東京と日本の中央駅。東海道・山陽・東北・上越・山形・秋田・北陸の各新幹線、東海道・中央・総武・東北の各線、山手線や京浜東北線などの電車が、一日あたり3000本以上行き交い、100万人以上の利用者で終日賑わう。駅弁はJRの子会社が調製するもので100種類以上とも、エキナカの商品を含めて400種類以上とも、デパ地下の弁当を含めて1000種類以上ともいわれる、世界一の駅弁販売駅。1914(大正3)年12月20日開業、東京都千代田区丸の内1丁目。
2015(平成27)年3月に羽田空港で空弁として発売、いつしか東京駅でも取り扱いが始まった模様。2010(平成22)年発売の東京駅弁「賛否両論弁当」と同じく、東京都恵比寿の日本料理屋のブランドを名乗るが、似たのは名前だけで、見た目も内容もまるで異なる。
中柄な正方形の発泡材製折箱を二段に重ね、人物画の掛紙を巻く。中身は下段がタケノコやサクラエビなどを散らす茶飯に紅白の手まり飯を添え、上段が唐揚、角煮、焼サバ、玉子焼、刻みニンジンなどのおかず。量をやや抑えた高級弁当で、価格を気にしなければ昼食や空弁や駅弁に向く感じ。公式な名称は「賛否両論季節の二段重」であるようで、すると季節により中身が変わるのだろう。
2016(平成28)年2月26日に東京駅と品川駅の駅弁売店「膳まい」で、「笠原流彩り懐石御膳」(1,620円)「坂井宏行特製バルサミコ風味のすき焼き重」(1,280円)とともに駅弁デビュー。ただ、同じようなコンセプトあるいは内容の駅弁が、新宿駅のNREの駅弁売店や、東京駅の駅弁売店「ニッポンの駅弁」、2014年1月の京王百貨店の駅弁大会で出ているため、目新しさはない。「膳まい」のロゴマークがパッケージに入ったのは初めて。
ほうじ茶の茶飯の上を、銀鮭の幽庵焼で覆い、エビと鶏のつくねとしば漬を添え、おかずとしてナスのオランダ煮、しらたきの山椒煮、サツマイモの甘露煮、抹茶わらび餅などを付ける。この手の駅弁はコンセプトやパッケージに宣伝臭が強いと思うので、ああそうですかと聞き流してしまうところ。東京ではこれくらいアクが強くないと生き残れないのだろうと思う。
2018(平成30)年の夏頃から販売か。羽田空港ではその前年から売られていたかもしれない。賛否両論ブランドの商品らしからぬ、簡素なデザインの掛紙をかける。細長い容器で五目飯を鶏照焼やレンコン煮や紅生姜などで覆い、玉子焼、さつまいも、いぶりがっこ、クリームチーズ、わらびもちなどのおかず。常温で普通においしいお弁当。最近はネットやメディアの話題は薄めだと思うが、売上は順調なのだろう。この姿と内容では、半年間ほどの販売か。
※2020年12月補訂:終売を追記東北新幹線新青森開業に合わせた、2010(平成22)年12月4日の東京駅構内食品街「グランスタダイニング」内「ニッポンの駅弁」の開業に伴い、同日にオープニングスタッフとして発売か。東京都恵比寿の日本料理屋のブランドを名乗り、調製元はいつものNRE大増で、これでパッケージに駅弁マークが付く。
「東京弁当」と同じような、ボール紙で木製折箱の質感と強度を持たせた長方形の容器を使用、ブランドネームとロゴマークを印刷したシンプルなデザインの掛紙を巻く。中身はちりめん載せ白御飯、鶏肉と焼大根煮の茶飯、サーモントラウト味噌焼と野菜入り玉子焼ときのこの梅きんぴら、ごぼうおかき揚げとうなぎ蒲焼フライとタイ磯辺揚げ、豚肉柚庵焼とホタテ南蛮漬と合鴨スモークなど。
内容は当然に、予約が取れない人気店と書いてある「賛否両論」の笠原将弘氏が監修したものだろうが、味はいつものNREであり、東京駅弁であり、良くも悪くも有名店や高級という感じがしない。そのためか、個人ブログではうまかったという感想とこんなものかという苦言の賛否両論がある感じ。
2016(平成28)年2月の東京駅「ニッポンの駅弁」閉店と、同3月の新宿駅「ニッポンの駅弁」開店で、東京駅から新宿駅へ移籍した。以後は新宿駅の駅弁売店「駅弁屋 頂」や、東京駅の駅弁売店「駅弁屋 祭」でも売られた。2020年の春までの販売か。
※2020年12月補訂:終売を追記2010(平成22)年12月17日に購入した、東京駅弁の掛紙。7年後のものと、まったく同じ。調製元の電話番号はいつからか、末尾「7551」から「7334」へ変わった。価格は購入時で1,500円、2014年4月の消費税率改定で1,540円、2017年から1,600円。
下記の弁当「なすび亭弁当」が、2011年10月頃にリニューアル。売り場と名称はそのままに、「鶏つくね入り親子丼」の副称を付け、容器が専用品から市販のタマゴ型に変わり、中身が鶏つくね入り親子丼に変わり、価格が350円も下がった。御飯の上をそぼろ、軟骨入り鶏つくね、焼き鳥、タマネギ炒めなどで覆い、ナス、ニンジン、アスパラ、カブ、梅干し、たくあん、ごまだれを添える。うまい鶏飯に、上質なおかずと、東京駅弁や東京駅の弁当としてはお手頃な価格で、人気が上昇した模様。
価格は2011年のリニューアル時点で950円、2014年4月の消費税率改定で980円。2016(平成28)年2月の東京駅「ニッポンの駅弁」閉店と、同3月の新宿駅「ニッポンの駅弁」開店で、事実上東京駅から新宿駅へ移籍した感じ。2018年までの販売か。
※2020年4月補訂:終売を追記東北新幹線新青森開業に合わせた、2010(平成22)年12月4日の東京駅構内食品街「グランスタダイニング」内「ニッポンの駅弁」の開業に伴い、同日にオープニングスタッフとして発売か。東京都恵比寿の日本料理店のブランドを名乗り、調製元はNRE大増で、これでパッケージに駅弁マークが付く。
色と形状でナスを模した容器を、この駅弁売店の多くの商品でデザインを共有する白いボール紙の枠にはめる。中身はカニ御飯とブリ御飯、アナゴの南蛮漬とブロッコリーの明太子和え、小松菜と岩海苔の和え物、ナスの揚げ浸し、たくあん。
外観でナスづくしの弁当の中身にナスは炒め物の小片だけだが、カニが載るカニ飯にカニがしっかり混じり、ブリが載るブリ飯にブリがしっかり混じり、これらの御飯だけでも味わい深く、食べて良かった感じがある。価格は高めだが、東京駅弁としては標準的。2011年10月に上記の弁当「なすび亭弁当」へリニューアル。
2013(平成25)年から東京駅の駅弁売店「ニッポンの駅弁」と新宿駅南口コンコースのNRE駅弁売店で売られていると思う、テレビや雑誌で有名な料理人の名前を前面に出した弁当群「美味礼讃」シリーズのひとつと考えられる。この商品は2012(平成24)年11月6日にその「ニッポンの駅弁」で、「気仙沼ふか肉使用」をうたいデビューし、その後に「若姫牛使用」に変えた模様。紙帯に「Vol.13」とあるため、シリーズの13番目の商品なのだろうか。このシリーズの公式サイトと思われるページでは、別の商品が割り当てられている。
これもまた「陳建一監修」ということと、商品名のとおり、中身は中華弁当。正八角形の容器の中央に白飯を詰め、その周囲をエビチリ、タケノコと高菜の豚挽肉炒め、焼売2個、春雨サラダ、牛肉のオイスター炒め、カレイのフリッター、ザーサイで固める。まったく辛くない、駅弁では意外に少ない中華弁当。2017年までの販売か。
※2020年12月補訂:終売を追記2013(平成25)年から東京駅の駅弁売店「ニッポンの駅弁」と新宿駅南口コンコースのNRE駅弁売店で売られていると思う、テレビや雑誌で有名な料理人の名前を前面に出した弁当群「美味礼讃」シリーズのひとつと考えられる。この商品は、3種のアラスカ天然シーフードの使用をうたい、2013(平成25)年3月6日から半年間販売され、9月6日からいばらき地養豚の使用をうたい再発売された模様。紙帯に「Vol.10」とあるため、シリーズの10番目の商品なのだろうか。
「中村孝明監修」ということで、あでやかな紙箱を留める紙帯にはその名前と写真が載る。中身は白飯と豚そぼろ飯で2種6個の俵飯と、12区画のおかず。ステーキ、塩生姜煮、竜田揚げ、レンコンのきんぴらと玉子焼、ナス、こんにゃくとがんも、サトイモなどの煮物、シイタケなどの煮物、ひじき煮など。その雰囲気は、同じ監修者の今年1月の京王百貨店の駅弁大会の鳥取駅弁「鳥取の味懐石御膳」と同じ。そもそも、俵飯や多くのおかずが同じだった。2017年までの販売か。
※2020年12月補訂:終売を追記東北新幹線新青森開業に合わせた、2010(平成22)年12月4日の東京駅構内食品街「グランスタダイニング」内「ニッポンの駅弁」の開業に伴い、同日にオープニングスタッフとして発売か。東京渋谷の日本料理店のブランドを名乗り、調製元は大船駅弁の大船軒で、これでパッケージに駅弁マークが付き、しかし販売箇所は東京駅となる。
木に紙を貼り付けた円形の容器に透明なふたをして、この駅弁売店の多くの商品でデザインを共有する白いボール紙の枠にはめる。中身は白御飯の上にチャーシューの天ぷら、半身の半熟玉子、ししとうを各2個載せ、高菜の胡麻油炒めと紅生姜を添えるもの。
チャーシューを天ぷらにするとはなんとも大胆だが、見た目と違いおとなしい味付けで、上質なB級丼として価格も分量も具材も食感も良い感じ。調製元が大船駅弁の大船軒とは謎だが、JR東日本の新幹線車内販売のサンドイッチも大船軒ブランドになっており、今ではNREが抱えるブランドのひとつになっているのだろう。2013年までの販売か。
※2020年12月補訂:終売を追記