東京駅から東北新幹線はやぶさ号で3時間強。青森市は本州北部で陸奥湾に面した、人口約27万人の港町。明治時代に入り県庁が置かれ、帝都からの鉄道が開通して北海道への航路が拓かれたことで、県内一の都市として発展した。駅弁は新幹線の改札内や高架下のコンビニで売られるが、完売していることが多いと思う。1986(昭和61)年11月1日開業、青森県青森市大字石江字高間。
2023(令和5)年11月10日に、新青森、青森、八戸、盛岡、東京の各駅で発売。日本鉄道構内営業中央会の「駅弁マーク」制定35周年を記念し、会員のうち29社が主に11月10日から期間限定で販売した31種類の記念駅弁のうち、新青森駅の駅弁屋のもの。掛紙には、五能線の風景写真と大きな駅弁マークの表紙にも、裏面にも中身の写真が使われ、食材や内容を紹介する。
長方形の容器の4区画に赤酢のシャリ(酢飯)を詰め、青森県産のクロマグロのネギトロ、青森県産の青森サーモンのネギトロ、青森県産のベニズワイガニのほぐし身、三陸産のわかめと茎わかめで、それぞれ覆い、しょうゆの袋を添付。付合せも箸休めも添付しない、おいしさの一気通貫。11月10日から12月31日までの販売。
2024(令和6)年4月21日に購入した、新青森駅弁の掛紙。掛紙のでっかい駅弁マークが通常のサイズに小さくなった以外は、上記の2023年のものと変わらない。この記念駅弁はこんな感じでレギュラー入りした模様。
2023(令和5)年11月10日に、新青森、青森、八戸、盛岡、東京の各駅で発売。日本鉄道構内営業中央会の「駅弁マーク」制定35周年を記念し、会員のうち29社が主に11月10日から期間限定で販売した31種類の記念駅弁のうち、新青森駅の駅弁屋のもの。掛紙には大きな駅弁マークの表紙にも裏面にも中身の写真が使われ、食材や内容を紹介する。
竹皮編みの化粧をした紙箱に収めたふたつの透明なプラ製トレーの、一方にシャモロックスープで炊いたご飯を詰めて鶏そぼろ、玉子そごろ、にんじん、ほうれん草で覆い、他方ではホタテ入り炊き込みご飯をいがめんち、いかの寿司、青森県産ホタテで覆う。駅弁の名前どおりの、イカとホタテと鶏めしの弁当であり、明るくきれいなお弁当。11月10日から12月31日までの販売。
2023(令和5)年10月に新青森駅で発売、同月からのJR東日本の駅弁キャンペーン「駅弁味の陣2023」にエントリー。食品表示ラベル上の商品名は「しじみの出汁炊きご飯弁当」、キャンペーンでは「SEA IS ME!」の接頭辞が付き、掛紙での商品名は上記のように読める。
長方形の木質エコ容器に、深浦産わかめとしじみの出汁炊き御飯を詰め、きんぴらごぼうと青森県十三湖産のヤマトシジミで覆い、しじみ出汁の蒸し卵、長芋の奥入瀬ガーリックポークのそぼろあんかけ、イカメンチ天ぷら、にんじんやこんにゃくなどの煮物、きゅうりのからし漬けを添える。貝殻付きのシジミなど、駅弁では初めて見た。名前からして奇抜さがある一方で、食べれば淡い風味で落ち着きのあるお弁当。
十三湖(じゅうさんこ)は、青森県の津軽半島で日本海につながる、面積18平方キロメートルほどの汽水湖。シジミ漁が盛んで、年間で約2000トン前後の漁獲量があるものの、かつて乱獲あるいは密漁で漁獲量が減少したため、1975年から沿岸ふたつの漁業協同組合で漁具漁法や収獲サイズなどを規制し、資源の回復に努める。ここには14世紀から15世紀にかけて大規模な貿易港「十三湊(とさみなと)」があったとされ、堆砂あるいは乱世により衰退、湾は最大水深約3メートルの浅い湖になり、観光客もあまり来ない静かな平坦地となっている。
2019(令和元)年12月27日に北東北地方の各駅で発売。調製元か販売元の「みちのく弁当」シリーズとして、おそらくJR東日本盛岡支社管内のうち公式な駅弁のない駅のキオスクで、「とりめし」(800円)「ほたてめし」(880円)「うにめし」(1,080円)の3種類が、一斉に発売された。
四角いプラ容器を収める青いスリーブに、商品名と円形の中身写真を記す姿は、それらのすべてに共通する。中身は、青森県産ほたての混ぜ御飯を、ほたて照焼3個、錦糸卵、しいたけ、にんじん、山菜で覆うもの。青森駅で半世紀の歴史を刻んで消えた「帆立釜めし」の、今風の生き残りに見えて、青森県や岩手県の広範囲で売られる、あまり属地性のないお弁当。
2010(平成22)年12月の東北新幹線新青森開業に合わせて発売か。四角い容器に酢飯を詰め、タイとサバとサケとホッキの棒やベビーホタテを載せたもの。具はあまり多くないものの、5種の小ネタで飯を味わえて、酸味が柔らかな感じだった。見本写真ではもう少し具が太い。価格は2010年時点で900円、2014年時点で950円、2019年時点で1,000円、2020年の購入時で1,100円、2022年3月から1,180円。
※2022年4月補訂:値上げを追記2019(令和元)年9月16日に購入した、新青森駅弁の掛紙。上記の半年後とは絵柄がまるで異なるが、中身はまったく同じ。しかし身があまりにも少なくて飯の地肌がむき出しで、しかも酸味が強烈。この調製元らしくない、食べ進めるのがつらい駅弁だった。
新青森駅の商業施設で「駅弁家」の掲示により売られていた商品のひとつ。透明なプラ製パックに「いがめんち」のみをゴロゴロと詰めていた。おいしいおつまみ。いがめんちとは青森県津軽地方の郷土料理あるいは家庭での残り物の活用法とされる、イカのゲソと野菜などを小麦粉に混ぜて油で焼いたり揚げたりしたもの。駅弁に入れることは珍しいが、弘前の惣菜売り場にはどこにでもある。これそのものは、2019年の秋以降、新青森駅では見掛けなくなり、弘前駅のコンコースで「津軽弁」とともに売られている。
新青森駅などで評判かつ定番の駅弁。中身はスリーブの写真のとおり、丸い容器に白飯を詰め、イクラ、蒸しウニ、カニ、ワカメと茎ワカメで90度ずつ覆い、つぶ貝を載せるもの。「たっぷり使った海の幸、ぜいたくな美味しさです。」を少量ずつ収めた小柄な駅弁で、新幹線の車内食としてうまくできているように思えた。価格は2016年の購入時で980円、2019年時点で1,000円、2020年時点で1,100円、2022年3月から1,200円。
この駅弁は2015(平成27)年秋のJR東日本の駅弁キャンペーン「駅弁味の陣2015」に合わせて発売したとされる。しかし過去に、これとまったく同じ名前と容器と中身を持つ駅弁が、盛岡駅で売られていた。日本レストランエンタプライズ(NRE)の盛岡営業支店が駅弁の調製を止めた際に、商品ごと新青森駅弁の幸福の寿司本舗へ移籍したのではないかと思う。駅弁味の陣2015では無事に「駅弁大名」(アンケートで投票数および総合評価が3番目に高かった駅弁)に選ばれた。
※2022年4月補訂:値上げを追記2016(平成28)年11月3日に購入した、新青森駅弁のスリーブ。絵柄の構成は2000年代から約20年変わらない。中身は写真のとおりで、2021年や2005年のものと、おおむね変わらない。味も変わらない。背景の色が不思議と、赤くなったり、青くなったり、黄色くなったり、時々変化する。
2003(平成15)年の年末からの空弁ブーム、焼き鯖寿司ブームに乗って、2005(平成17)年までには発売か。掛紙とラップと竹皮風の紙でしっかり巻かれた包装を解くと惣菜用のプラ製トレーが現れ、その中にしその葉と甘酢生姜を挟んだ焼き鯖寿司が1本収まる。駅弁や空弁を集めていると焼き鯖寿司には食傷気味になるが、この商品は酢飯が直方体の形状でトレーに貼り付いており、飯と身の一体性がこれほどないものに当たったのは初めて。でも味への影響はない。価格は2008年の購入時で590円、2020年時点で756円、2023年時点で842円。
※2023年7月補訂:値上げを追記JR五能線の観光列車「リゾートしらかみ」のうち、青森駅発で秋田駅行きの2・4号の列車内で、2019(平成31)年1月10日に発売。新青森駅と盛岡駅でも販売。本マグロの水揚げで青森県一という青森県深浦町の監修協力で、調製元が開発し、日本レストランエンタプライズ(NRE)が車内で販売。細長い容器に、掛紙の裏面で紹介するとおり、まぐろそぼろとマグロステーキ、漬けまぐろと漬けあぶり切り身、ねぎとろで3種類のマグロ丼を詰め、煮物と漬物を添える。常温で色落ちした見栄えでも、柔らかく粘る味は確かだった。2020年の春までの販売か。
※2020年12月補訂:終売を追記1968(昭和43)年に青森駅で発売。丸くて赤い釜風のプラスティック容器の中に、茶めしの上にかわいい陸奥湾産のホタテが10個近く整然と並び、錦糸卵などの具もまた整然と敷かれている、釜めしとしては見た目の美しい駅弁。分量もほどほどで人気駅弁のひとつだった。調製元が青森支店を閉めたことで、2019年9月限りで終売、新聞記事などで惜しまれた。
青森駅周辺は平成の時代になって、巨大な斜張橋が被り、高層マンションが建ち、駅前には商業ビルやパチンコビルが建ち並び景観が一変した。青森駅自体は長距離列車の発着が減り青函連絡船がなくなったくらいで、昭和の頃からほとんど変わらない。
※2020年12月補訂:終売を追記2018(平成30)年1月の京王百貨店の駅弁大会でデビューか。青森駅伝統の駅弁「帆立釜めし」の特製版。平たいプラ製の釜型容器をそのままに、パッケージを黒地の色違いにして、中身のとびっこをカニとイクラに差し替えた。小粒なホタテの滋味は変わらない。茶飯をベビーホタテ、錦糸卵、カニほぐし身で覆い、イクラ、フキ、ヒメタケ、シイタケ、アンズを散らす。調製元が青森支店を閉めたことで、2019年9月限りで終売となった。
※2020年12月補訂:終売を追記平たいプラ製の赤い釜型容器に透明なふたをして、古くシンプルなデザインの緑色の掛紙を巻く。中身は茶飯をふんわりタイプの鮭塩焼とイクラと錦糸卵で覆い、しば漬を添えるもの。上記の駅弁「帆立釜めし」と同じくらいの歴史があるとも聞き、それならば今は北国であふれているこの手のタイプの駅弁の先駆者か。しかし他駅の最近の人気作に比べて、こちらはなぜか苦く重たい味がすると思う。伯養軒がウェルネス伯養軒になる前は、仙台駅や盛岡駅でも販売され、盛岡駅弁と紹介されることもあったと思う。価格は2011年の購入時で900円、2017年時点で1,000円。調製元が青森支店を閉めたことで、2019年9月限りで終売となった。
※2020年12月補訂:終売を追記1980年代のものと思われる、昔の青森駅弁の掛紙。この頃になるとすでに、鉄道で本州から北海道へ行くことが一般的ではなくなっていたが、それでもすべての列車の終着駅であり鉄道連絡船との乗換駅であった青森駅は、今より確実に賑わっていて、駅弁の需要も多かっただろう。
1980年代のものと思われる、昔の青森駅弁の掛紙。上のものと同じに見えて、価格の文字は明らかに異なる。旅行者がよく買い求めたためか、多く残されている掛紙だと思う。
2010(平成22)年12月4日の東北新幹線新青森延伸と、同日からの東京駅「新青森開業記念駅弁大会」に向けて発売か。今回の駅弁大会でも引き続き、五所川原駅の駅弁と誤って紹介されてしまった。市販のボール紙製で約20センチ角の正方形の容器に、ホタテをぼんやり描いた緑色の掛紙を巻く。中身はホタテの揚げ物を載せた白御飯、ホタテの炊込飯、ホタテの貝味噌焼、ホタテフライ、ホタテ唐揚、ホタテやニンジンなどの煮物と、どこを見てもホタテ。ベビーホタテが様々な姿でごろごろしている飾りのない内容は、分量の多さと駅弁の名前の脱力感も加わり、記憶に残る。価格は2010年の発売時で1,050円、2017年9月から1,200円。2019年までの販売か。
※2020年12月補訂:終売を追記2010(平成22)年12月の東北新幹線全線開業に向けて開発され、2009年12月の青森県「東北新幹線全線開業記念「あおもり土産」発表会」で発表されたもの。ネット上では三沢市内の小僧寿しに加えて八戸駅や三沢空港でも販売されているというが、今のところ新青森駅でしか見たことがないので、ここに収蔵する。
透明なプラ製の惣菜容器を段ボールで巻き、商品名を墨字で描いた掛紙を巻く。中身は焼かないタイプのサバ寿司が、炙り、梅しそ、酢〆で各2切れずつ入るもの。焼サバ寿司ブーム以降の粗製濫造とは一線を画し、ていねいに作られた感じを受ける。分量と値段もこの内容にしてはお手頃のはず。価格は2011年の購入時で1,000円、2012年頃までの販売か。2019年秋のJR東日本の駅弁キャンペーン「駅弁味の陣2019」までに、1,300円で再発売。同キャンペーンの12月の結果発表後ほどなく再終売か。
※2020年12月補訂:終売を追記2010年12月4日の東北新幹線新青森駅開業に合わせて、新青森駅で発売か。小柄な長方形の容器に透明なふたをして、菊花のイラストや中身の写真とともに伝票か何かが写り込んだカラーコピーの掛紙をかける。中身はサーモンのばってらが8切れ、笹の上に載るもの。駅弁と調製元の名前から、八戸駅の駅弁「菊ずし」の派生品だろう。菊の花びらが混じる酢飯が美しく、その上に載るサーモンも輝いている。普通にうまい味と特別に美しい見栄えが、ここでも活きている。
この駅弁は、調製元の2014年4月30日付での事業の停止により失われた。
※2014年9月補訂:終売を追記小柄な正方形の容器に、イカを拙く描く掛紙をかける。中身は白御飯の上に錦糸卵を敷き、ヤリイカの姿煮を4ハイ並べ、紅生姜とリンゴとサクランボを添えるもの。これは「津軽いかいっぱい」のリニューアルだろうか。記憶には残るが、また食べたい味でもないような。2011年頃までの販売か。
※2017年8月補訂:終売を追記2001(平成13)年に発売。マイカ水揚げ日本一の八戸のイカと、生産量日本一の青森の帆立を使用、ボール紙のガワにイカの形をした容器が入り、いかめし1匹分とフカヒレ・ホタテ・イクラが載る味付け御飯で胴体を分ける。価格は高めだがどちらも満足できる味。長らくごくまれに、駅弁催事に出てきたらしいが、調製元の青森からの撤退により、2019年9月までに終売のはず。
※2020年5月補訂:終売を追記