浅草駅から特急列車で2時間弱。日光市は栃木県の北西部を占める、人口約8万人の門前町。日光東照宮、中禅寺湖、鬼怒川温泉などの観光資源に恵まれ、年に一千万人以上の観光客が訪れる。東武日光駅では2社の駅弁屋が競い、鱒鮨や湯波のものがうまい。1929(昭和4)年10月1日開業 栃木県日光市松原町。
2023(令和5)年7月12日に「スペーシアX日光埋蔵金弁当」「SL大樹日光埋蔵金弁当プレミアム」「金色のSL大樹日光埋蔵金弁当プレミアム」の3種類を各3,000円で発売。同月15日の東武鉄道の新型特急電車「スペーシアX」の運行に合わせて発売。浅草駅でも同じ容器を使う駅弁が発売された。商品名は食品表示では「ちらしずし」、掛紙では「SPACIAX」とよめる。
スペーシアXの先頭車の形状を模したプラ容器に、下記の「大樹日光埋蔵金弁当」たちと同じような金色の掛紙を巻く。中身は、酢飯をマスで覆う「日光鱒寿し」と、酢飯をマスのほぐし身と錦糸卵で覆う「極上ちらし寿司」の小箱を詰めたもの。これに金属製の、スペーシアX刻印入り金色ランチスコップと、スペーシアX刻印入り金色日本刀型ナイフを添付。おいしいけれど値段がすごい、買って驚く記念駅弁。東武日光駅と下今市駅と鬼怒川温泉駅の駅売店「ACCESS」で販売。
2023(令和5)年7月12日に「スペーシアX日光埋蔵金弁当」「SL大樹日光埋蔵金弁当プレミアム」「金色のSL大樹日光埋蔵金弁当プレミアム」の3種類を各3,000円で発売。下記の駅弁「大樹日光埋蔵金弁当PREMIUM」で使われた蒸気機関車型のプラ容器が、掛紙と同じ金色になって1,200個を販売するという。商品名は食品表示で「ますずし」、掛紙では「大樹」とよめる。
中身は日光鱒寿し。プラ容器に収まる小箱に笹の葉を敷き、酢飯を詰め、マスで覆うもの。これにこれに金属製の、C11207SL大樹の刻印入り金色ランチスコップと、C11325SL大樹の刻印入り金色日本刀型ナイフを添付。おいしいけれど値段がすごい、買って驚く記念駅弁。東武日光駅と下今市駅と鬼怒川温泉駅の駅売店「ACCESS」で販売。
東武鬼怒川線での運転が定着したSL大樹。2017年8月の運行開始から使われるJR北海道の蒸気機関車「C11207」に、真岡鐵道から購入した蒸気機関車「C11325」が2020年12月が加わり、さらに北海道内で密かに保存されていた蒸気機関車を譲り受けて復元した「C11123」が2022年7月に加わった。運行時刻も1本の編成での下今市駅と鬼怒川温泉駅の一日3往復から、2本の編成が同区間で行き違う一日4往復、さらに下今市駅発東武日光駅行き、東武日光駅発鬼怒川温泉駅行きの「SL大樹ふたら」と、狭い範囲ながら本数と区間を伸ばしている。
2011(平成23)年10月3日の発売。当時で税抜き15万円という高級で高額な日光埋蔵金弁当の、お試し版という位置付けらしい。黒塗りの容器の4マスに、マイタケと揚げゆばの炊込飯、日光鱒寿し3個とけっこう漬、揚巻ゆばと鶏手羽煮物と日光こんにゃくとシイタケ煮、マス塩焼と日光高原牛しぐれ煮と魚団子さんしょ味噌焼と玉子焼を収める。値段はあれの1%でしかないが、こちらも十分に高級感があり、予約が必要で、調製元の特徴と得意分野が生きている。価格は2013年時点で1,500円、2014年時点で1,550円、2022年時点で1,600円、2023年時点で1,700円。公式サイトでは2023年時点で「現在完売状態」との案内。
※2023年11月補訂:現況を追記2017(平成29)年4月16日に購入した、東武日光駅弁の掛紙。4年前から何も変わらない。調製印に電話番号が入り、調製元から製造者固有記号が消えた。
2013(平成25)年7月19日に購入した、東武日光駅弁の掛紙。掛紙と中身は4年後も変わらない。ここでは掛紙のことを「表紙」と表現するのがユニーク。当時は調製元になぜか製造者固有記号が付いていた。
2017(平成29)年8月の東武鉄道のSL列車「SL大樹」の運行開始に合わせて発売か。「日光埋蔵金弁当」を名乗るが、見た目は18万円や1,550円の駅弁に似ていない。楕円形の真っ黒な容器を重ね、金色の掛紙を巻く。中身は上段が御飯で、飯を錦糸卵と「埋蔵金」焼き印入り玉子焼で覆い、けっこう漬とスプーンを添付、下段がおかずで、牛肉煮、焼マス、湯波、さつまいもなどで、1,550円の日光埋蔵金弁当からマス寿司を抜いた感じ。
この駅弁の最大の特徴は、「C11207SL大樹」と刻印する給炭スコップ型の金属製スプーン。日光・鬼怒川エリアで4社が出したSL大樹駅弁の中では、最も注目されていると思う。価格は2017年の発売時や2018年の購入時で1,350円、2022年時点で1,390円、2023年時点で1,450円。公式サイトでは2023年時点で「現在完売状態」との案内。
※2023年11月補訂:現況を追記2021(令和3)年8月28日に発売。下記の2019年2月発売の「大樹日光埋蔵金弁当PREMIUM」が、2代目としてリニューアルされたもの。中身以外は従前と同じ。「SL大樹」の蒸気機関車C11を模した黒いプラ容器に、黄金色の金属スコップを添える。加えて黄金色の金属ナイフ「金色大樹の刃」も添付した。中身はシンプルに、東武日光駅弁の名物「日光鱒寿し」と同じ。ゆばを挟む酢飯にマスの身を貼る。値段は250円上がったが、中身はこのほうがよい。2022年春頃に販売休止、2022年8月に2,300円で再登場し「完売御礼」となった。2023年7月12日に「SL大樹日光埋蔵金弁当プレミアム」の名前にて2,400個限定で再々発売。
東武鉄道の下今市駅〜鬼怒川温泉駅を運行する観光列車「SL大樹」は、この駅弁の発売時点で運行5年目。JR北海道から借用する蒸気機関車C11207に、栃木県の真岡鐵道が手放した蒸気機関車C11325を加え、ディーゼル機関車と客車も増やし、2020年末から2編成での運行を始めた。さらに3両目のSLを修復中。
※2023年11月補訂:再々発売を追記2019(平成31)年2月9日に発売。同年1月の京王百貨店の駅弁大会で先行販売。真っ黒なプラ容器は、東武鬼怒川線の観光列車「SL大樹」で使われるC11形蒸気機関車を模したもの。その中には、中身を詰めた箱と、日光ラスクの袋と、投炭スコップを模した金色の金属製スプーンを詰める。
少量の中身は、酢飯を日光高原牛そぼろ、ニジマスそぼろ、湯波、錦糸卵で覆うもの。ラスクが真っ黒なのは、SLの石炭をイメージしたため。デフレクターとヘッドマークでふたを固定するギミックを含め、鉄道車両型駅弁の新たな形を持っていた。2020年8月に数量限定9600個を売り切ったという。
※2021年3月補訂:終売を追記駅弁の定義にもよるが、全国最高額の駅弁。次位の金沢駅弁「加賀野立弁当」が10,000円であるから、桁違いの存在である。調製元の公式サイトによると、1999(平成11)年2月のテレビ東京の番組で5万円の弁当として発売し、3万円や10万円のバージョンを経て、2006(平成18)年6月のTBSの番組で15万円になったらしい。おそらく1990年代にテレビでさかんに放送された徳川埋蔵金特集番組に合わせて作られたのではないかと想像する。
大きな四角い木箱と、小さな楕円形の木箱を、それぞれ布製の風呂敷で包む。いずれも村上豊八商店の日光彫であり、この駅弁はこれらの器が出来次第販売される。2膳のお箸も同じく日光彫の木製品で、ボール紙の箱に収めて添える。中身は、四角い木箱にはタラバガニのぶっとい脚肉に覆われた五目酢飯、クルマエビの塩焼きが6本、マスの塩焼き、とちぎ和牛ヒレ肉のサイコロステーキ、日光鱒寿司3個、日光姫寿司3個、花形の玉子焼2個、キャビアをたっぷりかけた日光刺身ゆば、揚巻きゆば、シイタケ煮、玉こんにゃくなど。楕円形の木箱は上下段にあんこの和菓子が4種7個入っていた。
価格と内容からして、ただただ感嘆するしかない。それでも内容も調理も奇をてらわず、品質の高いものを常温で過不足なく詰めているから、ひとりで食べ進んでも飽きが来ない。高額な弁当は誰もが作れても、高級な弁当はそうではないだろう。調製元の弁当屋としての実力も垣間見える。これだけ高額な弁当など、ほとんどの方々が一生食べない、食べる気も起きないだろう。駅弁ファンも世の中には意外にたくさんいるはずだが、日光埋蔵金弁当を買ったぞという話はまだ聞けていない。
2011年1月の京王百貨店の駅弁大会で3個が事前予約により出品され、ネット上での残数表示では少なくとも他にもう1個が売れた模様。1999年の発売時に10個を完売し、約10年で約30個くらい、2017年までに50個ほど売れたらしい。価格は2011年の購入時で15万円+消費税5%=157,500円、2014年4月の消費税率改定で162,000円、2017年秋の時点で18万円、2022年春の時点で216,000円、2023年春の時点で237,000円。
調製元は2024年6月15日に、この日光埋蔵金弁当の「完売御礼」を公式サイトで発表。日光彫の製造元がお店と工場を閉めることとなり、在庫の箱もなくなったため、終売したという。
※2024年9月補訂:終売を追記