東京駅から新幹線で約3時間半。岡山市は岡山県の中央に位置する、人口約71万人の城下町で県庁所在地。市街に複数の百貨店を抱える商業、臨海部や内陸部に工業団地を抱える工業や、桃や米などが特産の農業が盛んであるほか、新幹線に8方向からの在来線が集まる鉄道の要衝でもある。駅弁は明治時代の鉄道開業当時からの駅弁屋の駅弁から、地元の弁当屋が駅構内の店舗に卸す弁当まで、様々なものを朝から晩まで選べる。1891(明治24)年3月18日開業、岡山県岡山市北区駅元町1丁目。
いつしか売られるようになった、2016年までには発売していた、春夏秋冬の季節商品。岡山駅の駅弁というよりはむしろ、岡山の弁当屋の仕出し弁当のように見える。ボール紙製容器は仕出し弁当向けの市販品で、駅弁マークがなく、商品の名前は食品表示ラベルにのみ記される。
中身は茶飯にタケノコ、山菜、錦糸卵、にんじんを添えて、えび天ぷら、れんこん磯辺天ぷら、玉子焼、野菜かき揚げ、鶏唐揚、焼サワラ、野菜と豚肉の生姜炒め、にんじんと油揚げのひじき煮、ごぼううま煮、抹茶わらび餅など。たしかにおかずがとても充実してにぎわいのある、幕の内弁当タイプ。
いつしか売られるようになった、2016年までには発売していた、春夏秋冬の季節商品。岡山駅の駅弁というよりはむしろ、岡山の弁当屋の仕出し弁当のように見える。ボール紙製容器は仕出し弁当向けの市販品で、駅弁マークがなく、商品の名前は食品表示ラベルにのみ記される。
中身は日の丸御飯に高菜を添えて、エビフライ、玉子焼、野菜かき揚げ、鶏唐揚、れんこん和え、がんもどき、こんにゃく、ひじき煮、焼サワラ、合鴨スモーク、牛肉うま煮、さつまいもなど。たしかにおかずがとても充実してにぎわいのある、幕の内弁当タイプ。
下記の駅弁「後楽園のお弁当」の、2022(令和4)年の春バージョン。見た目はいつからか大きく変わり、長方形になった容器のふたには、後楽園の春の風景と思われる絵柄がある。今回の内容は、祭ずしをひじき煮、れんこん煮、しいたけとにんじんの煮物、鶏肉の天ぷら、サワラの白醤油焼、牛肉うま煮、玉子焼と昆布巻、きな粉わらび餅で囲んだもの。このバージョンを最後に、後楽園のお弁当は販売休止になってしまった。
2006(平成18)年10月15日の発売。以後に何度かのリニューアルを挟む。日本三名園のひとつである岡山後楽園の姿に思いを馳せたという8区画の中身は、マツタケとシメジの味付飯、錦糸卵で覆う酢飯、筑前煮、サワラ白醤油焼と昆布巻、牛肉うま煮、鶏照焼、鶏つくねとエビ天、レンコンの辛子マヨネーズ和え。飯も肉も魚もなんでも入る、上質なお料理弁当という印象。
価格は2013年の購入時で1,100円、2014年4月の消費税率改定で1,130円、2020年時点で1,180円。2014年から2〜5月販売の「春」、6〜8月販売の「夏」、9〜1月販売の「秋冬」の年間ローテーションが始まった。2022年5月限りでこのシリーズは販売休止。
※2022年6月補訂:販売休止を追記2018(平成30)年に発売の、春夏秋冬の季節商品。岡山駅の駅弁というよりはむしろ、岡山の弁当屋の仕出し弁当のように見える。ボール紙製容器は仕出し弁当向けの市販品で、これに巻く紙帯もまた、調製元の汎用品に見える。駅弁マークがなく、商品の名前は食品表示ラベルにのみ記される。
12区画の中身は、赤飯、白飯、味飯、巻きずしで4種の御飯に、枝豆コーンかき揚げと肉団子、有頭海老と枝豆、焼きサバ、鶏南蛮、イカチリとネギ揚げ、玉子焼と小松菜おひたし、豚肉炒め、大根桜漬など。御飯と食事がしっかり摂れる、おつまみ弁当。このシリーズは2023年5月限りで終売とのこと。
※2023年6月補訂:終売を追記2017(平成29)年9月1日から翌年1月31日までの期間限定販売。以後は春、夏、秋冬で年に3回転の季節商品。同じ名前の駅弁は、下記のとおり6年前にも出ており、今回のものと似ている。岡山を代表する観光地「倉敷美観地区」をテーマにした駅弁だといい、二段重ねの容器の白と黒の色や、これをはめるボール紙の絵柄は、倉敷の蔵のように見える。
中身は下段にマツタケとシメジの御飯とタコ飯、上段の4区画にサワラ焼と薩摩揚、とり天とひじき、玉子焼と煮物、ハス和えと塩ようかん。雰囲気も前作に似て、上質な御料理。外観の朱色と白黒の違いで、華やかが落ち着きに変わったと思う。価格は2017年の購入時で1,200円、2021年の「夏」までに1,280円。2022年5月限りでこのシリーズは販売休止。9月に1,480円で復活の予定。
倉敷美観地区は、倉敷駅から南へ歩いて10分ほどの運河沿いに展開する町並み。昔の港町、江戸時代の船溜まりに白壁や黒瓦を持つ商家が建ち並び、大正時代には洋館が進出、その風景が埋め立てや開発を逃れて残された。1969(昭和44)年1月に倉敷市が美観地区に定め、1979(昭和54)年2月に「倉敷市倉敷川畔」として国が重要伝統的建造物群保存地区に指定。1970年代のアンノン族の小京都ブームで注目され、今は年に300万人以上の観光客が訪れる。
※2022年9月補訂:復活を追記上記の駅弁「倉敷小町」の2022年春バージョンで、2月から5月までの販売。結果的にこれが、この季節の駅弁の最終版となった。白と黒の容器を蔵のスリーブに収める姿は同じに見えて、桜花か何かで春を描いていた。中身は下段にタケノコ御飯とタコ飯、上段がおかずで、さわら白醤油焼とさつま揚とれんこん、鶏肉天ぷら、タケノコやニンジンなどの煮物、れんこん辛子マヨ和えと塩羊羹。タケノコの多用で春を表した感じだった。
2011(平成23)年4月28日の発売。「倉敷を気軽に楽しんで味わう」がコンセプトだそうで、箸袋は倉敷市児島が誇るジーンズの生地でできている。倉敷のなまこ壁をイメージしたという正方形で二段重ねの白い容器を、赤いボール紙のパッケージにはめる。
中身は下段がサワラほぐし飯と肉味噌載せ麦入り白飯、上段がも貝やシイタケなどの煮物、タコとナスの天ぷらにポテト素揚げ、鶏柚子味噌焼、玉子焼とかまぼこなど。上段下段ともども、千円でこんな雰囲気を作れてしまうのだなと感心した。価格は2011年の発売時や購入時で1,000円、2015年時点で1,080円。2016年に終売の模様。
絹が国を支えた明治大正時代に遡らなくても、国内の繊維業はユニクロなどのファストファッションに代表される安い海外製品の流入で、ミレニアム前後に壊滅してしまった。その中で学生服とジーンズが名産であった岡山県児島市では、高品質の高級品を生産することで踏ん張るうえ、これを地域おこしのネタとしてブランド化すべく情報を発信する。
※2016年7月補訂:終売を追記