大阪駅から特急列車「スーパーはくと」で約2時間半。鳥取市は鳥取県の東部で日本海に面する、人口約18万人の城下町。日本最大級の砂丘、梨やラッキョウや煙草などの農業、カニやイカなどの漁業、駅や名所に近い温泉などで知られる。駅弁は第二次大戦前から売られ、戦後にカニの駅弁が人気となり、今も様々な駅弁が駅で買える。1907(明治40)年4月28日開業、鳥取県鳥取市東品治町。
2015(平成27)年より前に発売か。鳥取駅の駅弁「山陰鳥取かに寿し」の牛肉版のようなもので、酢飯を牛そぼろと牛肉煮で覆い、牛肉と玉子焼を酢飯と海苔で巻いた細巻きを8個詰める。高級でも安物でもない牛肉の味と香りで、酢の薄い酢飯をいただく食べ物。鳥取牛を使うようで、掛紙にそのキャラクター「とりモー」がいる。
2017(平成29)年春の新商品か。赤い紙箱に、大山豚のロースカツのソース漬けをパンに挟んだサンドイッチを3切れ詰める。肉は意外に柔らかくも、味はごく普通のソースカツサンド。鳥取駅の駅弁屋の商品は、東京駅と羽田空港でいつも見られるが、いったいどこで作っているのかと思う。
2016(平成28)年の2月までに発売か。四角い容器に白御飯を敷き詰め、駅弁の名前のとおり大山豚のステーキを貼り、キノコ、ニンジン、キャベツを添える。メインの豚肉は、ステーキというよりは平たく広い揚げ物で、まるで台湾の駅弁のような見栄え。味も良くも悪くも豚肉らしくなく、臭みもクセも固さも柔らかさもなく、可もなく不可もなし。
2014(平成26)年の7月までに発売か。2009(平成21)年の「ゲゲゲの鬼太郎風呂茶漬け」、2010(平成22)年の「ゲゲゲの鬼太郎元祖かに寿し」に次ぐ、鳥取駅の鬼太郎駅弁の第3弾か。パッケージの構造と有田焼の器は同じで、それらの絵柄が下記のとおりちょっと違う。
中身は白御飯を錦糸卵、牛肉煮、ショウガ、柴漬けで覆い、ニンジンと豆腐竹輪を添えたもの。豆腐竹輪の穴に錬梅を詰め、ゲゲゲの鬼太郎に出てくるキャラクター「目玉のおやじ」をイメージ。この牛丼は冷たいとあまりうまくなく、しかし器と話題で買う駅弁であればよくできている。価格は2014年の発売時で1,200円、2017年時点で1,350円、2023年時点で1,500円。
今回の器の絵柄は、丼の底に鬼太郎と目玉おやじ、子泣き爺、ねこ娘、砂かけ婆、ねずみ男で、これは「第11弾」だそうな。第1弾は2010年の「ゲゲゲの鬼太郎風呂茶漬け」や「ゲゲゲの鬼太郎元祖かに寿し」の目玉おやじ、第2弾は一反木綿、第3弾はぬりかべ、第4弾はねずみ男、第5弾は下記の2015年のねこ娘、第6弾は下記の2017年の鬼太郎と子泣き爺、第7弾は下記の2018年の砂かけ婆、第8弾は目玉おやじの碗に湯を注ぐ鬼太郎、第9弾はシャボン玉を吹く鬼太郎、第10弾は一反木綿に乗る鬼太郎とねこ娘。
2018(平成30)年1月13日に購入した、鳥取駅弁のパッケージ。上記の2023年のものと、名前も見た目も容器も中身も味も変わらない。この時の器は、鳥取駅弁のゲゲゲの鬼太郎シリーズの第7弾で、底に砂かけ婆が書かれていた。
2017(平成29)年1月21日に購入した、鳥取駅弁のパッケージ。上記の2018年のものと、名前も見た目も容器も中身も味も価格も変わらない。この時の器は、鳥取駅弁のゲゲゲの鬼太郎シリーズの第6弾で、底に鬼太郎と子泣き爺が書かれていた。
2015(平成27)年1月10日に購入した、鳥取駅弁のパッケージ。上記の2017年のものと、名前も見た目も容器も中身も味も変わらない。この時の器は、鳥取駅弁のゲゲゲの鬼太郎シリーズの第5弾で、ねこ娘が書かれていた。
2009(平成21)年8月に鳥取空港の空弁として発売か。2012年7月にリニューアルオープンした東京駅最大の駅弁売店で、早朝に見つけたカツサンド。サンドイッチ向けには見えない、丸く太った形状のメンチカツを、カレーソースまみれにして食パンに挟んだものを3切れ、まとめて透明なシートに包んで、おしぼりと辛味スパイスを添付して、専用の紙箱に収める。臭みがある牛豚鶏の合挽肉は、特別にジューシーやデリシャスというわけではなかったが、それも鳥取の特徴なのだろう。数百種の駅弁や弁当や惣菜が買える東京駅構内でも、これと被る商品はないくらいの個性がある。価格は2012年の購入時で550円、2015年時点で570円、2021年時点で600円、同年8月に「三元豚のカレーメンチカツサンド」に改称し、650円へ値上げ。
鳥取市は、日本全国の都道府県庁所在市と政令指定都市を対象とした2004(平成16)年度の総務省の家計調査で、1世帯あたりのカレールウの購入金額や消費量が全国一だったことから、鳥取県東部の青年たちによる市民団体「鳥取カレー倶楽部」がこれで街おこしを始めた。2008(平成20)年度からは佐賀市に次ぐ2位であるし、多いといっても全国平均の2割増し程度であるし、餃子の宇都宮市と違って知名度を得ているわけでもないと見えるが、こうやって東京でも売られる商品の側面に宣伝文が書かれたりするなど、細く長くその取り組みを続けている。
※2022年4月補訂:改称と値上げを追記2005(平成17)年の発売。2020年1月までのリニューアルで、牛と飯を詰めた円形の加熱機能付き容器のものから変わった。長方形の加熱機能付き容器を、駅弁の名前と牛を描き、とりモーと調製元のロゴマークを加えたスリーブに収める。この容器に山椒炊込みご飯を詰め、牛そぼろ、錦糸卵、牛肉うま煮をストライプ状に載せ、にんじんと枝豆で彩り、さつまいもと柴漬けを添える。お肉が控えめでも味のある牛丼。価格は2005年の発売時で1,100円、2008年6月から1,150円、2014年4月の消費税率改定で1,190円、2023年時点で1,300円、2024年時点で1,400円。
とりモーは、2007年10月に米子で開催された第9回全国和牛能力共進会のマスコットキャラクター。名前は全国6,700点の公募から選んだそうな。既存の鳥取県PRキャラクター「とりピー」と一緒に鳥取をPRするそうだが、県外での知名度は無に近そう。
※2024年9月補訂:写真を更新し値上げを追記2005(平成17)年11月6日に購入した、鳥取駅弁のスリーブ。この駅弁の加熱機能付き容器について、おそらく2019年まではこのように円形だった。中身は白御飯の上に鳥取牛すき焼き肉が敷き詰められ、タマネギや生姜などが添えられる、ほぼ牛と飯のシンプルなもの。
2016(平成28)年の秋に、京王百貨店の地下食料品売り場で登場し、翌年1月の京王百貨店の駅弁大会でも販売か。掛紙には駅弁の名前と、京都駅〜倉吉駅の特急列車「スーパーはくと」と、特急が停車しない智頭急行の駅「恋山形」の写真に、特急停車駅と智頭急行線の各駅名が、かわいらしく描かれる。中身は、茶飯を鶏肉、ハート型のニンジン2個、シイタケ、タケノコ、フキ、漬物で覆い、スルメの麹漬けと玉子焼を添えるもの。駅弁の名前から鶏飯を期待したら、茶飯に載る鶏肉はひとつまみくらいで、おかずに不自由する内容。鶏肉もコリコリで、味はかなり残念。駅売りの駅弁でなく、京王百貨店向け専用商品だった模様。
2006(平成18)年頃に「梨の甘みのカツサンド」の名前で発売した鳥取空港の空弁を、2013(平成25)年までに「梨とっとりカツサンド」へ改称のうえ、鳥取空港や羽田空港の空弁として再登場か。紙箱の中に、固め臭めの昔ながらの豚カツサンドを3切れ収める。商品名のとおり、確かにパンとカツの間にナシの薄片が挟まれていたが、風味や食感に影響はない、というか意識しないと気が付かない。2015年までの販売か。
秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2011(平成23)年秋の新商品か。長方形の加熱機能付き容器を、商品名や中身のアップ写真などを掲載したカレー色のボール紙の枠にはめる。中身はカレー御飯の上を牛そぼろと牛肉煮で覆い、錦糸卵、ニンジン、キャベツピクルス、福神漬、ラッキョウ揚げなどを添えるもの。
駅弁のカレー御飯は猪肉や鴨肉などの臭み消しで合わせる印象があり、単体で食べてうまい牛肉と合わせるのがもったいない。なお、この商品はどうも、鳥取駅での販売はなく、東京駅の駅弁売店「膳まい」と、首都圏でのごく限られた駅弁大会で売られた模様。価格は2012年の購入時で1,020円、2015年時点で1,050円。2015年までの販売か。
※2017年4月補訂:終売を追記秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2006(平成18)年秋の新商品か。円形の加熱機能付き容器を使用、商品名と中身写真に加えて駅弁マークと駅弁催事業者のキャッチフレーズを印刷したボール紙の枠にはめる。中身は白御飯の上に鳥取牛をすき焼き風と焼肉風で載せるもの。そんな牛肉丼の風味は並。
それよりも、パッケージや商品名での宣伝臭が気になるし、鳥取駅に似たような加熱式牛肉弁当が2種も並立できるとは思えないし、こちらは要予約駅弁なのに調製元の公式サイトに掲載がなく駅弁催事業者が宣伝していたり(上の「鳥取牛弁当」は公式サイトに掲載)で、限りなく疑義駅弁に近い催事向け商品ではないかと思う。催事場での鳥取と駅弁の宣伝が悪い方向に向かなければよいが。現在は売られていない模様。
※2013年5月補訂:終売を追記2007(平成19)年の秋頃に発売か。正方形が横にふたつぶんの大きさを持つボール紙の箱には、中身の写真と駅弁の名前が描かれる。中身はフタが透明な四角く黒い容器2個に分かれ、一方が牛そぼろ丼、もう一方が鶏そぼろ丼。こういうコンセプトの駅弁では過去に何度も分量の物足りなさを感じ、しかしこれは肉の脂と柔らかさが強く、満腹感を出してくれる。現在は売られていない模様。
鳥取牛は全国に和牛産地の数だけあるブランド牛のひとつだが、「鳥取地どりピヨ」とは聞き慣れない。鳥取県中小家畜試験場が1991年に開発した食用鶏で、1999年頃から県内で流通するようになったJAS認定の地鶏。こんなペットのような名前で、ちゃんと商標登録を受けているが、例えば東京で居酒屋のアンテナショップを出すとして、うまい地鶏としての固定客を付けるには難しいネーミングだとも思う。だからかどうか、大山地鶏という名前で売る店もあるという。
※2013年5月補訂:終売を追記外観からは駅弁はもちろん弁当とも思えない、かわいらしいウサギの顔型容器を使う。中身は、ウサギの顔の部分には酢飯を詰めて牛・玉子・鮭のそぼろを三色に敷き、ウサギの耳の部分に細巻き寿司・肉団子・鶏唐揚を入れる、ボリュームのある駅弁。なんとなく新津駅「雪だるま弁当」を思い起こさせる。現在は売られていない模様。
因幡の白兎伝説を子供向けに書いたしおりが付属する。1994年12月の智頭急行線開通と同時に誕生した、京阪神と鳥取・倉吉を結ぶ特急列車「スーパーはくと」の列車名はこれにちなんだもの。当初は特急「はくと」とするるはずが、振り子機能で車体を傾斜してカーブを高速で走れる車両を導入したことからいつの間に「スーパー」が添架され、ただの「はくと」は旧型車両での臨時列車の列車名に廻された。
※2013年5月補訂:終売を追記