旅の友「駅弁」。実際に食べた９，０００個以上の駅弁を中心に、日本全国と世界の駅弁を紹介します。
東京駅から新幹線で３時間強。姫路市は兵庫県の南西部で瀬戸内海に面する、人口約５３万人の城下町。製鉄や液晶などの臨海工業で栄え、国宝で世界遺産の姫路城が観光客を集める。駅弁は明治時代からの駅弁屋「まねき食品」が、アナゴや姫路城などの駅弁を販売。１８８８（明治２１）年１２月２３日開業、兵庫県姫路市駅前町御殿前。
２０２４（令和６）年１月の京王百貨店の駅弁大会で実演販売。同催事で６種類を販売した「贅沢盛り新作駅弁」のひとつとして、「瀬戸内産牡蠣まつり重」で通常７粒のカキを１６粒に増量したとする。正方形のプラ容器に牡蠣だし飯を詰め、たくさんの牡蠣の蒸し焼きで覆い、わかめ煮、きんぴらごぼう、甘酢大根を添える。下記のとおり駅弁催事でいくつも出てきたカキ飯の姫路駅弁に、また新たな名前を加えた。玉子焼を省略し牡蠣に徹し、値段は史上最高額に。中身と味は良いと思うけれど、現地の姫路にカキ駅弁の存在感はない。
秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、２０２２（令和４）年秋の新商品。駅弁の名前を大きく書いたスリーブには「Ｏｙｓｔｅｒ．Ｌａｂ（オイスターラボ）監修」の表記があり、これも駅弁の名前に含まれる。オイスターラボとは、つまりこの駅弁屋のことで、２０２１年１２月にグラタンとピザとパスタと弁当で売り出した通信販売の冷凍食品に対して付けたシリーズ名。
長方形の容器の２区画に、オイスターソースの牡蠣だし飯を詰め、一方を牡蠣の味噌焼きと玉子焼で、他方を牡蠣の蒸し焼き、わかめ煮、甘酢大根で覆う。臭みと受け取られるかどうかギリギリの濃い味付けで、常温でいただける牡蠣丼に思えた。
秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、２０１９（令和元）年秋の新商品か。姫路駅でなく駅弁催事や遠隔地で輸送販売される商品と思われる。四角い加熱機能付き容器に、牡蠣だし飯を詰め、刻み焼き海苔と錦糸卵で覆い、牡蠣の蒸し焼きを並べ、わかめ煮、椎茸煮、人参煮、あさり佃煮、ふき煮で彩る。加熱により、見た目よりもカキの味と香りを楽しめるとは思う。価格は２０１９年の発売時で１，２８０円、２０２３年の購入時で１，３８０円。
２０２２（令和４）年１月の京王百貨店の駅弁大会で実演販売。同年の鶴屋百貨店の駅弁大会でも販売。茶飯をカキ煮で覆い、玉子焼と椎茸と大根漬を添える。東京の催事場でカキの分量と値段を惜しまず、商品名のとおりたくさんのカキを食べられる華美な弁当に仕立てた。この弁当は駅では買えないだろうが、同じ味を持つ駅弁は存在すると思う。
２０２１（令和３）年１２月１３日に調製元の冷凍食品通信販売セット「オイスターラボ」の一員として発売。きっとコロナ禍対策の一環だろう。６個で７，５００円、またはグラタン、パスタ、ピザ２枚と弁当の５点セット６，６７０円の商品だが、京王百貨店の駅弁大会では弁当のみ１個単位で通信販売してくれた。
牡蠣だし飯に牡蠣蒸し焼きを８個並べ、わかめ煮、しいたけ煮、きんぴらごぼう、紅生姜も並べた透明なトレーを、薄いボール紙箱に収め、掛紙を巻いて、そのまんま冷凍されたもの。本来は電子レンジで加熱するものだが、中身がすでにいったん加熱されていることを確認し、自然解凍のうえ常温で食べてみたら、これは駅弁の味を持つカキ飯。上記の駅弁「せとうちかきめし」と同じようにいただけた。豪華な夜食や非常食として使えるかもしれない。
２０１７（平成２９）年秋の新作か。翌２０１８（平成３０）年１月の京王百貨店の駅弁大会での輸送販売以外で売られた形跡が薄い。カキのエキスで炊いた御飯を、カキの蒸し焼きで覆い、小松菜などの和え物と大根桜漬を添える。スマートでクリーミーなカキの味をたっぷり楽しめた。２０１９年１月の京王百貨店の駅弁大会や阪神百貨店の駅弁大会にもやってきた。京王百貨店駅弁大会に来る姫路駅のカキ駅弁は好みの味。
秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、２０２０（令和２）年秋の新商品か。カキの出汁で炊いたアサリの混ぜ御飯に、カキの蒸し焼きを７個転がし、ささがきごぼうと奈良漬を添える。新作でもそんな内容は、山陽本線の各駅の輸送駅弁ではよくあるタイプ。今シーズンのカキ駅弁は、香りや柔らかい食感で、どれもおいしいと思う。２シーズン売って、２０２２年春に終売か。
※２０２３年８月補訂：終売を追記
２０１８（平成３０）年１１月の発売か。カキのエキスで炊いた御飯を、カキの蒸し焼きで覆い、シイタケとワカメと玉子焼と大根桜漬を添える。前年の「牡蠣まつり丼」や「陣太鼓牡蠣御飯弁当」と、外観は異なるが中身はそっくりで味も同じ。新作としてバイヤーに毎年売り込んでいるのだろうか。主にスーパーやデパートの駅弁大会で売られたようで、姫路駅で売られたかどうかは分からない。２シーズン売って、２０２０年春に終売か。
※２０２３年８月補訂：終売を追記
２０１７（平成２９）年１２月に東京駅の駅弁売店「駅弁屋 祭」で、２０１８（平成３０）年１月に京王百貨店の駅弁大会で販売。これ以外の販売実績はない模様。下記の３年前の駅弁「忠臣蔵陣太鼓牡蠣御飯弁当」とほぼ同じで、名前が違う。茶飯の上に煮カキを８個も置き、ワカメやくぎ煮やゴボウなども添える。味だけを見れば、冷たい状態で質も量も意外にいけるカキ弁当。
２０１４（平成２６）年１１月１３日に、冬季限定の駅弁として発売。厚紙を重ねた円形の容器に、カキのだしで炊いた御飯を詰め、刻み海苔と錦糸卵を敷き、播磨灘産カキの蒸し焼き４個、きんぴらごぼう、小松菜漬、ワカメ、赤穂塩使用の大根漬け、播磨灘産のイカナゴくぎ煮を散らす。カキ飯とカキ焼でカキ駅弁を名乗るが、実はカキ以外の様々な具が良い味を出している丼もの。この時に話題では上であった、姫路城や竹田城の駅弁より、味は間違いなく上。この冬季のみの販売であった模様。
※２０１６年１０月補訂：終売を追記