新大阪駅から新幹線で約1時間半。広島市は広島県の西側で瀬戸内海に面する、人口約120万人の城下町で政令指定都市。中国地方の商工業の中枢であるほか、世界唯二の被爆都市としてもその名が知られる。駅弁は国鉄時代からの駅弁屋が多種の駅弁を販売するほか、駅ビルで山陽・九州新幹線沿線の駅弁も売られるようになった。1894(明治27)年6月10日開業、広島県広島市南区松原町2丁目。
2007(平成19)年12月に、「すきやき弁当」「カツレツ弁当」に次ぐ幻霜ポーク駅弁第3弾として、「幻霜ポークミルフィーユカツサンド」の名前で発売、2012(平成24)年7月25日に「六穀豚ミルフィーユカツサンド」と名前を変えて再発売。霜降り豚肉の薄切り重ねフライのソース漬けを、マスタード入りマヨネーズを塗った耳なし食パンで挟んだカツサンドを3切れ、袋詰めにして紙箱に収めて、さらにラップで密封する。
六穀豚は静岡県沼津市の食肉加工卸業者が売る国産豚肉で、6種の穀物をメインにしたオリジナル配合飼料を与えて育てたものだそうな。生産県別に冠名を付けるようで、広島県産なら瀬戸内六穀豚となる。価格は2012年時点で680円、2014年時点で700円、2023年時点で750円。
※2023年7月補訂:値上げを追記2008(平成20)年2月16日に購入した、広島駅弁の紙箱。上記の「瀬戸内六穀豚ミルフィーユカツサンド」は、2007年12月の発売時から2012年7月まで、この名前で売られた。中身や味は同じだと感じる。
広島駅の駅ビルで買えたサンドイッチ。「広島駅限定」を名乗るため、駅弁と同列で収蔵した。駅弁でもよく使われる竹皮柄の紙箱に、「広島駅のカツサンド」とも記した赤い掛紙を巻く。透明なトレーに収まる中身は、商品名のとおり、トンカツのソース漬けと千切りキャベツを胡麻パンで挟んだ、カツサンドが3切れ。パンの個性が風味を彩る。調製元は広島エリアで様々な飲食店を経営する企業。
山口県の山陽本線小郡駅改め新山口駅で、半世紀以上親しまれた駅弁「かしわめし」が、駅弁屋の撤退により広島駅の駅弁屋に移籍し、2017(平成29)年に新山口駅や広島駅で改めて発売されたもの。ふたの絵柄が新山口駅のものを引き継いでいるのは、そのためだろう。
中身は新山口駅弁の頃とはまるで異なり、鶏肉の五目飯を使うおむすび2個、白飯を鶏と卵のそぼろで覆うもの、玉子焼、煮物、鶏唐揚、焼売、鶏照焼、ミニゼリー。九州北部や山口県で駅弁や郷土料理になる「かしわめし」とは味も見た目も似付かない、鶏が豊かなお弁当。2021年までの販売か。調製元は2018年末に博多駅のかしわめしを引き継いだ。
※2023年4月補訂:終売などを追記2019(平成31・令和元)年の5月までに発売か。駅弁の名前などを描く、赤くシンプルな掛紙を巻かれた長方形の容器の中身はつまり牛丼で、白御飯をすき焼き肉とタマネギで覆い、広島菜漬といちごわらびもちを添えるもの。牛肉に広島県血統を引き継ぎ県内のみで育てた、牛枝肉取引規格の等級「B−3」以上のブランド牛「広島血統和牛元就」、つまり広島県産牛を使うようだ。1年間ほどの販売か。
※2021年3月補訂:終売を追記2019(平成31・令和元)年の5月までに発売か。駅弁の名前などを描く、黄色くシンプルな掛紙を巻かれた長方形の容器の中身はつまり豚丼で、白御飯をタレをたっぷりまとう3枚の豚肉で覆い、広島菜漬といちごわらびもちを添えるもの。豚肉に広島県の庄原地区の生産者4戸が2013年頃からつくる、飼料に牡蠣殻粉末を混ぜて育てた広島食肉市場肉豚出荷組合のブランド豚「瀬戸もみじ」を使うようだ。1年間ほどの販売か。
※2021年3月補訂:終売を追記秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2007(平成19)年秋の新商品で、下記の駅弁「幻霜ポークカツレツ弁当」とともに発売。長方形の容器に透明なふたをして、あおり文句いっぱいの窓開きボール紙枠にはめるという、催事場での見栄えを重視したと思われるパッケージ。
中身は白御飯の上に霜降り豚肉のすき焼きを詰め、温泉玉子をひとつ付け、豚型のタレと紫キャベツの酢の物を添える。豚肉なのにクールに溶ける脂身と柔らかい赤身が心地良い高級豚丼。しかし今のところは、広島と豚肉が結び付かないため、ここのカキ駅弁や他の牛肉駅弁と同じ値段である点に割高感もある。現在は売られていない模様。
幻霜ポークとは、広島県広島市安佐北区の養豚牧場が開発した、パンくずを飼料として飼育した霜降り豚肉で、中国地方のテレビ番組を手始めに2006年頃からメディアに乗って知名度を広めつつあった。しかし2012年までに経営難に陥り、2014年11月までに生産を停止、2015年2月に破産した。広島駅の駅弁が幻霜ポークから六穀豚に変わったのは、そんな事情によるのかもしれない。
※2020年12月補訂:豚の終売を追記秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2007(平成19)年秋の新商品で、上記の駅弁「幻霜ポークすきやき弁当」とともに発売。長方形の容器に透明なふたをして、あおり文句いっぱいの窓開きボール紙枠にはめるという、催事場での見栄えを重視したと思われるパッケージ。
中身は白御飯の上に霜降り豚肉の薄切り重ねフライ1個を5切れに切って敷き詰め、ポテトサラダを付け、豚型のタレと紫キャベツの酢の物を添える。豚肉の脂身と揚げ物の油がダブルで効いてくるが、その割には常温でも意外にさっぱりしていると思う。しかし今のところは、広島と豚肉が結び付かないため、ここのカキ駅弁や他の牛肉駅弁と同じ値段である点に割高感もある。
これは現地でも買える駅弁だと思うが、新作駅弁としての情報が出る前にさっそく全国各地のスーパーの駅弁大会を賑わせており、ネット上での収穫報告も催事場でのものばかり。催事場で現地の何十倍も売りさばかれているのではないだろうか。新幹線が頻発する政令指定都市のターミナル駅の駅弁屋でも、そんなことをするのかと思う。
なお、2012年半ば頃から名前が「六穀豚ミルフィーユカツレツ弁当」に変わった模様。2020年までの販売か。
※2021年3月補訂:終売を追記2000(平成12)年頃の発売。プラスティックの釜を使用し、中身はキジ御飯の上の中央にキジ肉煮を配置、周囲に薩摩芋・栗・黒豆・シメジ・うずら卵などを配置するもの。栗と薩摩芋がかなり甘い点(私は好きだが)を除き、飯も鳥もしゃきっとした味と食感が楽しめる。現在は売られていない模様。
※2013年5月補訂:終売を追記上記駅弁群の関連商品としてのレトルトカレーで、2008(平成20)年7月1日に発売。プロ野球「広島東洋カープ」のマスコットキャラクターと中身のイメージ写真などを印刷したパッケージに、無地銀色のレトルトパックを詰める。中身は豚肉とルーのみのポークカレー。通信販売対応商品。
内容量は200グラム。豚肉の分量が寂しいが、レトルトカレーで見本写真ほど肉が入っているはずはない。風味はなんとなく価格相応、カープファンならパッケージで買っておきたい応援商品。売れ行きが良かったのか、2009年のペナントレースと広島市民球場の移転新築に合わせて、新たなパッケージデザインで再登場している。「ご当地広島かき本格派辛口カレー」も存在。