新大阪駅から新幹線で約1時間半。広島市は広島県の西側で瀬戸内海に面する、人口約120万人の城下町で政令指定都市。中国地方の商工業の中枢であるほか、世界唯二の被爆都市としてもその名が知られる。駅弁は国鉄時代からの駅弁屋が多種の駅弁を販売するほか、駅ビルで山陽・九州新幹線沿線の駅弁も売られるようになった。1894(明治27)年6月10日開業、広島県広島市南区松原町2丁目。
2023(令和5)年10月1日に広島駅や東京駅などで発売か。同日からのJR東日本の駅弁キャンペーン「駅弁味の陣2023」にエントリー。一昔前の広島駅弁「広島かきづくし」との関連はないと思う。やや小柄な長方形のプラ容器を、殻付き牡蠣を描いて商品名と中身を記した、広島のプロ野球団を思わせる真っ赤な掛紙で包む。
牡蠣の煮汁で炊いた牡蠣飯に刻み海苔を振り、煮牡蠣2個と、藻塩で味付けした炙り牡蠣2個と、もみじ型にんじんと広島菜油炒めを載せ、牡蠣フライと牡蠣の柚子味噌和えを添える。商品名のとおり、下記の有名駅弁「しゃもじかきめし」よりも、過去の同じ名前の駅弁よりも、本当にカキづくし。カキが広島の名産であることを、東京からアピールする。
2024(令和6)年2月2日に購入した、広島駅弁の掛紙。2023(令和5)年12月1日に広島駅と東京駅で発売。日本鉄道構内営業中央会の「駅弁マーク」制定35周年を記念し、会員のうち29社が主に11月10日から期間限定で販売した31種類の記念駅弁のうち、広島駅の駅弁屋のもの。上記の駅弁「広島牡蠣づくし」の、掛紙の駅弁マークを倍くらいに拡大し、各社共通のしおりを添付した。容器と中身と価格は、通常版と同じ。
1968(昭和43)年に発売か。この駅弁のためだけに作られている、しゃもじ型の赤いプラスティック製容器を使用、これを中身の写真や商品名を大きく書いて、宮島の大鳥居のシルエットを描いたボール紙の箱に詰める。中身はカキ飯だし汁で炊いた御飯の上を錦糸卵、紅生姜、青のりで覆ったうえで煮カキを4個置き、カキフライ2個、カキの味噌和え、じゃこ煮、広島菜漬を添えるもの。10月頃から3月頃までの冬季限定発売。
見ても食べても書いてもカキづくしで、常温ないし時節柄冷たく冷えているのに、評判に違わないうまさ。広島では間違いなくナンバーワンの駅弁であり、現地では売り切れると「かきめしは売り切れ」旨の掲示が出るほどの人気駅弁で、駅弁大会でも客を集める。価格は2009年の購入時で1,050円、2013年時点で1,150円、2014年時点で1,200円、2021年時点で1,500円、2023年時点で1,600円。
※2023年7月補訂:値上げを追記上記の駅弁「しゃもじかきめし」について、2013年度の秋冬の駅弁大会シーズンから、「減塩」のシールを貼ったものが、スーパーやデパートの駅弁催事で出回った。価格も容器も中身も味も変わらないが、「塩分27%カット」だそうで、店のチラシでも減塩をアピールした。この半年間の販売か。
※2023年7月補訂:終売を追記2005(平成17)年10月22日に購入した、広島駅弁の外箱。上記の2009年や2013年のものと比べて、箱の構造と表に書いてあることは変わらないが、風景写真と観光案内の分量が多いから、今のものほど販売促進の宣伝にギラギラしていない感じ。
冬季限定の駅弁として、2014(平成26)年までに発売か。カキ飯にカキ煮4個を並べ、カキフライ、しいたけ、にんじん、柴漬けを添える。広島駅の名物駅弁「しゃもじかきめし」に比べて、容器も中身もシンプルなカキ駅弁。丸く大きくふっくらしたカキの味と香りが楽しめるのは、さすが「しゃもじかきめし」の調製元。こちらのほうが惣菜風に近代的な印象を受けた。2018(平成30)年までの販売か。
2015(平成27)年の8月までに、東京駅の駅弁売店「駅弁屋 祭」で発売か。駅売り弁当としては駅弁であり、広島駅で売られない点では疑義駅弁。パッケージのふたには、中身の一部の写真に、カキと牛と宮島の厳島神社の鳥居を描く。中身は茶飯を錦糸卵、カキ煮3個、牛すき焼き、牛そぼろで覆い、ニンジンと甘酢生姜を添えるもの。味は確かだが、こんなに高額なのに内容が薄く、同じ価格でこの年は9月20日の発売という「しゃもじかきめし」が恋しくなる。どうも現地で売られることなく、2か月ほどで売り止めた模様。
※2019年6月補訂:終売を追記2014(平成26)年夏の新商品か。広島名物「かきの土手鍋」をモチーフにして弁当にしたこと、駅弁の女王・小林しのぶさんが推薦したことが、スリーブに記される。中身は御飯を味噌仕立てえ煮込んだカキ、とうふ、しいたけ、糸こんにゃくなどで覆い、フキと柴漬けを添えたもの。まるでカキのすき焼き丼。販売年度は秋から冬まで売られ、以後は冬の広島駅や東京駅で時々売られる模様。2019年までの販売か。
かきの土手鍋とは、お好みの味噌をふちに塗った鍋で、カキと様々な具を、味噌を溶かしながら煮る、広島の家庭料理だそうな。地元のスーパーでは味噌をふちに塗る必要のない「かきの土手鍋の素」が売られるほか、東京の広島料理店でも食べられる模様。これもやはり、カキのすき焼き。
※2021年3月補訂:終売を追記秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2010(平成22)年秋の新商品か。価格や容器や内容からみて、下記の駅弁「広島かきめし」の後継作で、事実上の駅弁大会専用商品か。比較的小柄な長方形の容器に、宮島やカキの写真を印刷したボール紙で直接ふたをする。中身は御飯の上に煮カキ、田楽味噌の焼カキ、柚子味噌の焼カキを並べ、広島菜や玉子焼で残りを覆い、カキ天とカキフライ、ダイコンとニンジンの酢の物を添えるもの。カキ以外におかずがないため、御飯をもて余す感じ。味は良好も、「しゃもじかきめし」でなくこちらを選ぶ理由は見当たらない。2014年時点で現存しない模様。
※2015年2月補訂:終売を追記広島駅で名物のカキ駅弁の、おそらく最も廉価なパッケージ。小さく浅い長方形の容器に、宮島やカキいかだを描いたボール紙のふたをかけてラップで包む。中身は茶飯の上にカキや広島菜漬やワカメなどが載ったかきめし。まさに海のミルクという感じの煮カキ4個は美味いが、カキを感じるのはそこだけで、あとは飯も具も無味無臭。現地ではあと210円追加して1,050円のカキ駅弁を買うのが良いと思う。2014年時点で現存しない模様。
※2015年2月補訂:終売を追記1997(平成9)年のNHK大河ドラマ「毛利元就」の放送に合わせて発売か。竹籠の目を印刷したボール紙の容器に、毛利元就を描いたボール紙のふたをする。トレーに入った中身は、元就が好んだ山海の味わいを再現したそうで、塩飯玉子巻・じゃこ飯カキ添え・しそ飯笹巻の3種の俵型おむすびに、川魚甘露煮や山賊焼などを添えている。デザートは元就餅。割りばし一膳2本に楊枝で三矢の訓とし、その箸袋に蒲鉾と元就餅にマークが入る、手の込んだ駅弁。大河ドラマの放映が終了しても販売を続けたが、現在は売られていない模様。
※2013年5月補訂:終売を追記2003(平成15)年1月の京王百貨店の駅弁大会で実演販売。長方形の容器にボール紙のふたをする。最初は値段に対する容器の小ささと、ふたを開けて見えるカキの分量の少なさに悪い意味で驚くが、カキをたっぷり混ぜた炊込御飯に身の厚い醤油味の煮牡蛎を口に含めば、今度は良い意味で驚くはず。松茸一切れとじゃこやおぼろも載せている。
この駅弁は京王の駅弁大会で、渚滑の帆立貝、洞爺の北寄貝とともに「対決 貝三昧」を演じたが、山積み状態の前二者に対して要整理券で長蛇の列ができたこの駅弁が、見た目では完勝だった。販売個数の公開が待ち遠しい。現在は売られていない模様。
※2013年5月補訂:終売を追記秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2004(平成16)年秋の新商品か。小柄な長方形の容器に、宮島とカキと穴子を描いたボール紙でふたをする。中身はつまり「しゃもじかきめし」のかきめしと、「夫婦あなごめし」のあなごめしが半分ずつ入るもの。いずれも定評のある駅弁なので、この商品が不味いはずがない。欲張りと名乗る割に、だいぶ少量ではあるが。2014年時点で現存しない模様。
※2015年2月補訂:終売を追記2008(平成20)年7月1日に「ご当地広島幻霜ポーク本格派辛口カレー」とともに発売。名前のとおりカキ入りカレー、というより具にカキしか入っていないレトルトカレー。辛口と香辛料に負けたのか、駅弁のようにカキの風味や磯の臭みは感じられず、カキの身も小さく固かった。これは駅弁ではなく、製造者も駅弁屋ではない安芸高田アグリフーズだが、販売者は広島駅弁当であり、駅弁大会で駅弁とともに販売していたため、ここに収蔵した。
2009年に新球場「MAZDA Zoom−Zoomスタジアム広島」を与えられた広島東洋カープも、ホームゲームの観客動員数こそ48万人も増やし187万人まで持ってきたものの、成績は12年連続のBクラスとなる5位に低迷してしまった。