東京と日本の中央駅。東海道・山陽・東北・上越・山形・秋田・北陸の各新幹線、東海道・中央・総武・東北の各線、山手線や京浜東北線などの電車が、一日あたり3000本以上行き交い、100万人以上の利用者で終日賑わう。駅弁はJRの子会社が調製するもので100種類以上とも、エキナカの商品を含めて400種類以上とも、デパ地下の弁当を含めて1000種類以上ともいわれる、世界一の駅弁販売駅。1914(大正3)年12月20日開業、東京都千代田区丸の内1丁目。
2024(令和6)年3月8日に、東京、新宿、上野、仙台の各駅で発売。駅弁を通して東北の更なる復興へと、経済産業省が所管する独立行政法人中小企業基盤整備機構東北本部(中小機構東北本部)の協力により、東北各地の食品産業事業者の精選食品を弁当に盛り込むことで、食の面から復興の一助となればとの思いから、2011年10月から取り組まれている「東北福興弁当」シリーズの第12弾。第1弾の「東北福興弁当」から2021年3月の第10弾までは仙台駅の駅弁であり、調製元の閉店により東京都内での調製となった2022年10月の第11弾も公式発表で発売場所の筆頭を仙台駅としたが、この第12弾は実態に合わせてか上記のとおり東京駅を筆頭とし、調製は埼玉県内となる。どこの駅弁とは書かれておらず、発表もされていない。第11弾までで90万食を売り上げたという。
東北6県を祭のイラストで紹介する掛紙の絵柄は第11弾に似て、8区画に分けた長方形の容器のつくりは第10弾と同じ。引き続き掛紙の裏面で紹介する中身は、青森のキャベツにんにく入り塩麹炒め・、岩手の北三陸産わかめ炒り煮と三陸産鮭の味噌漬け焼き、宮城のイメージでたこ入り揚げかまぼこと三陸産さんま煮、秋田の鶏肉揚げ煮と秋田県産わらびピクルス、山形の山形県産生芋玉こんにゃく煮と山形県産マッシュルーム醤油漬け、福島のたけのこ煮ふきのとう味噌のせと紫花豆甘露煮の天ぷらと福島県産若桃の甘露煮、青森・秋田・岩手で青森県産さめ節入りだしと秋田県産比内地鶏スープの茶飯でさめ節入りだしと比内地鶏スープと岩手県産菜彩鶏そぼろ、宮城・福島で宮城県産あかもく佃煮ときゅうり味噌和えなど。
国の認定を受けたり中小機構の復興支援事業を活用した16事業者の17食材を取り入れた。そんなに身構えなくても、いろんなおかずを少しずつ味わえる、賑やかな幕の内弁当タイプの駅弁であり、おつまみ弁当であり、東北6県の食も楽しめる。価格はまた200円以上のアップ。
東京駅構内の商業エリア「グランスタ」の開業10周年を記念した様々な商品のうちひとつで、2017(平成29)年10月25日から11月30日まで駅弁売店「駅弁屋 祭」で販売。「東北旅祭」の副題が付くとおり、中身は牛たん飯、アサリ飯、いも煮、赤魚焼とかまぼこと玉子焼、若桃とりんご、玉こんにゃくとレンコンやニンジンなどの煮物、いぶりがっこ、帆立貝ひもと数の子和え、枝豆やコーンやパプリカの揚げ物と、それぞれ東北や関東の各都県の名前を連想する料理が細々と詰まっていた。
エキナカという用語ができてから、東京駅で東京以外の駅弁を売る売店ができてから、だいたい10年くらい。まずは2004(平成16)年8月に「駅弁屋旨囲門」ができ、2006(平成18)年10月に「東京エキッチン」に拡張移転、2012(平成24)年8月に同じ場所で「駅弁屋 祭」となり、2016(平成28)年11月に中央通路の反対側へ拡張移転した。
地下1階では2007(平成19)年10月に「駅弁屋 極」ができ、これがグランスタ10周年の根拠となるが、その駅弁売店自体は2012(平成24)年7月に閉店している。他に2010(平成22)年12月に「ニッポンの駅弁」が開店したが、2016(平成28)年2月に閉店。2012(平成24)年12月には駅弁売店のひとつに「駅弁屋 踊」の名が付いたが、2018(平成30)年3月限りで閉店した。
2016(平成28)年11月18日に発売。かつての東京駅弁「北海味メッセ」の生まれ変わりか。長方形の容器の中心で、酢飯をカニとイクラとサケで覆い、左右に一部北海道産の食材や北海道の料理を取り入れた、揚げ物や煮物や焼き物や酢の物を収めた。2019年までの販売か。
※2021年3月補訂:終売を追記東京駅構内の商業施設群での、北海道新幹線開業を記念した「北海道AND青森フェア」に伴い、2016(平成28)年3月15日から半月間くらいの期間限定販売か。北海道新幹線のH5系電車の帯色を使う掛紙には、「2016.3.26北海道新幹線開業」のロゴマークがある。中身はホタテ丼、カニいくらちらし、鮭塩焼、野菜炒め、イカしんじょう、ごまどうふなどで、青森や函館にちなんでいるような、そうでもないような。
2011(平成23)年8月1日から10月末まで販売された、車内販売専用弁当。東北各県の駅弁を車内販売で応援する東北応援の第一弾として発売したというが、調製元も販売元も東京資本のNREである。第2弾として秋田・青森編が11月7日から2月まで、第3弾として岩手・山形編が2012年3月1日から5月まで、それぞれ販売されている。
正方形の容器に、東北の地図や食材のレタリングでデザインした掛紙を巻く。中身は白御飯を鶏そぼろと玉子そぼろで覆い、会津地鶏の漬焼を載せた鶏飯と、茶飯をイクラと鮭そぼろで覆い、鮭の漬焼を載せた鮭イクラ飯と、揚げ麩やインゲンなどの煮物、メヒカリ唐揚と笹かまぼこにナス醤油漬など。基本的には御飯弁当。12月になって駅弁大会に出てきたが、これも復刻版なのだろうか。
2011(平成23)年11月3日から6日まで東京駅の駅弁売店「駅弁屋旨囲門」と「5号売店」で開催された「東北応援ご当地うまいもん駅弁大会」で販売された記念駅弁。月替わりでもう第3弾まで来た。容器と掛紙意匠と価格と調製元は当然に同じ。今回の中身は青森りんごシロップ漬、岩手いわいどり照焼、宮城が鮭はらこ飯と柚子入り笹蒲鉾としそ巻くるみ揚と牛たんしぐれ煮で4点、秋田いぶりがっこ、山形が玉蒟蒻と南蛮味噌と米沢牛しぐれ煮で3点、福島桃酢漬。書けば東北というより宮城山形、仙山弁当という感じに思えたが、だんだん弁当らしい感じにこなれてきた。東北応援弁当シリーズは、これが最後となった。
2011(平成23)年10月8日から10日までに東京駅で開催された「第14回東日本縦断駅弁大会」で販売された記念駅弁。この名称では毎年2回の恒例行事だが、下記のとおり2週間前にも名前だけ違う駅弁大会をやっていて、そこでの記念駅弁が早くも焼き直し。前回との変更点は、掛紙に「第2弾」と入れて料理名を差し替えたことと、その記載に従い中身を入れ替えたこと。今回の内容は青森蟹菊花寿司、山形だだ豆茶ご飯、岩手いわいどり照焼、宮城さんま竜田揚、山形芋子煮、宮城長茄子漬、福島桃酢漬、秋田ばっけ醤油煮、宮城柚子入り笹蒲鉾、青森りんごシロップ漬。このコンセプトならではのクセのある中身だなと感じたところ。
2011(平成23)年9月17日から25日まで東京駅で開催された「東北応援駅弁大会」で販売された記念駅弁。というか、もう第2弾が出てきた。今度は長方形の黒い容器を使用、中身は掛紙記載のとおり、「県名は産地を示すものではありません」という注記を付けたうえで、三陸産茎わかめ細巻寿司、秋田いぶりがっこ、福島いかにんじん、宮城しそ巻くるみ揚、岩手遠野ジンギスカン、山形玉蒟蒻煮、宮城油麩煮、宮城柚子入り笹蒲鉾、青森長芋煮、青森りんごシロップ漬を、イクラとカニと菊花を載せた白御飯に合わせている。コンセプト上、内容にまとまりがないのは仕方がない。前回の駄作よりは一食として食べられる気はした。
会場である駅弁売店「駅弁屋旨囲門」はもともと、東北上信越各地の駅弁を輸送販売する、毎日が駅弁大会の弁当屋である。しかし東日本大震災直後の混乱が一段落すると、まるで毎週末が東北応援駅弁大会となっている。とはいえ今の東北地方で輸送販売に応じる駅弁屋は、郡山や仙台などの一部業者を除くと、NREの支社か、東北での国鉄時代からの駅弁屋ながら今は事実上東京に販売の拠点を置くところに限定されてしまう。八重洲中央口の改札外で小さく始まった頃のコンセプトが、だいぶ変容してきた感がある。
2011(平成23)年5月28・29日に東京駅構内で開催された「東北応援駅弁大会」で販売された記念駅弁。陸上競技場型の容器に、東北地方の地図のシルエットと各県に結び付けた食材の名前などを印刷した掛紙を巻く。中身はウニとイクラを振り掛けたあきたこまちの白御飯に、鮭塩焼、玉子焼、こんにゃくやコンブなどの煮物、イカやホタテなどの煮物、みずとモモと長なすの漬物などを詰めるもの。
今回の駅弁大会でのみ売る記念駅弁はどうしたのだろうか、過去のNREの同種コンセプト商品に比べて見栄えがとても劣化し、これで味もなんとなく落ちていた。
最近の東京駅で毎年4月に開催されていた、駅弁の日を記念する東日本縦断駅弁大会は、この年はおそらく東日本大震災の影響を受けてか実施されず、5月になって「東北応援駅弁大会」の名で開催された。もっとも、3月11日の地震発生日の直前となった3月5,6日に、東北新幹線「はやぶさ」運行開始を記念した駅弁大会が開催されている。
JR東日本リテールネットの東北応援キャンペーンの一環として、2011(平成23)年4月29日から6月30日に「膳まい」各店で販売。長方形の容器に透明なふたをして、商品名を書いてニワトリを描いた黄緑色の掛紙を巻く。中身は味付け醤油飯の上をとりそぼろのあんかけ、鶏照焼スライス、山菜とひじき、錦糸卵、シイタケとニンジンとタケノコの煮物で覆い、黒豆とタクアンを添えるもの。
掛紙では詳しく書かれていないが、JR東日本リテールネットの公式サイトによると、この弁当の売上金の1%分を義援金として日本赤十字社を通じて寄付したのだそうな。この弁当の調製元は震災の直接の被災地ではない神奈川県であるが、このキャンペーンでは弁当の他に青森、岩手、宮城、福島、茨城の各県の土産菓子や洋菓子や酒類の販売をしたという。東京都その近郊にしかない弁当屋「膳まい」に震災の影響などないだろうが、JR東日本リテールネットとしては東北地方のキオスクやコンビニが打撃を受け、当地では地元の菓子屋や酒屋などとの取引もあるから、このようなキャンペーンの胴元になるべき存在だと思った。
東北新幹線新青森開業を記念して、2010(平成12)年12月4日に東京、上野、品川、新宿、大宮の各駅で発売。竹皮製の長方形の容器に、今回の新幹線の開業区間や中身の写真にねぶた祭や十和田湖の写真やなどを印刷した掛紙を巻く。透明なプラ製トレーに収まる中身は、カニやイクラやホタテやエビや山菜が載るちらし御飯に、ホタテ風味フライ、イカ磯部揚、鶏肉と野菜のうま煮、ナガイモ揚、みず生姜漬、りんごシロップ漬。具の種類が豊富な北の味だが、この価格には身構える。2015年頃までの販売か。
東北新幹線は1982(昭和57)年に大宮駅から盛岡駅まで、1985(昭和60)年に上野駅から大宮駅まで、1991(平成3)年に東京駅から上野駅まで、2002(平成14)年に盛岡駅から八戸駅までと開業し、この日の八戸駅から新青森駅までの開業で全通した。1971(昭和46)年に当時の国鉄が着工した頃は、1976(昭和51)年度には東京駅から盛岡駅まで開業しているはずであったが、1973(昭和48)年のオイルショックによる総需要抑制策、大宮以南における新幹線反対運動、国鉄の財政難、その他政治的な駆け引きにより、これほどの長い時間がかかってしまった。
その間、このような状況では新幹線としての路線の延伸がとても見込めない山形県や秋田県は、在来線の改修によるいわゆる「ミニ新幹線」で、1992年や1997年に東京直通の新幹線列車を手に入れた。青森県はあくまでも新幹線での延伸にこだわり、両県に10年ないし18年の遅れを取ることにはなった。
※2016年9月補訂:終売を追記下記の駅弁「駅弁北海味メッセ」が、2008(平成20)年5月にリニューアルされた。容器は以前よりコンパクトな八角形に、ふたは透明に、掛紙はボール紙の枠に変わり、おしながきは省略。内容と風味はそれほど変わっていないと思うが、カニの分量が寂しくなった気がした。価格は200円の値下げ。具の分量に割高感がないとは言えないが、東京駅弁の定番商品として販売が続けられた。2010年頃までの販売か。
※2017年7月補訂:終売を追記NHK大河ドラマ「義経」放送に伴い、2005(平成17)年1月21日に発売。最近に流行の竹皮製容器に、平泉と義経を描いた掛紙をかけてセロテープで留める。中身は兜型の蒲鉾に山菜がたっぷり載った白御飯と、ジンギズカン甘辛煮、カニ爪薩摩揚、帆立などの煮物に玉子焼など、デザートに義経ざくら饅頭。お品書きに平泉や義経と食材との関係が記される。
風情も風味も良いがやや高価か。それよりも、馬から落馬するように駅弁の名前にわざわざ「駅弁」と入れるにもかかわらず、東京・新宿・上野・大宮・品川・八王子の他に仙台駅と盛岡駅でも販売されるという、所属駅不明な販売形態は駅弁と呼べないし、これらの販売駅とドラマの義経との関係はないに等しいとも思う。売れれば何でもアリという姿勢の表れか。2005年内に終売か。
2004(平成16)年6月に実施されたJR東日本の観光プロモーション「東北旅メッセ2004」に合わせて、2004年6月9日から期間限定で都内各地の駅弁売店で販売された記念駅弁。つまり下記「駅弁東北味メッセ」の2004年版。前年版と比較して価格と掛紙のイラストは同一で中身も多くが共通だが、容器が小ぶりな竹皮製に変更されたことで食材が折り重なる感じになり、高額感は大きくなったが見栄えは格段に向上した。駅弁の名前や催事名も微妙に変化している。2006年まで販売を継続か。
駅弁業界では昔から2月と6月はダメと言われているそうな。いずれも旅行客の少ない閑散期であることと、6月は高温多湿の季節柄、食品事故防止に最も気を遣うためと思われる。そんな危険な時期に、空調がなく蒸し暑い品川駅コンコースで駅弁即売が実施されていたのは、実はなかなかすごいことかもしれない。
2003(平成15)年10月22日に発売。細長い競馬場型の容器に掛紙をセロテープで留めてさらに黄色のゴムひもでしばる。中身は確かに北海の海の幸が満載、国産減農薬米の御飯の上にはズワイガニのほぐし身がたっぷり、ウニとイクラが少量載り、鮭塩焼にエイヒレ唐揚にタラバフライや帆立、イカと鮭の粕漬けや団子などが取り囲む。総料理長の朱印入りお品書きも付属。メイン格のズワイガニはほのかな香りが本場並み、しかし価格は東京だからか、かなり高め。
2003(平成15)年6月から7月まで実施されたJR東日本の観光プロモーション「東北味メッセ2003」に合わせて、2003年6月12日から8月20日まで都内各地の駅弁売店で販売された記念駅弁。自ら「駅弁」と名乗る駅弁の名前は珍しい。
大きめの正方形の容器に、東北四大祭のイラストを描いた掛紙をかけてゴムでしばる。中身は宮城牛、山形の玉こんにゃく、青森のにんにくチップに陸奥帆立浜焼、秋田のハタハタ、デザートに仙台のずんだ餅など、いずれも東北六県をイメージできるもの。コンセプトは面白いが食材の品質がいまいちと、少量多品種が過ぎて高価格と風味散漫を招いている気はするが、テーマに忠実な記念駅弁のお手本。
2003(平成15)年6月29日に購入した、東京駅弁の掛紙。上記の駅弁「駅弁東北味メッセ」と同じもの。バーコードの番号が異なるので、販売側で何らかの変更をかけたものと思われるが、その内容は分からない。