浅草駅から特急列車で約2時間。日光市は栃木県の北西部を占める、人口約8万人の門前町。日光東照宮、中禅寺湖、鬼怒川温泉などの観光資源に恵まれ、年に一千万人以上の観光客が訪れる。東武日光駅では2社の駅弁屋が競い、鱒鮨や湯波のものがうまい。1929(昭和4)年10月1日開業 栃木県日光市松原町。
長方形の容器に透明なふたをして、商品名を書いたシンプルな黄色い掛紙を巻く。中身は茶飯の上を錦糸卵と鶏肉そぼろと鶏香味焼で覆い、かんぴょうと栗を載せ、煮物とたまり漬を添える。かんぴょうで栃木を、たまり漬で日光を演じていると思うが、まあ普通の鶏飯駅弁。飾らない普段着姿が、また良い。価格は2010年時点で800円、2014年4月の消費税率改定で830円、2020年時点でおそらく850円、2022年時点で950円。
※2023年3月補訂:写真を更新し値上げを追記2010(平成22)年11月19日に購入した、東武日光駅弁の掛紙。上記の2022年のものと変わらない。容器も中身も変わらない。
2007(平成19)年の秋頃までに発売か。2005(平成17)年の秋に発売した「軍鶏わっぱ」のリニューアル品だそうな。円形の容器に透明なふたをして、割りばしを置いて赤い掛紙をかけて、輪ゴムで十字にしばる。中身はおそらく鶏ガラスープで炊いた茶飯の上に、蒸し鶏ほぐしとゆばを敷き詰めて、煮玉子、手羽先、こんにゃく、ごぼう、シイタケ、クリ、柴漬けなどを載せるもの。
分量豊富でホクホク柔らかい鶏肉の味はくせになるし、全国各地に広がる鶏飯駅弁にこのような内容と風味は思い当たらない。ネット上のブログにはおいしかった報告がいくつも見付かる、日光の地になければ主役を張れそうな、B級グルメの面構えをした高品質な創作弁当。見本写真によれば、本来は具が鶏ほぐし身を埋め隠すレイアウトである模様。価格は2009年の購入時で850円、2014年4月の消費税率改定で880円、2020年時点で950円、2021年時点で920円、2022年時点で960円。
※2022年4月補訂:値上げを追記2007(平成19)年頃までに「栃木牛めし弁当」の名前で発売か。黒い木製風の長方形のボール紙製容器に、商品名を書いたシンプルな白い掛紙を巻く。白いプラ製トレーに入る中身は、コシヒカリの白御飯に、日光高原牛の赤身が真っ黒な牛焼肉を貼り、パプリカ、ししとう、ニンジン、タケノコ、かまぼこを貼り、温泉玉子とたまり漬を添えるもの。牛飯駅弁などとてもありふれた存在であるが、ここではシンプルながら他駅に似ない姿をしていた。価格は2010年時点で950円、2015年時点で「元祖栃木牛めし弁当」と名を少し変え1,000円、2022年時点で1,150円。
※2023年3月補訂:写真を更新し値上げを追記2010(平成22)年11月19日に購入した、東武日光駅弁の掛紙。上記の2022年のものと、おおむね変わらない。のちに「おいしい」「元祖」の文字を書き加えたことがわかる。中身も変わらない。
JR東日本・東武鉄道特急列車直通運転一周年記念弁当として、2007(平成19)年3月18日から6月30日までの期間限定駅弁「日光名物弁当 けっこうづくめ」として発売、後に販売期間を1年間へ延長したうえで、2008(平成20)年3月に掛紙と名前と中身を少し変えて販売を続けているもの。
長方形の容器に透明なふたをして、割りばしを置いてから輪ゴムで留めて、商品名と牛のアイコンを印刷した掛紙を巻いてさらに輪ゴムで留める。中身は白御飯の上を牛そぼろと牛すきやき肉で覆い、玉子焼、ジャガイモやシイタケなどの煮物、漬物を添えるもの。
つまり米沢で人気の有名駅弁「牛肉どまん中」の模倣であるが、単なる模倣では良い味は出ないし、この手の駅弁を模倣できる駅弁屋はあまり見あたらない。牛肉は全国農業協同組合連合会栃木県本部(JA全農とちぎ)のブランド牛「日光高原牛」を使用、米は掛紙に生産者の名前を書いた栃木県今市市のコシヒカリを使用、漬物は日光名物のたまり漬のひとつ「けっこう漬」を使い、地場と品質をアピールする。関東地方ではナンバーワンの牛丼駅弁ではないかと思う。価格は2009年時点で1,050円、2014年4月の消費税率改定で1,080円、2020年時点で1,150円、2022年時点で1,250円、その年末までに1,300円。
※2023年3月補訂:写真を更新し値上げを追記2009(平成21)年11月20日に購入した、東武日光駅弁の掛紙。上記の2022年のものと変わらない。容器も中身も変わらない。
上記の駅弁「日光高原牛弁当けっこうづくめ」の、加熱機能付き容器版。スリーブの絵柄は通常版の掛紙と同じ。中身は通常版から煮物類が省略されており、牛そぼろと牛すき焼き肉で覆われた白御飯と、玉子焼と柴漬け。他の駅では通常版プラス200円が相場だと思う差額は、ここでは2020年当時で350円もあった。そのためか、加熱機能付き容器の牛肉駅弁では寂しく思うことが多い肉の分量が、ここでは確保されていた。
東武鉄道のSL列車「SL大樹」の運行開始に合わせて、2017(平成29)年8月に発売。6月に東京都内の東武百貨店池袋店で先行販売。丸い容器にかけた丸い掛紙には、SL大樹の写真やロゴマークが使われる。茶飯を淡色の豚焼肉で覆い、3枚のレンコン、蒸気機関車のナンバープレートの焼き印入り玉子焼、煮豆、湯波などでまた覆う。食べれば落ち着いた、副菜の多い豚焼肉丼。豚を二度も名乗る駅弁の名前と違い、見た目で豚肉が全然目立っていない。2020年までの販売か
※2021年3月補訂:終売を追記