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 旅の友「駅弁」。実際に食べた9,000個以上の駅弁を中心に、日本全国と世界の駅弁を紹介します。

JR東日本 酒田(さかた)駅 JR-East Sakata Station
2018(平成30)年7月訪問 GoogleMap「酒田駅」

駅名標 駅舎 駅構内

新潟駅から特急いなほで2時間強。酒田市は山形県の北西部で日本海に面した、人口約10万人の港町。北前船の寄港地と庄内平野の稲作で、農業や商業で大いに栄えた。駅弁は1922(大正11)年から売られ、2005年に消え、後にキヨスクと駅の土産物店で地元の弁当が売られた。1914(大正3)年12月24日開業、山形県酒田市幸町一丁目。

【終売】ががちゃおこわ(730円)Gagacha Okowa (end of sales)
2017年5月28日に酒田駅の土産物店で購入 May 28, 2017

掛紙 中身
掛紙 外観 外観 中身 中身 中身

2008(平成20)年5月に680円で発売。江戸時代に創業した鶴岡の土産物店が、2003(平成15)年に酒田駅舎に支店を出し、この店舗限定で売られるお弁当。下記のとおり酒田駅の駅弁が2005(平成17)年の秋頃に消えたため、約2年半ぶりに駅弁が復活した。ただしこの弁当は、鉄道会社や駅弁業界の公式な駅弁ではない。

四角い容器に豆おこわのみを詰め、赤かぶ漬を添える。この豆が鶴岡特産の枝豆「だだちゃ豆」で、庄内のががちゃ(お母さん)が子どもたちの幸せを願ってハレの日に炊いたおこわとのことで、ががちゃおこわ。香りも粘りもそれほどない、冷めてもうまい、シンプルな商品。価格は2017年の購入時で730円。2019年に弁当としては終売し、冷凍食品の土産物になった。

※2022年4月補訂:終売を追記
販売駅
羽越本線 酒田(さかた)駅 1914(大正3)年12月24日開業 山形県酒田市幸町一丁目
調製元
株式会社 清川屋 山形県鶴岡市宝田1−4−25 0235-23-2111

【終売】ササニシキ弁当(740円)Sasanishiki Bento (end of sales)
2003年3月1日に酒田駅のホーム上の台売りで購入 Mar. 1, 2003

掛紙 中身
掛紙 外観 中身

酒田駅の幕の内駅弁。正方形の容器に昭和を感じるデザインの掛紙をかけて紙ひもでしばる。中身は日の丸御飯に焼鮭や帆立フライにエビフライ、チキン醤油焼にミートボールなど、おかずの量に困らない幕の内弁当だが、柔らかく香りの高い庄内米ササニシキの御飯はおかず要らずで、気が付いたらおかずだけ残っていそうな駅弁。

1963(昭和38)年に宮城県で誕生し、昭和後期まで「ササ・コシ」と並び称される米の代表的な銘柄であったササニシキも、粘りの強いコシヒカリ系を好む消費者のニーズに加え、1993(平成5)年の冷害を機に病害に弱く栽培に難しい欠点から「はえぬき」「ひとめぼれ」などにシェアを奪われ、近年の作付面積は最盛期の一割以下。しかし柔らかく冷めても美味い特性を買う消費者や業界に支えられ、生産量は下げ止まったそうだ。

2005年の秋頃に調製元が駅弁から撤退、この駅弁も買えなくなった。

※2006年1月補訂:現況を追記
販売駅
羽越本線 酒田(さかた)駅 1914(大正3)年12月24日開業 山形県酒田市幸町一丁目
調製元
酒田弁当販売 有限会社 山形県酒田市幸町1−6−26 0234(22)1202

【終売】鳥海釜めし(820円)Chokai Kamameshi (end of sales)
2003年3月1日に酒田駅のホーム上の台売りで購入 Mar. 1, 2003

掛紙 中身
掛紙 外観 外観 中身

酒田駅の釜飯駅弁。プラスティック製の釜に掛紙をかけて紙ひもでしばる。中身は庄内米ササニシキの味付御飯の上に鶏肉やエビや錦糸卵や蒲鉾に栗や山菜類を載せる普通の釜飯駅弁も、たっぷり厚く載った具は雑然と置かれているように見えて全体で調和しており、視覚に賑やかで味覚にやわらかい駅弁。

羽越本線は新津と秋田を結ぶ路線。北陸本線や信越本線直江津・新津(新潟)間に奥羽本線秋田・青森間と合わせて「日本海縦貫線」と呼ばれることもあるくらいで、かつては上野や大阪と秋田や青森を結ぶ長距離列車が多く、新発田・坂町・温海(現:あつみ温泉)・鶴岡・余目・酒田・羽後本荘の各駅に駅弁があった。

2005年の秋頃に調製元が駅弁から撤退、この駅弁も買えなくなった。

※2006年1月補訂:現況を追記
販売駅
羽越本線 酒田(さかた)駅 1914(大正3)年12月24日開業 山形県酒田市幸町一丁目
調製元
酒田弁当販売 有限会社 山形県酒田市幸町1−6−26 0234(22)1202

【終売】きらきらうえつ弁当(900円)Kirakira Uetsu Bento (end of sales)
2003年3月1日に酒田駅のホーム上の台売りで購入

掛紙 中身
掛紙 外観 中身

新潟・酒田間の観光列車「きらきらうえつ」登場に合わせて、2001(平成13)年11月23日に発売。大きな正方形の容器をすっかり覆う、日本海の夕日の写真と「きらきらうえつ」用車両のイラストを載せた掛紙をかけて紙ひもでしばる。中身はいわゆる幕の内風弁当も、美味い庄内米ササニシキが日の丸御飯でたっぷり入り、筋子ややりいかやミートボールといった駅弁には珍しいおかずもあり、車両のパッチワークを思わせる「きらきらうえつ」色の海老団子が個性を主張する、味の良い人気駅弁。基本的には臨時快速「きらきらうえつ」号内の売店や車内販売で販売されるが、酒田駅でも購入できた。

お役御免の特急電車を大改装して誕生した「きらきらうえつ」。4両編成中1両がまるまるフリースペースになり、日本海側の大きな窓で車窓を楽しみながら駅弁や利き酒を楽しめる。しかも特急「いなほ」と同じ性能の車両なので羽越線内で特急と同等のスピードを誇りながら、全車普通車指定席の快速列車なので運賃と指定席券(510または310円)で利用できるお得な列車。車内には沿線観光施設のパンフレットや割引券も備わる。

2005年の秋頃に調製元が駅弁から撤退、この駅弁も買えなくなった。同じ名前と役割を持つ駅弁は、2008年4月から新潟の駅弁業者により販売されている。

※2006年1月補訂:現況を追記
販売駅
羽越本線 酒田(さかた)駅 1914(大正3)年12月24日開業 山形県酒田市幸町一丁目
調製元
酒田弁当販売 有限会社 山形県酒田市幸町1−6−26 0234(22)1202

【掛紙】上等御辨當(30銭)Joto Obento
1928年12月22日調製 Dec. 22, 1928

掛紙

1928(昭和3)年12月22日の調製と思われる、昔の酒田駅弁の掛紙。掛紙に描かれるのは鳥海山であろう。その左下で駅名と名所を記す枠が、鉄道の切符のデザインを模したものであることは、現代では気が付かれないかもしれない。

酒田駅では1922(大正11)年に矢口旅館の石川為治(爲治、鳶治とも)が構内営業を始めたが、1943(昭和18)年に廃業、同年11月に余目駅から河村弁当部の河村幸次が移転し、1970年代、昭和50年代に酒田弁当販売となり、2005(平成17)年の秋頃まで駅弁が販売された。

販売駅
羽越本線 酒田(さかた)駅 1914(大正3)年12月24日開業 山形県酒田市幸町一丁目
調製元
矢口旅館 所在地の記載なし 連絡先の記載なし

【掛紙】特製御弁当(300円)Tokusei Obento
1972年7月24日調製 Jul. 24, 1972

掛紙

1972(昭和47)年7月24日10時の調製と思われる、昔の酒田駅弁の掛紙。鳥海山と稲穂と灯台や海と、防風・防塵・防暑・防寒のための庄内地方独特の作業用覆面「はんこたんな」を付けた庄内おばこが描かれる。

販売駅
羽越本線 酒田(さかた)駅 1914(大正3)年12月24日開業 山形県酒田市幸町一丁目
調製元
有限会社 河村弁当部 山形県酒田市本町一丁目6−26 (2)1202