東京駅から電車で約45分。大船駅のある鎌倉市は、神奈川県の東部で相模湾に面した、人口約17万人の古都。13世紀に幕府と呼ばれる武家政権がここを拠点とし、農漁村に戻るも明治時代に別荘地や観光地として再興、文人や要人が好んで住んだり訪れた。東海道本線が横須賀線を分岐する大船駅では、1898(明治31)年から大船軒が駅弁を販売、鎌倉の文人や駅前の映画撮影所の関係者に親しまれた。1888(明治21)年11月1日開業、神奈川県鎌倉市大船1丁目。
2022(令和4)年の11月までには大船駅で発売か。「特得いなり」に次ぐ規格外商品。透明な惣菜向けプラ容器に、棒状の酢飯に鯵と小鯛の酢締めを貼り付けて6分割したものを1本収め、赤い掛紙を巻く。つくりは何も悪くなく、おそらく魚の形が「鯵の押寿し」や「小鯛押寿し」に使うには規格外なのだろう。酸味の強い味も、それらと変わらない。格安の特得いなりと違い、こちらはそれほど安くはない。2023年4月に大船軒がJR東日本クロスステーションに吸収合併され、大船の調製所が廃止されたため、その2023年5月限りで終売。
※2023年8月補訂:終売を追記2022(令和4)年1月に「桜(さくら)」(1,350円)「梅(うめ)」(1,250円)「桃(もも)」(1,150円)「李(すもも)」(1,100円)の4種を発売。調製元はこの年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の放送に合わせ、期間限定で専用の掛け紙と、プラ製でなく紙箱を使う押寿司を用意し、「鎌倉みやげ」として提案した。
これはそのうち「李(すもも)」。掛紙の表面には中身の見本写真とNHK大河ドラマの公式ロゴと北条義時(ほうじょうよしとき)の漫画絵などを描き、裏面には「鎌倉殿双六」を掲載。中身は鯵の押寿し8貫。スモモは入らない。つまり普段の「鯵の押寿し中鯵八貫入」と同じ。それは980円で普段どおり売られており、こちらは120円高価となる。箱代かロゴ代なのか。価格は2022年の発売時や購入時で1,100円、2022年9月から1,150円。
※2022年9月補訂:値上げを追記2022(令和4)年1月に「桜(さくら)」(1,350円)「梅(うめ)」(1,250円)「桃(もも)」(1,150円)「李(すもも)」(1,100円)の4種を発売。調製元はこの年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の放送に合わせ、期間限定で専用の掛け紙と、プラ製でなく紙箱を使う押寿司を用意し、「鎌倉みやげ」として提案した。
これはそのうち「桜」。掛紙の表面には中身の見本写真とNHK大河ドラマの公式ロゴと北条義時(ほうじょうよしとき)の漫画絵などを描き、裏面には「鎌倉殿双六」を掲載。中身は伝承鯵の押寿し2貫、かにの押寿し2貫、サーモンの押寿し2貫、海老の押寿し2貫。桜は入らない。2021年の夏に販売したE235系電車の記念商品「鯵の押寿し4種盛合せ」とそっくりなのは偶然か。カニを使う大船駅弁は珍しい。価格は2022年の発売時や購入時で1,350円、2022年9月から1,400円、12月から1,450円。
※2023年1月補訂:値上げを追記2022(令和4)年1月に「桜(さくら)」(1,350円)「梅(うめ)」(1,250円)「桃(もも)」(1,150円)「李(すもも)」(1,100円)の4種を発売。調製元はこの年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の放送に合わせ、期間限定で専用の掛け紙と、プラ製でなく紙箱を使う押寿司を用意し、「鎌倉みやげ」として提案した。
これはそのうち「梅」。掛紙の表面には中身の見本写真とNHK大河ドラマの公式ロゴと北条義時(ほうじょうよしとき)の漫画絵などを描き、裏面には「鎌倉殿双六」を掲載。中身は鯵の押寿し2貫、穴子の押寿し2貫、サーモンの押寿し2貫、海老の押寿し2貫。梅は入らない。このような構成は初見でも、中身はちらしずしの駅弁や日本レストランエンタプライズから引き継いだ商品にあるもので、味も同じ。鯵を除き酸味は強くないのでありがたい。価格は2022年の発売時や購入時で1,250円、2022年9月から1,300円、12月から1,350円。
※2023年1月補訂:値上げを追記2022(令和4)年1月に「桜(さくら)」(1,350円)「梅(うめ)」(1,250円)「桃(もも)」(1,150円)「李(すもも)」(1,100円)の4種を発売。調製元はこの年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の放送に合わせ、期間限定で専用の掛け紙と、プラ製でなく紙箱を使う押寿司を用意し、「鎌倉みやげ」として提案した。
これはそのうち「桃」。掛紙の表面には中身の見本写真とNHK大河ドラマの公式ロゴと北条義時(ほうじょうよしとき)の漫画絵などを描き、裏面には「鎌倉殿双六」を掲載。中身は鯵の押寿し4貫と、サーモンの押寿し4貫。桃は入らない。この構成は4種類中、最も今風な感じを受けた。価格は2022年の発売時や購入時で1,150円、2022年9月から1,200円、12月から1,300円。
※2023年1月補訂:値上げを追記2020(令和2)年3月に湘南モノレールの開業50周年を記念して大船駅などで発売された駅弁「鯵の押寿しと小鯛の押寿し」の、2023年時点での姿。50周年が終わっても「湘南モノレール×大船軒」のまま、販売を続ける。中身は変わらない。駅弁の名前のとおり、鯵の押寿しが4個と、小鯛の押寿しが4個。
調製元の大船軒が2023年4月にJR東日本の100%子会社であるJR東日本クロスステーションへ吸収されたことで、5月限りで大船での調製を終えて埼玉県戸田市での調製に変更。その頃に容器を発泡材から紙製に変えた。掛紙の表面のアイコンと、裏面のデザインも変わった。駅弁の大船や鎌倉との接点は消えたが、「大船軒」をブランドネームとして、「湘南鎌倉名物」を名乗り続ける。価格は2020年の発売時で1,200円、2022年9月から1,300円。
湘南モノレールの開業50周年を記念して、2020(令和2)年3月7日に発売した、同社と調製元のコラボ商品。他の大船駅弁の押寿しと似た絵柄の掛紙には、大船観音や富士山や江島神社に加えて、モノレールの周年ロゴマークやキャラクター、路線の縦断面図を参考にしたように思える線路図なども描き、裏面で歴史を紹介する。3月には車両の写真を使う期間限定掛け紙2種類も出たらしい。
中身は駅弁の名前のとおり、鯵の押寿しが4個と、小鯛の押寿しが4個。伝承鯵の押寿しと小鯛の押寿司との組合せは過去にも現時点でも出ているが、この組合せは初めてか。3月を過ぎても販売が続き、モノレールの沿線外でも売られる。価格は2020年の発売時や購入時で1,200円、2022年9月から1,300円。2023年時点での姿は、上記のとおり。
湘南モノレールは、1970(昭和45)年3月7日に大船駅〜西鎌倉駅で開業、翌1971(昭和46)年7月に湘南江の島駅まで延伸。地主やライバルとなる江ノ島電鉄の反対で、江の島よりだいぶ手前、1km以上も離れた場所で止められてしまい、江の島観光にはあまり使われない感じ。一方で沿線に工場や住宅が多く、3両編成が毎時8本しか走れない規格のため、通勤客などで全国有数の混雑路線となった。
※2022年9月補訂:値上げを追記大船駅の駅弁のうち、「伝承鯵の押寿し」2個、「鯵の押寿し(中鯵)」2個、「小鯛押寿し」2個の詰合せ。同じものばかり6〜8個食べるよりも、個人客にはこのセット商品が味わいやすいと思う。酢も軽くて美味。価格は2017年の購入時で960円、2018年時点で980円、2022年9月から1,080円、12月から1,100円。
※2023年1月補訂:値上げを追記2021(令和3)年の12月までに、首都圏の各駅で発売か。上記の駅弁「押寿し食べくらべ」のちょうど半分となる、「伝承鯵の押寿し」1個、「鯵の押寿し(中鯵)」1個、「小鯛押寿し」1個の詰合せ。それでいて価格は上記の半分以下なので、これはお買い得な軽食またはおつまみ。小さい駅弁ながら、ちゃんと掛紙を巻いている。
2012(平成24)年7月1日のリニューアル。中身は下記の駅弁や空弁の「特上鯵と小鯛の押寿し」と変わらない。大船駅の伝統の駅弁の名前が、「特上鯵の押寿し」から「伝承鯵の押寿し」に変わったことで、こちらの駅弁の名前から「特上」を抜き、プラ製の折箱をスリーブにはめる体裁も合わせた。合理的な容器になったためか、寿司の作り方や詰め方がなんとなくきれいに、ていねいになったと思う。価格は2012年の発売時で980円、2015年時点で1,050円、2018年時点で1,080円、2022年9月から1,180円、12月から1,200円。
※2023年3月補訂:写真を更新2012(平成24)年7月19日に購入した、大船駅弁のスリーブ。上記の2022年のものと、容器と中身は同じ。この時は竹皮柄だったスリーブに書いてあることも、だいたい同じ。
大船駅の駅弁「湘南名物特上鯵と小鯛の押寿司」の、羽田空港で売られる空弁バージョン。中身は下記の駅弁と同じで、こちらは市販の惣菜向けでなく大船駅の押寿司駅弁と同じ容器を使い、掛紙にJALUXの空弁マークも印刷する。こうして見ると、大船駅の押寿司駅弁は、小柄で臭いが小さい空弁向けな商品だとも思える。
スーパーの惣菜風なプラ容器を、ボール紙の枠にはめる。中身は大船駅の名物駅弁「鯵の押寿し」が3個と、時々販売がある「小鯛押寿し」が3個入るもの。具も飯も素材や製法は当然にこれらの駅弁と同じだが、水気が抜けない容器なので、食感や風味により水気を感じられる差異がある。この駅弁も時々の販売らしい。おそらく2012年7月に「鯵と小鯛の押寿し六貫入」へリニューアル。
※2013年12月補訂:リニューアルを追記2002(平成14)年8月1日の発売。というより、以前の「小鯛押寿し」のリニューアルに該当しそう。皮をちょっと炙った鯛の身を載せた握り酢飯が8個入るだけのシンプルな駅弁。さすがは鯛なので見栄えも味も少量も価格もなかなかのもの。ただし少々生臭い気もした。2003年までに販売中止。
大船の名物駅弁「鯵の押寿し」の、アジがタイになったもの。掛け紙の色だけ変えた「鯵の押寿し」とまったく同じ、長方形の木製風発泡スチロール製容器の中に、甘みがありふわりとした食感の鯛の押し寿司が8個整列する。値段や中身や分量から、おみやげとして持ち帰りたいが、日持ちがしないのが残念。2002年の初頭頃に消え、その後の復活と終売があった模様。
1997(平成9)年11月30日11時の調製と思われる、昔の大船駅弁の掛紙。上記の2001年7月のものと同じ。調製元の大船軒は昔も今も日本鉄道構内営業中央会の会員であるが、当時の掛紙には1988(昭和63)年制定の駅弁マークがなかったことがわかる。