東京と日本の中央駅。東海道・山陽・東北・上越・山形・秋田・北陸の各新幹線、東海道・中央・総武・東北の各線、山手線や京浜東北線などの電車が、一日あたり3000本以上行き交い、100万人以上の利用者で終日賑わう。駅弁はJRの子会社が調製するもので100種類以上とも、エキナカの商品を含めて400種類以上とも、デパ地下の弁当を含めて1000種類以上ともいわれる、世界一の駅弁販売駅。1914(大正3)年12月20日開業、東京都千代田区丸の内1丁目。
2022(令和4)年9月21日に東京、品川、新宿、上野、大宮、高崎駅などで発売。同年10月からのJR東日本の駅弁キャンペーン「駅弁味の陣2022」にエントリー。下記のとおり、過去にもこの調製元の前身から、同じようなアナゴの東京駅弁は出ていた。今回は細長いプラ容器に茶飯を詰め、刻み野菜の醤油漬と玉子そぼろと刻み海苔を散らし、アナゴ煮で覆い、赤かぶ漬を添えるもの。以前からとても柔らかいアナゴ丼であったが、今回は飯に載せたトッピングで、より柔らかい風味と食感を備えた、優しい味。1,500円もの価格は優しくないけれど、東京の駅弁ならではの設定か。
※2021年3月補訂:終売を追記2009(平成21)年の夏には販売されていた、東京駅のうなぎ弁当。双日プラネットの加熱機能付き容器「ナルホット」を使用、中身は白御飯とウナギ蒲焼と奈良漬のみのシンプルさ。この容器を使う駅弁の宿命として分量は少ないうえ、お値段はみてのとおりであるが、ウナギの分量は確保され、風味もいい感じ。一年中買えるウナギ駅弁は、今は珍しくなった。
このような見栄えの容器を使う駅弁は、北海道や本州の各地にある。通常は発熱体を収める底面側の容器に、断熱を目的に厚めの発泡材を使う。この駅弁では目新しく、薄めのボール紙とプラ製トレーの組合せに合理化されていた。パッケージの底面側に「こちらは底面です」と記す方法も初めて見た。2019年までの販売か。
※2021年3月補訂:終売を追記2009(平成21)年8月22日に購入した、東京駅弁のスリーブ。中身は上記の現行のものと、まったく同じ。パッケージの記載内容もほぼ変わらないが、当時はまだこの値段で買えた。容器も他の駅の長方形の加熱機能付き容器と同じだった。
2018(平成30)年に2回あった土用の丑の日の2回目に、東京駅の駅弁売店「駅弁屋 祭」で実施された「土用丑の日 うなぎ駅弁大会」で買えた弁当。下記の2011年当時の「うな重」と同じもので、調製元は日本レストランエンタプライズ(NRE)改め「日本ばし大増」、ブランドは「御ぞんじ亭」のまま。プラ容器は二重底になり、「静岡県産うなぎ使用」で、中身は白飯+ウナギ蒲焼+山椒+たれのシンプルな鰻重で、漬物はたくあんで、分量は変わらず、味は普通にうまく安心できた。ウナギの暴騰で価格は倍額以上になっている。
2011(平成23)年11月3日から6日まで東京駅の駅弁売店「駅弁屋旨囲門」と「5号売店」で開催された「東北応援ご当地うまいもん駅弁大会」で販売された「出来立てあたたか駅弁対決」4種のうちひとつ。長方形でプラ製のスーパー並み惣菜容器に、白御飯を詰めてウナギの蒲焼きを載せて大根漬と小ナス漬を添えるもの。購入時は普通に冷めており、静岡県産ウナギ使用ということで少量高価だが、味は中身と同じくシンプルだった。
掛紙記載「御ぞんじ亭」は、NRE大増がエキナカではない場所に出しているウナギ専門店の名称で、池袋と光が丘と所沢の西武系商業施設内にある模様。たしかに小ナス漬はNRE駅弁の味だし、食品表示ラベルには「(株)日本レストランエンタプライズ」と書いてあった。なぜNREの駅弁大会でNREのブランドを隠したのかは不明。
2017(平成29)年9月11日に発売。細長い容器に茶飯を敷き、炙り煮穴子「一本炙りあなご」を横たえ、飾り人参で彩り、隙間をあさりとごぼうの深川煮、海苔、味付刻みわさびで埋め、べったら漬と小茄子与一漬を添える。その姿は下記の駅弁「一本煮あなご弁当」と、ほぼ同じ。引き続きやわらかいアナゴが印象的で、東京駅で有名な駅弁「深川めし」とだいたい同じ。2019年までの販売か。
※2020年4月補訂:終売を追記2015(平成27)年の夏までに発売か。細長い容器に茶飯を詰め、煮アナゴを1本横たえて、油揚げの刻みとアサリとゴボウの生姜煮で残りを覆い、小ナス漬とべったら漬を添える。そんな中身と味は、東京駅で有名な駅弁「深川めし」と、だいたい同じ。容器の端から端までを占めた、やわらかいアナゴが印象的。実演販売で買ったので、調製元の所在地が駅弁売店になっている。2017(平成29)年9月に「一本炙りあなご弁当」へリニューアル。
※2018年8月補訂:終売を追記2015(平成27)年夏の土用の丑の日に向けて、7月から8月までの販売か。小田原駅弁の東華軒の名が掛紙に見えるが、東京駅の駅弁売店「駅弁屋 祭」での実演販売でのみの販売のようで、その調製元はNREである。中身はタレ酢飯にウナギ蒲焼を貼り付けたバッテラが5個と、小田原駅弁「小鯵押寿司」に入るシソ巻きがひとつ。これを笹の葉に並べ、細長い惣菜容器に詰める。今時のウナギ駅弁としては、価格が抑えられた。可食部は極小で、味でも量でもウナギが弱いのは、ウナギの暴騰のせいなので我慢我慢。この時のみの販売だった模様。
2011(平成23)年から、7月から8月まで販売されている駅弁か。NREの東京エリアでの主力駅弁のひとつである「五目わっぱめし」と同じ容器を使用、中身は白御飯の上を錦糸卵で覆い、同じような姿をしたウナギ蒲焼と煮アナゴを少々貼り、ニシン昆布巻やレンコンの和え物などを添える。ウナギとアナゴが柔らかく薄く上品なので物足りなさも感じるが、食堂の鰻重が四千円を超えるようなこの夏のウナギの高騰を考えると、NREの普段着や得意分野を生かして頑張ったものだと感じた。この駅弁は2012年の販売を最後に出ていない模様。
※2015年4月補訂:終売を追記おそらく下記の駅弁「あなご弁当」を置き換える形で、2009(平成21)年3月に発売。赤いトレーを接着した黒い長方形の容器に透明なふたをして、割りばしを置いて商品名とアナゴの絵や「料理人三つのこだわり」を書いたボール紙の枠にはめる。中身は白御飯の上に駅弁の名前どおりの炙り煮穴子が敷かれ、写真ではタレに見えるイカそぼろのあんかけをかけてニンジンとシシトウを置き、ひじきと奈良漬を添えるもの。
御飯やアナゴそのものは、あなご弁当時代と味は変わらないと思うし、アナゴの分量はむしろ減っているのではないかとも思うが、いかそぼろあんが風味で良いアクセントを出し、付合せも本体に合い、見栄えは格段に向上し、実にうまそうなものになった。値段は上がったが、駅弁はかくあるべき。2012年頃までの販売か。
※2018年8月補訂:終売を追記東京駅のうなぎ駅弁は過去にも存在していたが、これは2008(平成20)年5月9日に発売。発泡材枠でサイズをふかした印象の長方形の容器に透明なふたをして、商品名を書いたボール紙の枠にはめる。中身はタレ御飯にウナギ蒲焼きのカットを10個詰め、奈良漬とナス漬物と、タレと山椒を添えるもの。
今年のウナギは例年の資源枯渇と稚魚高騰に加えて国産信仰の高まりを受け、ますます調達や価格付けが困難であったのだろう。ゴム草履とは言わないが柔らかさが弾力感で出るウナギ蒲焼きは、カットによる増量感にも限度があるし、かつての1300円のウナギ駅弁をイメージするとがっかりする。一方で漬物はうまかった。2015年時点で、加熱機能付きでないNREのうなぎ弁当は見かけなくなっている。
※2015年4月補訂:終売を追記2007(平成19)年8月の東京駅寿司駅弁全面リニューアルで発売。ボール紙製の黒く細長い容器に掛紙を巻く。笹の葉を敷いてビニールに包まれた中身は、駅弁の名前どおりの煮穴子棒寿司。以前の「穴子棒ずし」と比べて、煮穴子二段重ねの内容やふっくらした風味をそのままに、200円値下げして包装を簡素にしたのに、見栄えが駅弁の名前どおり贅沢になったと思う。2010年頃までの販売か。
※2018年8月補訂:終売を追記見慣れないパッケージなので購入したが、中身も分量も風味も、価格や駅弁の名前と同様に、下記の駅弁「あなご弁当」とまったく同じ。穴子蒲焼の分量が減ったように見えるのは、ロットの問題か、原価高への対応か。以前と同様、見栄えも食感も風味もなんとなく物足りない品物。2009年に上記の駅弁「炙り煮穴子重」へリニューアル。
東京の名物駅弁のひとつとも紹介される商品。商品名と渡し船や屋形船を描いた専用のボール紙箱に白いプラ製トレーを入れて、その中に穴子重、小ナス漬、昆布豆を詰める。メインの穴子蒲焼はやや固めで美味でもなく不味くもなく、没個性的に高品質な機能的食事。むしろ付合せの小ナス漬にファンが付いている。たしか以前は駅弁の名前に「江戸前」の接頭辞が付いていたと思う。
NREの駅弁売店で広く併売されていた惣菜。透明なプラ製の惣菜容器に穴子太巻を1本詰めて、小さな掛紙を巻いて大きな食品表示ラベルを貼る。味はけっこう良いし、穴子は東京名物と見ることもできるし、一応掛紙も巻かれているので、駅弁と紹介されるケースもたまにある。
2004(平成16)年6月1日の発売だが、同じ名前で同種の駅弁は過去に出ていたと思う。ボール紙のふた一体型長方形の容器に「うなぎ」の字を大きく描くのに食品表示ラベルで覆い隠してしまった。中身は白いトレーに白御飯の塊を置き鰻蒲焼を載せ漬け物とタレを添えるだけ。
高知県産と記してあった鰻は、すりつぶして固めたような度を超す柔らかさで、添付のタレをかけてもかけなくても風味や食感がまるでなく、大昔の新幹線の鰻弁当とは別の意味でハズレを引いた感じ、とても不思議な味だった。おそらく全部が全部そうではないと思う。
細長い紙箱の中に、笹を敷きラップに包まれすだれに巻かれる穴子棒寿司が一本入る、駅弁の名前どおりの内容。同社「深川めし」などとは段違いの柔らかく香る高品質の穴子が惜しげなく載せられるものの、開封時に必ずタレで手が汚れる車内消費が困難な駅弁らしくない包装と、姫路駅弁と比較して500円の割高感はある。当日消費のお土産品と見なすべきか。2007(平成19)年に上記の駅弁「贅沢煮穴子棒寿司」へリニューアル。