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 旅の友「駅弁」。実際に食べた9,000個以上の駅弁を中心に、日本全国と世界の駅弁を紹介します。

JR東日本 宇都宮(うつのみや)駅 JR-East Utsunomiya Station
2021(令和3)年10月訪問 GoogleMap「宇都宮駅」

駅名標 駅舎 駅構内

東京駅から東北新幹線で約50分。宇都宮市は栃木県の中央に位置する、人口約52万人の城下町で県庁所在地。工業都市として栄えるほか、二荒山神社の門前町や、餃子の町としても知られる。駅弁は明治時代から一貫して健在。駅弁の発祥地はここだという説がある。1885(明治18)年7月16日開業、栃木県宇都宮市川向町。

下野山菜弁当(700円)Kouzuke Sansai Bento
2022年7月30日に宇都宮駅の在来線改札内の駅弁売店で購入 Jul. 30, 2022

掛紙 中身
掛紙 外観 外観 中身 中身 中身

1970年代の発売。今では全国的に少なくなった、山菜が主題の駅弁。長方形の容器に茶飯を詰め、姫竹、ふきのとう、かんぴょう、しいたけ、しめじ、海老から揚げ、グルテンミート錦糸卵で覆い、漬物と酢の物を添える。ワラビとゼンマイに頼らない山菜の駅弁もまた珍しい。グルテンミートを入れることと、肉や魚を使わないことで、健康食をアピール。薄味にはされていないので、意識せず普通に食べられる。グルテンミートの多用は、駅弁では宇都宮駅の特徴である。売店での掲示によると、2022年時点で人気No.3の駅弁だという。

※2022年9月補訂:写真を更新
※2017年9月補訂:写真を更新し解説文を改訂
販売駅
東北本線 宇都宮(うつのみや)駅 1885(明治18)年7月16日開業 栃木県宇都宮市川向町
調製元
有限会社 松廼家 栃木県宇都宮市駅前通3−3−1 028(634)2426 http://www.ekiben-matsunoya.co.jp/

【掛紙】特製下野山菜弁当(700円)Tokusei Kouzuke Sansai Bento
2014年2月21日に宇都宮駅の改札外コンコースの駅弁屋台で購入 Feb. 21, 2014

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2014(平成26)年2月21日に購入した、宇都宮駅弁の掛紙。上記の2022年の駅弁「下野山菜弁当」と、同じ中身で、同じ値段。当時はこんな、簡素でなく駅弁らしい掛紙をかけていた。

販売駅
東北本線 宇都宮(うつのみや)駅 1885(明治18)年7月16日開業 栃木県宇都宮市川向町
調製元
有限会社 松廼家 栃木県宇都宮市駅前通3−3−1 028(634)2426

【掛紙】特製下野山菜弁当(700円)Tokusei Kouzuke Sansai Bento
2003年7月12日に宇都宮駅の駅弁売店で購入 Jul. 12, 2003

掛紙 掛紙

2003(平成15)年7月12日に購入した、宇都宮駅弁の掛紙。上記の2014年のものと比べて、絵柄はまったく異なるが、中身は同じ。値段もまた同じ。

販売駅
東北本線 宇都宮(うつのみや)駅 1885(明治18)年7月16日開業 栃木県宇都宮市川向町
調製元
有限会社 松廼家 栃木県宇都宮市駅前通3−3−1 028(634)2426

日光杉並木(1,000円)Nikko Suginamiki
2022年3月20日に宇都宮駅の在来線改札内の駅弁売店で購入 Mar. 20, 2022

掛紙 中身
掛紙 掛紙 外観 外観 外観 中身 中身 中身

1990年代の発売かどうか。東照宮造営の折に徳川譜代の松平正綱が奉納した、勇壮な日光街道杉並木をイメージしたお弁当です、と商品名のしおりに書いてある。丸いプラ製の容器を二段に重ね、緑色の紙風呂敷で包む。中身は下段がシイタケと鶏肉の五目飯、上段がおかずで鶏照焼、えび素揚げ、ゆば焼、タケノコ煮、かまぼこ、青菜、わらび、ぜんまい。柔らかい味わいを持つお弁当。

日光杉並木とは一般に、現在の栃木県内で日光街道、日光例幣使街道、会津西街道にまたがる、約37キロメートルに渡り道路の両側に植えられた、約1万2千本のスギの街路樹のことをいう。江戸時代の寛永2年(1625年)から慶安元年(1648)年までかけて街道沿いにスギが植えられ、これが松平正綱の東照宮への寄進によることは上記のとおり。老化や伐採、開墾や開発、自動車の登場と道路の整備、環境の変化、近代的な街路樹への更新から逃れたり保護され、1922(大正11)年には国の史蹟に、1952(昭和27)年には特別史跡に、1954(昭和29)年には国の天然記念物に、1956(昭和31)年には特別天然記念物となり、今もこの規模が残される。

※2022年7月補訂:写真を更新し解説文を手直し
販売駅
東北本線 宇都宮(うつのみや)駅 1885(明治18)年7月16日開業 栃木県宇都宮市川向町
調製元
有限会社 松廼家 栃木県宇都宮市駅前通3−3−1 028(634)2426 http://www.ekiben-matsunoya.co.jp/

【掛紙】日光杉並木(1,000円)Nikko Suginamiki
2001年9月30日に横浜駅の駅弁大会で購入 Sep. 30, 2001

掛紙 中身

2001(平成13)年9月30日に購入した、宇都宮駅弁の風呂敷。当時は駅弁の名前を貼り付け、食品表示はタグにしていた。丸いプラ容器、中身、そしてなんと価格も、上記の2022年のものと変わらない。

販売駅
東北本線 宇都宮(うつのみや)駅 1885(明治18)年7月16日開業 栃木県宇都宮市川向町
調製元
有限会社 松廼家 栃木県宇都宮市駅前通3−3−1 028(634)2426

【終売】とちぎまるごと弁当(1,598円)Tochigi Marugoto Bento (end of sales)
2022年10月10日に宇都宮駅ビルのいなりずし店で購入 Oct. 10, 2022

掛紙 中身
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2022(令和4)年9月30日までに、JR宇都宮駅の商業施設「パセオ」2階「グランマルシェ」へ2021年8月に入居したテナントのいなりずし店「京源きつね福」で発売。10月のJR東日本の駅弁キャンペーン「駅弁味の陣2022」にエントリー。2022年開催の第77回国民体育大会「いちご一会とちぎ国体」に向けた新商品のようで、出張や観光や国体などで来県する人に栃木県の食の魅力を発信するとのこと。宇都宮駅の駅弁は、明治時代からの公式な駅弁屋の他に、かつての黒磯駅弁の復刻版や、市内のホテルのお弁当の販売が知られてきていたが、そのいずれでもない弁当の「駅弁」としての出現に驚いた。

専用の紙箱には、イラストと名前で中身を紹介し、同じく栃木県内の観光資源を紹介。ふたのうらでは、食材の製造元まで記す詳細なおしながきを掲載。中身はとちぎ県産米の白飯に、岩下の新生姜を添え、かんぴょうとニラのごま和え、らっきょうのたまり漬、鹿沼こんにゃくのきんぴら、那須三元豚の生姜焼き、玉子焼に佐久山コロッケに揚餃子とキャベツ千切り、ゆば、がんも、ニンジン、栃木の柚子。おかずが充実したと思う普通の仕出し弁当に見えて、予備知識または容器の読み込みがあれば、栃木県内一色、栃木を満載した創作に感じる。そのぶんだけお値段も、1,480円+消費税と、かなり張る印象。

2023年に同じ店舗を訪れたら、いなりずし店がなんと湯波の店に転業しており、弁当の販売はなくなっていた。

※2023年9月補訂:終売を追記
販売駅
東北本線 宇都宮(うつのみや)駅 1885(明治18)年7月16日開業 栃木県宇都宮市川向町
調製元
京源きつね福 栃木県宇都宮市今泉新町210−2 028(688)8189

【終売】栃木味めぐり弁当(1,200円)Tocihgi Ajimeguri Bento (end of sales)
2016年5月22日に東京駅の駅弁売店「駅弁屋 祭」で購入 May 22, 2016

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JR東日本大宮支社の宇都宮車掌区と調製元の共同開発により、「餃子めし弁当」とともに、2016(平成28)年4月1日から6月30日まで宇都宮駅と東京駅と大宮駅で販売された期間限定駅弁。栃木県の観光キャンペーン「「本物の出会い 栃木」春の観光キャンペーン」に合わせ、JR入社5〜7年目の車掌5人が、オリジナル駅弁を企画したという。

おしながきにイラスト付きで紹介される中身は、日の丸御飯とタケノコ飯、いっこく野洲どりとプレミアムヤシオマス、ゆめポーク、餃子まんじゅう、ゆば、かぼちゃサラダなど。掛紙には男女の車掌、栃木のJR線の模式図、各路線の電車のイラストなどが描かれる。

販売駅
東北本線 宇都宮(うつのみや)駅 1885(明治18)年7月16日開業 栃木県宇都宮市川向町
調製元
有限会社 松廼家 栃木県宇都宮市駅前通3−3−1 028(634)2426

【終売】栃木釜めし(1,200円)Tochigi Kamameshi (end of sales)
2015年10月16日に宇都宮駅の改札脇の駅弁屋台で購入 Oct. 16, 2015

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JR東日本大宮支社の観光キャンペーン「本物の出会い 栃木」の開催に合わせて、その開催期間である2015年10月1日から11月30日まで販売された期間限定駅弁。「とちぎ和牛ハンバーグ弁当」(1,500円)も同時に販売。駅の店頭では一個700円が相場の宇都宮駅弁において、この価格帯はずいぶん高く設定されたものだ。

各地の駅弁で使われるプラ製釜飯容器の中身は、マイタケ御飯を「プレミアムヤシオマス」のマス柚庵焼き、「いっこく野洲どり」の鶏照焼、マイタケ煮、ししとう、ぎんなん、うずら卵、クリ、小ナス漬で覆うもの。掛紙に3度も繰り返して記す「プレミアムヤシオマス」が高価の原因だと思うが、私の舌ではただの鮭塩焼で、鶏照焼やマイタケ煮が主役だと感じたところ。

そのプレミアムヤシオマスとは、栃木県養殖漁業協同組合の水産試験場で品種改良された大型の養殖ニジマス。柔らかさ、適度な脂、クセや臭みのなさが特徴といい、おしゃれな魚料理への使用が勧められている。

販売駅
東北本線 宇都宮(うつのみや)駅 1885(明治18)年7月16日開業 栃木県宇都宮市川向町
調製元
有限会社 松廼家 栃木県宇都宮市駅前通3−3−1 028(634)2426

【終売】那須の内弁当(1,200円)Nasunouchi Bento (end of sales)
2014年4月11日に東京駅の駅弁売店「駅弁屋 祭」で購入 Apr. 11, 2014

掛紙 中身
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2014(平成26)年4月から6月までのJR東日本の観光キャンペーン「本物の出会い栃木」に合わせて、同期間中の4月1日から6月30日まで、東京、大宮、宇都宮、那須塩原の各駅で販売。後述する「なすべん」を、駅弁として販売したもの。二段重ねの容器の下段にはおむすび、山菜寿司、きんぴら入り煮物、上段にはハンバーグ、肉団子、ネギ味噌焼、ジャージーミルク玉ようかん、ブルーベリー入りコンポートなどを収める。那須の食材をいろいろ詰めているが、一言で表せばハンバーグ弁当になるのだろうか。中身に玄米もかんぴょうもグルテンミートもなく、掛紙のデザインともども、普段の宇都宮駅弁らしくない感じ。

「なすべん」ないし「那須の内弁当」とは、栃木県那須郡那須町の農家や商工会や観光業者などが参画し2005(平成17)年に発足した組織「なすとらん倶楽部」が、2010(平成22)年に開発したお弁当。かつて黒磯駅の駅弁にもなっていた九尾の狐伝説にちなみ、駅弁の掛紙にもイラストで描かれるとおり、「那須の米(コシヒカリ)(を使うおにぎり)」「那須のニラ」「那須の(白美人)ネギ」「那須和牛(をメイン料理とする)」「那須の(美)ナスまたは(春香)ウド」「那須の旬(の高原)野菜(山菜でも可)」「那須の食材(を使ったスープ)」「那須のフルーツ」「那須の牛乳」の9つの食材を使った9つの料理で構成する。さらに、正式名称「那須の内弁当」愛称「なすべん」とする、「なすべんプレート」の使用、9種類の料理はすべて個別の器に盛る、おしながきをつける、販売価格は1,200円(税込)以下とするというルールもある。

この定義に従い、当初は地域で7軒のホテルやレストランが料理を販売、後に取り扱い店舗を増やし、5年で約15万食を提供したという。この取組は2015(平成27)年に都市農山漁村交流活性化機構「地産地消優良活動表彰」の農林水産省食料産業局長賞に選定され、2016(平成28)年には農林水産省「農林水産祭」における「豊かなむらづくり全国表彰事業」で関東ブロックの農林水産大臣賞を受賞した。駅弁は3か月で終わったが、なすべんは那須のレストランでの提供が続く。

販売駅
東北本線 宇都宮(うつのみや)駅 1885(明治18)年7月16日開業 栃木県宇都宮市川向町
調製元
有限会社 松廼家 栃木県宇都宮市駅前通3−3−1 028(634)2426

【終売】とちぎ秋便り(1,000円)Tochigi Akidayori (end of sales)
2013年10月13日に東京駅の駅弁売店「駅弁屋 祭」で購入 Oct. 13, 2013

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JR東日本の駅弁キャンペーン「駅弁味の陣2013」の開催に合わせた、2013(平成25)年10月の発売か。JR東日本大宮支社の毎年10月から11月までの観光キャンペーン「BIGREDとちぎ」との関連も、掛紙の絵柄に感じられる。

松花堂タイプの容器に、高菜寿司と那須牛肉味噌付き白飯、五目寿司飯、豚鍬焼と葉唐辛子と季節の菓子、ゴボウやマイタケなどの煮物とゆばとカンピョウのごま和えなどを収める。白飯と酢飯で半分を占める御飯だらけの駅弁であり、おかず不足で飯を食べ続ける試練の道。もし半世紀前であれば、多量でうまい白米に感心したのかもしれない。販売は2013年秋のみだった模様。

販売駅
東北本線 宇都宮(うつのみや)駅 1885(明治18)年7月16日開業 栃木県宇都宮市川向町
調製元
有限会社 松廼家 栃木県宇都宮市駅前通3−3−1 028(634)2426

【終売】日光きすげ御膳(1,200円)Nikko Kisuge Gozen (end of sales)
2005年10月1日に宇都宮駅の駅弁売店「駅弁屋旨囲門」で購入 Oct. 1, 2005

掛紙 中身
掛紙 外観 外観 中身 中身

1998(平成10)年4月10日の駅弁の日に発売か。木目調発泡材で作った引き出し付きの重箱に赤い柄の紙をかけて、赤い紙ひもでしばる。中身は下段が酢飯のおにぎりとおこわの茶飯、上段にきすげの天ぷらと煮物、日光ゆば、レンコン挟み揚、鳥照焼、焼鮭、桜大福など。2006年以降の販売は確認できていない。

ニッコウキスゲは、1984年から栃木県日光市の市花。霧降高原のその名もキスゲ平では、6月から7月にかけて数万株が黄色い花を付ける。しかし1994年頃までにシカ害で全滅に近い被害を受けたため、防護策の設置や苗の手植えなど、地域や市役所の努力が続いている。

※2015年8月補訂:終売を追記
販売駅
東北本線 宇都宮(うつのみや)駅 1885(明治18)年7月16日開業 栃木県宇都宮市川向町
調製元
有限会社 松廼家 栃木県宇都宮市駅前通3−3−1 028(634)2426