旅客列車が走り、2008(平成20)年3月まで貨物列車が走っていた。その駅の跡地で2014(平成26)年6月に、観光施設「小坂鉄道レールパーク」がオープン、かつての駅舎や線路や車庫や車両を展示し、こんな「駅弁」も売るようになった。
※2021年3月補訂:終売を追記上記の「小坂駅弁」の、大きいほう。駅弁では見たことがないサイズの、大きな円形の加熱機能付き容器を使い、中身は「小」と同じ。掛紙の表面は「小」と違い、小坂鉄道の旅客列車の写真を掲載した。こちらも購入には事前の予約が必要だった。
小坂駅の跡地の小坂鉄道レールパークには2015(平成27)年5月、JR東日本が寝台特急列車「あけぼの」で走らせていた寝台客車4両が搬入された。同年10月31日には簡易宿泊施設「ブルートレインあけぼの」がオープン、その客車の寝台個室に宿泊できるようになった。夕方と朝には、かつての小坂鉄道のディーゼル機関車に牽かれて駅構内を移動、冬期の休業期間は廃線跡を約2km走り、トンネル内に保管される。
※2021年3月補訂:終売を追記