旅の友「駅弁」。実際に食べた９，０００個以上の駅弁を中心に、日本全国と世界の駅弁を紹介します。
東京駅から北陸新幹線で約３時間。小松市は石川県の南部で日本海に面する、人口約１０万人の工業都市。同じ名前を持つ世界的な建設機械メーカーの企業城下町であり、駅前では巨大な建機が展示される。小松駅に駅弁屋はいないが、駅の売店で近隣の駅弁が売られたり、地元の弁当が入荷することがある。１８９７（明治３０）年９月２０日開業、石川県小松市土居原町。
小松駅に北陸新幹線の駅ができた２０２４（令和６）年３月１６日に発売。店舗に「駅弁」の幟を掲げ、「釜揚げしらす重」「鮭ハラスといくらの親子重」「隈取り寿司」「小松しし肉弁当」の３社４種類の弁当を販売台に並べた。従前にキヨスク改めハートイン改めセブンイレブンで取り扱われた他駅の駅弁や地元の弁当はなくなった。商品名はレシートでは「しらす弁当」とある。
さかなへんに氷で「しらす」と読ませる漢字に波浪をデザインした青いスリーブを使用。長方形のプラ容器に石川県産の精白米を詰め、たっぷりのシラスで覆い、わさび菜とガリ、小松菜と水晶玉子なる鶏卵の黄身を味付けしたものを据え、ごま豆腐とクルミを添える。付合せの個性が良い箸休めになる、しらすたっぷりのお弁当。調製元はこの弁当の販売店「ＫＡＢＵＬＥＴ」も営む、石川県白山市の社会福祉法人。
小松駅に北陸新幹線の駅ができた２０２４（令和６）年３月１６日に発売。店舗に「駅弁」の幟を掲げ、「釜揚げしらす重」「鮭ハラスといくらの親子重」「隈取り寿司」「小松しし肉弁当」の３社４種類の弁当を販売台に並べた。従前にキヨスク改めハートイン改めセブンイレブンで取り扱われた他駅の駅弁や地元の弁当はなくなった。商品名はレシートでは「鮭ハラス弁当」とある。
鮭の漢字に波浪をデザインした橙色のスリーブを使用。長方形のプラ容器に石川県産の白米を鮭の身と出汁で炊いた御飯を詰め、サーモンハラス２本を並べ、すき間をイクラで埋めて、ごま豆腐とクルミを添える。脂の多いサーモンでおかずたっぷりのお弁当。調製元はこの弁当の販売店「ＫＡＢＵＬＥＴ」も営む、石川県白山市の社会福祉法人。
小松駅に北陸新幹線の駅ができた２０２４（令和６）年３月１６日に発売。店舗に「駅弁」の幟を掲げ、「釜揚げしらす重」「鮭ハラスといくらの親子重」「隈取り寿司」「小松しし肉弁当」の３社４種類の弁当を販売台に並べた。従前にキヨスク改めハートイン改めセブンイレブンで取り扱われた他駅の駅弁や地元の弁当はなくなった。
「隈取り寿司」の名前は、小松が歌舞伎のまちであることにちなみ、容器のふたに貼られたシールにその絵柄と色彩が反映される。浅く平たい容器に酢飯を詰め、大葉と錦糸卵で覆い、アジの酢締めを並べ、ベビーホタテフライとウナギ蒲焼きの串、玉子焼、きゅうりと鶏ささみの和え物などを添える。このアジの新鮮さは、例えば修善寺駅弁「武士のあじ寿司」に匹敵すると感じた。２０２４年時点での中身は、アジの巻き寿司と鶏きゅうりの細巻きであったらしい。調製元は小松市街で柿の葉寿司などを製造する弁当店。
２０２４（令和６）年の１月の京王百貨店の駅弁大会で実演販売。３月１６日の北陸新幹線の金沢駅から敦賀駅までの開業に合わせ、小松駅と金沢駅で発売。新幹線小松駅の開業に向けて、調製元と小松市の共同開発により、市内の獣肉処理加工施設で生産されるイノシシ肉を使う駅弁ができた。昭和時代に知られた篠山口駅弁「猪のぼたんめし」以来、十数年ぶりのイノシシ駅弁。
小松市が歌舞伎のまちであることにちなみ、スリーブには定式幕の色彩を使い、歌舞伎「勧進帳」の弁慶を描いたそうな。長方形のプラ容器に、小松産の大麦入り御飯を詰め、イノシシ肉のスライスとそぼろで覆い、青菜とにんじんのおひたしとゆで卵を添える。風味で獣肉を感じさせない、ざらついたお肉のお弁当。北陸新幹線が金沢駅から敦賀駅まで延伸開業した２０２４年３月１６日からは小松駅でも売られるようになり、高架下の商店「ＫＡＢＵＬＥＴ」（カブーレ）で買える。
イノシシは２１世紀に西日本一帯から本州全域にまで生息域を広げ、農業や人の生活や交通に危害を及ぼす迷惑者。江戸時代から山鯨（やまくじら）や牡丹（ぼたん）の隠語で親しまれた食肉なのに、牛豚鶏の畜産が普及すると、兵庫県丹波篠山など一部の地域を除き消費が廃れてしまった。石川県の小松市・加賀市・能美市・川北町でも、里山でのイノシシ被害が生じていたため、この３市１町で構成する特別地方公共団体の一部事務組合である南加賀広域圏事務組合が、農林水産省のジビエ倍増モデル整備事業による農水省鳥獣被害防止総合対策交付金を受け、平成３０年度に南加賀獣肉処理加工施設「ジビエアトリエ加賀の國」を小松市内に設置した。年間１，０００頭のイノシシを捕獲し処理することを目標に、ジビエの新たな地域資源としての活用を模索する。
※２０２５年１２月補訂：駅での発売を追記
小松の駅と空港で売られた土産品。酢飯にサバとサケとエビとタイを合わせた、棒状というよりはむしろ筒状の棒寿司を、ラップで巻き、竹皮で包み、透明な袋に入れ、ボール紙の箱に収め、掛紙を巻く。中身は掛紙の写真のとおり、具の境界によらずカットされる。具も酢飯も輝き、身は薄いのに味と香りが適度に乗り、掛紙の厚さも含めて、とてもしっかりした製品だと感じた。調製元は小松市街で戦前昭和に創業した寿司屋。２０２４年時点でこれが小松駅の売店で売られると紹介する観光案内があるが現地で未確認。
※２０２５年１２月補訂：現況を追記
金沢の市中の土産物系お弁当か。紙箱の中に和紙風ビニール袋で密封したトレーが入り、そこに北陸系の詰まった酢飯が正方形で具が小さい笹包みの押寿司が６個入る。冷蔵して食べることを勧めるしおり付き。どこかの駅弁で、これとほとんど同じデザインのパッケージを見たような気がする。