大阪駅から特急列車「スーパーはくと」で約2時間半。鳥取市は鳥取県の東部で日本海に面する、人口約18万人の城下町。日本最大級の砂丘、梨やラッキョウや煙草などの農業、カニやイカなどの漁業、駅や名所に近い温泉などで知られる。駅弁は第二次大戦前から売られ、戦後にカニの駅弁が人気となり、今も様々な駅弁が駅で買える。1907(明治40)年4月28日開業、鳥取県鳥取市東品治町。
「かに幕の内」という駅弁は、1990年代の発売だろうか。青地にカニという掛紙の絵柄は、鳥取駅を代表する駅弁「元祖かに寿し」に似る。この掛紙に包まれた正方形の容器の、中央にその元祖かに寿しを、酢飯をカニと錦糸卵で覆うものを据え、その周囲に信田巻などの煮物、赤魚の竜田揚げと牛肉の時雨煮、奈良漬と塩ふき昆布とオレンジ、かまぼこと玉子焼と紅白なますと甘酢生姜を置く。
これはカニが入る幕の内弁当でなく、元祖かに寿しにおかずを詰め込んだものであり、調製元の公式サイトを見るとそう書いてある。価格は2010年時点で1,400円、2014年4月の消費税率改定で1,440円、2019年時点で1,550円、2020年時点で1,600円、2023年時点で1,750円、2024年時点で1,800円と、元祖かに寿しより高いものの価格差は縮まりつつある。
2016(平成28)年の2月までに発売。11月から3月までの冬季限定駅弁。長方形で駅弁向けでは大きめな加熱機能付き容器を使用、茶飯をカニほぐし身で覆い、ベニズワイガニのカニ爪焼きを2個とズワイガニのカニ脚焼きを3本載せ、カニ味噌と漬物を添える。温かいカニ飯のおいしさはこういうものだと感じられる、カニ寿司でなくカニ飯の、鳥取駅弁として、あるいは駅弁として最高峰。2016年の発売時には1,600円だった価格が、2019年には1,800円に、2020年には2,480円に、2022年には2,780円、2023年には3,000円にと上がり、いよいよすごいことになってきた。
※2023年6月補訂:値上げを追記2009(平成21)年の「ゲゲゲの鬼太郎風呂茶漬け」、2010(平成22)年の「ゲゲゲの鬼太郎元祖かに寿し」に次ぐ、鳥取駅の鬼太郎駅弁の第3弾として、2014(平成26)年の7月までに登場した鳥取駅弁「ゲゲゲの鬼太郎丼」について、2019(平成31)年1月の京王百貨店の駅弁大会では中身の牛丼をカニ爪入りカニ丼にして、価格を330円アップの1,680円としていたもの。炊込飯を玉子焼と焼海苔で覆い、カニ身とカニ爪、きゅうり漬、ちくわに梅肉を詰めた目玉を載せていた。
今回の器は、鬼太郎が茶碗の風呂に目玉おやじを入れる第8弾。第1弾は2010年の「ゲゲゲの鬼太郎風呂茶漬け」や「ゲゲゲの鬼太郎元祖かに寿し」の目玉おやじ、第2弾は一反木綿、第3弾はぬりかべ、第4弾はねずみ男、第5弾は2015年のねこ娘、第6弾は2017年の鬼太郎と子泣き爺、第7弾は2018年の鬼太郎と砂かけ婆。
1999(平成11)年10月に鳥取駅で発売。赤い部分分解性樹脂でカニ型に整形した容器を、ボール紙製の立体パッケージに詰める。中身はおそらくカニ味噌で炊いた御飯の上にカニほぐし身を載せる、駅弁の名前どおりの「かに」「めし」。
容器のカニのハサミの位置にちゃんとカニのハサミが据えられ、これが飾りではなく切れ目が入り身を食べられるほか、カニの容器は焼却時に紙と同じ特性を持ち、土中に埋めると自然に分解される素材が使われるなど、工夫された駅弁。味は淡泊で、ほのかな香りを感じながらいただく品。価格は2002年時点で1,000円、2010年時点で1,100円、2014年時点で1,140円、2018年の購入時で1,280円、2019年時点で1,350円、2023年時点で1,500円。
※2023年10月補訂:写真を更新2018(平成30)年10月21日に購入した、鳥取駅弁のパッケージ。上記の2023年のものや、下記の2002年のものと変わらない。電子レンジでの加熱時間が、この時は600Wで90秒ほどとあり、2023年時点では500Wで1分程度と短くなっている。
2002(平成14)年1月11日に購入した、鳥取駅弁のパッケージ。横浜のデパートの駅弁大会で購入。上記の17年後と、値段くらいしか変わらない。
横長なボール紙の容器。ふたを開くと、鳥取駅弁名物かに寿しを収めた箱と、カニの握りと細巻きを入れた箱が入っている。裏ぶたにかに寿し駅弁の豆知識に近隣のイラストマップがあり、カニの身の色鮮やかな中身と同時に目で楽しめる駅弁。価格は2003年の購入時で1,250円、2014年4月の消費税率改定で1,290円、2019年時点で1,500円、2020年時点で1,600円、2023年時点で1,800円。
※2023年6月補訂:値上げを追記秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2015(平成27)年秋の新商品か。長方形の容器に茶飯を詰めて、カニのほぐし身とカニ爪で覆い、カニ脚の握り寿司、カニ味噌、甘酢生姜を添えるもの。鳥取駅の名物駅弁「元祖かに寿し」や「山陰鳥取かにめし」のようなシンプルさを持つカニ駅弁。酢飯でない鳥取駅のカニ駅弁は、輸送でもうまい。ただし、ネット上で駅弁大会専用商品という考察がある。価格は2016年の購入時で1,280円、2019年時点で1,400円、2022年時点で1,550円。
※2022年4月補訂:値上げを追記秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2018(平成30)年秋の新商品か。現地でなく、主にスーパーの駅弁催事で売られた商品。スリーブの写真のとおり、2区画の容器の左側にカニ丼を、右側にマツタケ丼を詰める。今回は写真からも中身にも、風味というものが不思議と感じられなかった。このシーズンの半年間で終売か。
※2023年6月補訂:終売を追記2020(令和2)年秋の新商品か。正六角形の容器に茶飯を詰め、カニほぐし身で覆い、「かに身のたたき」なるカニのペーストとキュウリの漬物を載せる。これはなんとも不思議な味。
今回は通信販売で購入。鳥取市のコロナ克服商店等V字回復セール支援事業により、2020年10月31日から12月24日まで、中川酒造の日本酒4種類とアベ鳥取堂の駅弁10種類が、20%オフかつ送料無料で通信販売された。1年間ほどの販売か。
※2022年4月補訂:終売を追記2015(平成27)年1月の京王百貨店の駅弁大会での実演販売でデビューか。円形の加熱機能付き容器にカニ風味御飯を詰め、カニ脚肉、カニほぐし身、卵とじ、醤油漬で覆う。ゼラチンで固めた汁が、加熱により溶けることで水気を出す模様。かにしゃぶというよりはカニ雑炊であり、カニの量も味もたっぷりで、卵とじが彩りと味気を出す良い仕事。鳥取駅の駅弁は前年のこの大会で、料理人の名前を前面に出した新作駅弁が閑古鳥であったが、今回のこれは買い物客が長い行列を作っていた。2017年に終売か。
※2019年8月補訂:終売を追記秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2012(平成24)年秋の新商品か。釜飯駅弁向けの黒いプラ容器に、鳥取産の御飯を詰め、日本海のカニの爪とほぐし身、有頭海老、三陸沖のイカ、ホタテ、クリなどを載せたもの。属地不明な外見と内容も、おいしく飽きない味。名前でも中身でもカニの駅弁でないかもしれないが、パッケージでカニを宣伝し、中身でもカニが鮮やかなので、ここに収蔵。価格は2013年の購入時で900円、2015年時点で980円。2016年に終売か。
※2019年8月補訂:終売を追記秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2004(平成16)年秋の新商品か。円形の加熱機能付き容器を、カニが釜風呂に入る赤く暖かい柄の紙箱に収める。中身はカニの煮汁で炊いた御飯の上に、細い細いカニ脚2本とカニ身をひとつなど。いずれも身が少ないうえにとても食べにくく、鳥取駅の他のカニ駅弁をさしおいてこれを選択する意義はない感じ。ただ、暖かい御飯はけっこういける。価格は2005年の購入時で1,100円、2013年時点で1,200円、2014年時点で1,240円。2014年までの販売か。2017年に羽田空港の空弁として、四角い容器で再デビューした模様。
※2019年8月補訂:終売と現況を追記2017(平成29)年1月の京王百貨店の駅弁大会で販売。鳥取駅の駅弁「山陰鳥取かにめし」について、この巨大な駅弁大会の第52回を記念して、その特製のどんぶりを使って販売した。中身は通常版と同じで、丼に醤油飯を盛り、カニほぐし身で覆い、カニ爪2個を並べる。容器を包む掛紙の絵柄はもちろん、この記念商品の専用品。今回買えたものはなぜか、みずみずしさも、通常版の柔らかい雰囲気もなく、何かとげとげしい印象だった。
入手状況等から1977年の調製と思われる、昔の鳥取駅弁の掛紙。中身は現在の同じ名前の駅弁と同等と思われ、掛紙の写真のように立派な松葉ガニが三杯も入ることはあり得ないが、その雰囲気は感じ取ることができる。
入手状況等から1977年の調製と思われる、昔の鳥取駅弁の掛紙。中身は掛紙に写真がある。当時は駅弁のカニ寿司にお土産用というものが存在したようだ。今ならクール宅急便でカニかカニ脚そのものを送るところだろう。
入手状況等から1977年の調製と思われる、昔の鳥取駅弁の掛紙。同時に入手した掛紙4枚の中で唯一、駅弁の価格が書かれていた。これは当時の鳥取駅カニ駅弁の商品群の中で、どの位置にいたのだろうか。