東京駅から新幹線で3時間弱。神戸市は兵庫県の南東部で大阪湾に面する、人口約150万人の港町。古代からの湊は1868年の開国開港で関西を代表する港湾都市となり、異国情緒や夜景で有名な観光地でもある。駅弁は第二次大戦後に神戸へ移転した駅弁屋の、肉や洋食や新幹線型など、様々な駅弁が賑やかである。1972(昭和47)年3月15日開業、兵庫県神戸市中央区加納町。
秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2023(令和5)年秋の新商品として、9月に発売か。その頃に日本食糧新聞社「惣菜・べんとうグランプリ2024」へエントリーされ、12月の結果発表で奨励賞に認定された。2021年6月4日に発売した「神戸中華焼売弁当」の加熱機能付き容器版であり、スリーブの絵柄と、白飯にザーサイ、三宮一貫樓の「焼売」3個と菜の花ごま油炒め、麻婆豆腐にえびチリソースと焼ビーフンという中身はほぼ同じ。横浜駅弁の崎陽軒のシウマイ弁当にまったく似ていない、中華料理のようなオリジナリティの高い焼売弁当。もともと常温で売ったくらいなので、駅弁を食べ慣れていれば、あえて温めなくてもいただける。
2022(令和4)年の秋までに発売か。従前の商品「天むす」を改称したものか。発売時は「天むす」や「明石だこと海老の天むす」の紙帯を「真だこと海老の天むす」に差し替えただけで、2023年の3月までに写真の紙箱へ置き換えた模様。その赤い紙箱には、商品名とタコを描く。中身は天むすが5個、うちタコ天が3個とエビ天が2個と、ふきの佃煮。つまり基本的に変わらない。容器がプラスティック製から紙製に変わったので、環境に優しいと宣伝できるかも。
2023(令和5)年8月までに発売か。2区画の容器の、一方にかやくご飯を詰めてゆばで覆い、他方に白飯を詰めて卵とじとお揚げで覆い、ねぎ、にんじん、漬物を軽く添える。御飯と御飯の詰合せ。いずれも出汁の味付けが豊かで、おかずなしに淡い風味をいただけた。スリーブの食品表示や調製元公式サイトの見本写真によると、本来はカボチャやサトイモなどの煮物も入る模様。
秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2023(令和5)年秋の新商品として、8月に東京駅の駅弁売店「駅弁屋 祭」で発売か。パエリアはスペイン料理のはずなのに、イタリアンとはこれいかに。スリーブにはパエリアの美しいイメージ写真と、「アクアパッツァ日高シェフ監修」にちなんだ人物写真やサインを載せた。
長方形の加熱機能付き容器に、バター味に感じる洋風炊き込み御飯を詰め、タイ、ムール貝、いか、あさり、エビで覆い、ピーマンで彩る。そんな中身はイメージ写真ほど美しく具が盛り付けられたものではないけれど、海鮮の洋風炒め物の風味は美しく出ていた。高い値段も、具だくさんのパエリアだと思えばこんなもの。調製元の社名をみてここに収蔵するが、調製所は東京であり、神戸や関西で買えたという話は、まだ聞けない。
2023(令和5)年の7月までに発売か。穀物が豊かに実ることを指す四字熟語「五穀豊穣」のよみがなを使いながら、現在の兵庫県を構成する5つの旧国名を並べて「五国豊穣」とした。スリーブには但馬ほたるいか、播摩たこ、淡路玉ねぎ、摂津の神戸牛といかなごのくぎ煮、丹波黒豆の名と写真と各国のプロフィールを記す。
中身は3区画に仕切られ、醤油飯を錦糸卵とタコ煮といかなごのくぎ煮と黒豆で覆い、すき焼き風御飯を牛肉やタマネギなどの煮物で覆い、蟹みそと海苔の御飯をカニ爪とホタルイカと小松菜おひたしなどで覆う。漬物を排して御飯と御飯と御飯に多種のおかずを詰めた、コンパクトなのにボリューム感がある、水気も豊かなお弁当。
2022(令和4)年の9月に発売か。長方形の容器に味付き飯を詰め、合鴨の炭火焼、きのこ、かぼちゃ、くり、くるみなどで覆い、これを濃淡の油揚げで市松模様に覆い隠し、ごぼうとにんじんのきんぴらの揚げ物と銀杏などで彩り、小松菜と梅干しとサツマイモを添える。3年前に評判の駅弁「二種のお揚げのきつね寿し」に似て、しかしこちらは具材の豊富さと、それらを「へそくり」として隠す演出が面白い。中身の食材の列記でない、かわいい名前を付けられて、駅弁催事でもっと評判を得ている感じ。
2004(平成16)年に600円で発売か。竹皮を模した紙容器に、六甲山地のシルエットを描く掛紙を巻く。中身は麦飯と赤飯の三角飯、タコとシャケとイカナゴとゴボウと玉子焼、鶏肉と牛肉の3区画。広島駅や小淵沢駅などにある山の駅弁と同じような雰囲気。価格は2014年時点で620円、2019年時点で680円、2022年3月から720円、2023年時点で780円。
※2023年7月補訂:値上げを追記この姿とこの内容では、2017(平成29)年の初頭の発売か。神戸駅弁の穴子飯は、過去にも何度も出ていると思う。醤油飯を炙り煮穴子と刻み穴子煮で覆い、玉子焼と柴漬けを添える。淡い色彩に薄い風味。スリーブの絵柄も含め、物足りなく思えるくらいシンプルな感じ。2022年に「だし巻き穴子めし」(1,050円)へリニューアルか。
2012(平成24)年5月16日に500円で発売。白い専用の紙箱には日の丸があり、裏面では富士に朝日があがる。日本の朝を代表する食材ばかりを盛りつけたという中身は、ごまおにぎり、白飯おにぎり、梅干し、鮭塩焼、かまぼこ、鶏の旨煮、玉子焼、昆布巻、ひじき、海苔。軽食のおにぎり弁当で、朝飯向けや和朝食に違いない。食べ終わると底に、間違い探しクイズが現れた。価格は2014年4月の消費税率改定で520円、2022年3月から550円、2023年時点で630円。
※2023年7月補訂:値上げを追記日本鉄道構内営業中央会が駅弁誕生135周年を記念して、会員のうち21社が2020(令和2)年4月10日から販売した、駅弁の原点であるおにぎりをメインとした記念弁当「駅弁誕生135周年おにぎり弁当」の、神戸駅弁の淡路屋バージョン。タコの色と絵柄で描いた掛紙には、このキャンペーンに共通の駅弁マークを掲載する。
竹皮柄の紙容器に収めた中身は、アナゴまぶしの白飯おにぎり、白ごまをかけた茶飯おにぎり、煮物、おひたし、いかなごくぎ煮。視覚で確認できない明石のタコは、茶飯に入っていたらしい。2021年と2022年も販売。2023年は「明石の鬼斬り弁当」(980円)を販売。
※2023年7月補訂:現況を追記2022(令和4)年4月16日に購入した、新神戸駅弁の掛紙。絵柄も容器も中身も値段も、上記の2020年のものと同じ。今回は駅弁の日に合わせ、日本鉄道構内営業中央会の会員のうち21社が、FMヨコハマのラジオ番組「FUTURESCAPE」とタイアップし、この年の4月10日から各社の駅売店などで販売した、駅弁の日記念のおにぎり駅弁の、新神戸駅バージョンとして販売。今回のキャンペーンで各社に用意された「駅弁カード」が1枚付いてきた。
2007(平成19)年までに発売か。新神戸駅などの鉄道駅に加えて、伊丹空港や神戸空港でも売られた模様。タコ飯の三角おむすびを3個、タクアンといかなごくぎ煮とともにラップで包み、竹皮で包み、新神戸駅弁にしては紙質もデザインも簡素な掛紙で巻く。あの有名な駅弁「ひっぱりだこ飯」の調製元なので、タコ飯の味に安心感。
2012(平成24)年夏の新作か。専用のボール紙容器には、京都、大阪、神戸と3種の食材のイラストが賑やかに描かれる。中身は日の丸御飯を、タコやサツマイモなどの煮物、「京都」のサケ西京焼、柴漬け、玉子焼、「大阪」の串カツ、たこ焼き、たこウインナー、「兵庫」のすき焼きで囲むもの。お茶を付けても千円で済む、旅行者が買って食べて楽しい京阪神のお弁当。価格は2013年の購入時で850円、2014年4月の消費税率改定で880円、2021年時点で890円、2022年3月から900円、2023年時点で980円。
※2023年7月補訂:値上げを追記2023(令和5)年は4月1日から5月7日まで、新神戸、神戸、西明石、鶴橋の各駅などで販売。今回も駅弁の日に合わせ、日本鉄道構内営業中央会の会員のうち26社が、この年の4月10日から各社の駅売店などで販売した、駅弁の日記念のおにぎり駅弁の、新神戸駅バージョンとして販売。他社とのタイアップはないが、駅弁カードは付いてきた。
見た目は2020年から2022年までの「明石のおにぎり弁当」と、だいたい同じ。竹皮柄の紙箱に、おにぎりと煮物の各種といかなごくぎ煮を詰めて、赤い掛紙を巻く。今回は「おにぎり」を「鬼斬り」と表現、タコ飯の握り飯に巻く海苔に「鬼」の漢字をプリントし、これを切断することで鬼斬りとした。このネーミングによりネットニュースなどでより紹介され、よく売れたのではないかと思う。そんなアイデアに脱帽。
2021(令和3)年9月3日に発売。神戸の駅弁屋による地方応援企画「駅弁食べて地方へGO」の第1弾として、神戸エリアや大阪や京都で販売。コロナ禍で旅行ができず駅弁が忘れられつつある状況で、地方をテーマにした駅弁を都心で販売することにしたそうな。これは京都府与謝郡伊根町の舟屋をモチーフにしたといい、スリーブにはその風景写真に伊根町の紹介文と中身の写真が使われる。
長方形の容器の中身は、舟の形に仕切られた。酢飯を敷いて、錦糸卵とシイタケ煮と刻み海苔で覆い、炙りしめサバと炙らないしめサバと、エビときぬさやとイクラをていねいに並べ、すき間にホタルイカ生姜煮と小松菜おひたしを詰める。これはおいしいしめサバ丼。昭和時代からの観光名所も行きにくい場所にあり、バスツアーが開催され続けないと忘れられるかもしれない、伊根の存在を駅弁でアピールできたか。翌春までの販売か。
京都府与謝郡(よさぐん)伊根町(いねちょう)は、京都府の北端で丹後半島から日本海の若狭湾に突き出た、人口約2千人の漁業と観光の町。山を背負う海岸線に2階建ての民家が建ち並び、その1階に小舟が付けられ荷揚げができる独特の漁村が、「伊根の舟屋」(いねのふなや)として戦後昭和に観光名所となり、2005(平成17)年12月には国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された。コロナ禍前の2019(令和元)年で年に約30万人が訪問、しかし宿や商店がほとんどなく、客は車で通り過ぎていく。
※2023年4月補訂:終売を追記2020(令和2)年8月7日に発売。新型コロナウイルス感染症の流行を受けて、調製元が飛沫感染予防シールド付き弁当箱を開発、これを使う商品の第1弾として発売したもの。見た目は駅弁や仕出し弁当で使われる紙容器と同じように見えて、ふたを開くと左右に四半円形の耳が付いていて、容器の側面に差し込んでふたを直立させることができる。その耳には、日本での新型コロナウイルス感染症の流行とともにネット上やメディアを賑わせた、江戸時代の肥後国、現在の熊本県で描かれた疫病よけの妖怪「アマビエ」が描かれた。
12区画の中身は、日の丸御飯、赤飯、赤しそ飯、炊込飯で4種の御飯と、マス塩焼と玉子焼、牛肉煮、鶏肉煮と鶏つくね串、小松菜とニンジンのおひたし、がんもどきや椎茸などの煮物、ししとう素揚げやカボチャの煮物、ひじき煮とこんにゃく、あんこ餅。中身はよくある、なんでもまるごと弁当。発売はテレビなどのニュースになったが、よく売れたとか第2弾が出たという話はまだ聞かれない。2022年までの販売か。
※2023年4月補訂:終売を追記2020(令和2)年のプロ野球ペナントレースの開幕を前に、同年6月17日に発売。同時発売の「虎の威を借るきつね寿し」とともに、阪神タイガースの球団公認弁当。正方形のボール紙箱のふたには、球団のシンボルマークが大きく、その創設85周年記念のシンボルマークが小さく掲載された。
中身は御飯を12区画ものおかずで囲むもの。中央の炊込飯では玉子シートと板海苔で縦縞模様を描く。おかずは1番海老チリ、2番ポテサラ、3番小松菜、4番魯肉(ルーロー)、5番煮玉子、6番煮物、7番明太スパ、8番からあげ、9番サラダチキン、10番牛すき、11番いかなご、12番クルミとして、13番の虎御飯を加えて球団オーナー気分でベストナインと監督を選出しよう!という表が、調製元のツイッターでアップされた。
2020(令和2)年のプロ野球は、新型コロナウイルス感染症の流行や政府の感染症対策を受けて、2月29日から3月15日までのオープン戦を無観客試合としたうえで、3月20日のペナントレース開幕が延期された。その後も4度の延期を重ねて、6月19日から無観客試合で開幕。この駅弁は、自宅で観戦せざるを得ないファンのためにできている。年内で終売か。
2019(令和元)年10月5日にオープンした、調製元の神戸阪急地下1階の店舗で発売。見た目は名古屋など全国で一般的な天むす。ここではエビ天を白飯に合わせて海苔をまとう天むす3個に加えて、明石ダコ天をタコ飯に合わせて海苔をまとう天むす2個を入れ、ふき佃煮の付合せとして、「ひっぱりだこ飯」というタコ駅弁で有名な調製元の個性を出した。紙帯の絵柄も、エビでなくタコでできている。味はそう変わるものでもない。2020年の秋までに中身を変えずに「明石だこと海老の天むす」と改称し、800円へ値上げ。2022年の夏までの販売か。
※2023年4月補訂:終売を追記2017(平成29)年8月10日の発売。真ん丸の容器に茶飯を詰め、タイのほぐしや切り身とひじきや小松菜などでパサパサと柔らかく覆う、駅弁らしい風味のタイ丼。兵庫県西宮の名物が鯛飯だという根拠が見当たらないが、これは「西宮にある神社の十日えびす祭りを駅弁に」したといい、スリーブにえびす様を描く。発売日の前日に西宮神社へこの駅弁を奉納したのだとか。2019年に終売か。
※2020年4月補訂:終売を追記スーパーの駅弁大会での販売に向けた、2018(平成30)年秋の新商品か。調製元公式サイトには掲載されず、イトーヨーカドーの駅弁大会案内やネットスーパーで紹介。スリーブの絵柄はタコとたこ焼きで賑やか。中身は冷蔵食品タイプのたこ焼き8個とタコ飯と、タコ脚、カボチャ、サツマイモ、キャベツ。炭水化物のコラボレーションで、よそ者には実に大阪らしい商品で楽しいもの。2020年までの販売か。
※2022年4月補訂:終売を追記経緯は不明だが2016(平成28)年に、全国各地の駅弁屋が同じような見栄えと容器と価格で出してきた、4種の駅弁のセット商品の新神戸駅版。ボール紙のパッケージに書かれるとおり、「肉めし」「かにめし」「地鶏弁当」「ひっぱりだこ飯“のおかず”」のセットであり、牛肉とパプリカとバレンシアライス、カニほぐし身とカニ脚肉と茶飯、鶏照焼と鶏飯、タコとタケノコと菜の花などの煮物を詰める。それじれ、たしかにこんな中身だ、という印象。2017年1月限りで終売か。
※2019年8月補訂:終売を追記山陽新幹線と九州新幹線の相互直通運転開始5周年を記念し、2016(平成28)年4月1日に9月までの予定で発売。神戸松蔭女子学院大学の青谷実知代ゼミの学生が提案し、調製元の協力で製品化したものだという。日本人の誰もが知るくらい有名な熊本県のキャラクター「くまモン」を使う、赤いボール紙製のパッケージは、ふたとスリーブでキャラクターの表情を変えられる。
中身はあか牛のすきやき、天草大王の旨煮、くまモンのおにぎり、サラダちくわ、高菜漬け、だし巻き玉子、赤板かまぼこなど。山陽・九州新幹線は熊本県だけではないけれど、駅弁は熊本のみで固められた。後に販売期間は延長され、2017(平成29)年4月まで売られたという。
2015(平成27)年7月の発売。黒く小柄な容器の中に、ちりめん山椒御飯を敷き詰め、アナゴ煮と出汁巻き卵で覆い、すき間を刻みアナゴ煮とホウレンソウで埋め、はじかみを添える。アナゴよりもむしろ、ふんわり甘めのだし巻き玉子が印象的な味。2017年までの販売か。
※2019年8月補訂:終売を追記2014(平成26)年7月19日に発売。その名のとおり、ボール紙でできた容器の絵柄と形状は、神戸の観光名所で有名な景観である神戸ポートタワー。港町神戸の洋食という中身は、サフランライスをクリーミーコロッケ、エビフライ、ハンバーグ、スパゲティ、じゃがいも素揚げ、牛バラ肉、ニンジンなどで覆うもの。半年間ほど売られた後も、断続的に販売する模様。価格は2014年の発売時や購入時で1,000円、後に1,080円。2016年までの販売か。
神戸ポートタワーは、1963(昭和38)年11月のオープン。神戸港のシンボルとして神戸市が、4億5千万円かけて埠頭上に高さ108mの展望塔を建てた。建設当時で海に突き出たタワーは、後のメリケンパークや中突堤中央ターミナルの埋め立てで入り江の中へ後退、高さも1989(平成元)年6月には近くに建った高さ約135mのホテルオークラ神戸に抜かれた。それでもこの赤いタワーは、今も港に欠かせぬ風景となっている。
※2019年8月補訂:終売を追記2011(平成23)年かそれ以前から、毎年秋に販売される駅弁か。栗型の容器に、クリとマツタケとシメジとニンジンを載せた山菜の混ぜ御飯を詰め、いかアーモンド揚げと牛肉煮を添える。栗飯の駅弁は昭和の昔から、仙台駅でも人吉駅でも各地でこんな形の容器にて存在したが、これは見た目に賑やかで、なんとなく洋風のテイストで、単なる栗飯でない21世紀の個性作。2018年頃までの販売か。
※2020年4月補訂:終売を追記ボール紙製の専用容器に黒いトレーを詰める。12区画に区切られた中身は、栗御飯、梅ゆかり飯、山菜飯、じゃこを載せた白飯、サトイモやレンコンなどの煮物、海老煮、玉子焼や昆布巻、鶏照焼と焼サバ、牛肉煮、巾着、デザートの餅など。とにかくいろいろ入っている。駅弁売店で普通に販売されていたが、調製元の公式サイトでは、駅弁ではなく会議や会合などの注文弁当に位置付けられている。2014年頃までの販売か。
※2019年8月補訂:終売を追記2006(平成18)年のゴールデンウィーク頃に発売。丸いプラ製トレーをはめた赤いボール紙の容器は、中身がぼんやり見えるようになっている。中身は海鮮ピラフなる魚介炒飯の上に、カニフライ2個、ゆで卵、高菜炒め、菜の花油和え、ルーローなる豚そぼろ、野菜炒めなどを載せるもの。
このずいぶんと油っぽい内容のどこが海鮮なのかと思うが、これは日本の海鮮ではなく中華料理の海鮮である。日本で2番目に大きな中華街は神戸にあるから、こういう駅弁があってもよいし、中華の駅弁は希少だ。ただ、売れ続けるかどうかは微妙な気もする。現在は販売されていない模様。
※2013年5月補訂:終売を追記2005(平成17)年9月頃に発売。正六角形の容器を、タマネギを模したボール紙の皮で包む。中身は淡路島産のタマネギを用いた、タマネギ御飯、タマネギのベーコン包み、豚カツのタマネギ包み揚げ、ラッキョウ大のゆでタマネギなど。
味に加えてすべてがタマネギづくしな完成度の高さはすごいもの。私見で今世紀一の神戸地区新作駅弁。ただ、日本一のタマネギで売る淡路島と同じ兵庫県とはいえ、神戸とタマネギは結び付きにくく、他に有名な駅弁もあるので、北海道の北見駅の駅弁か、神戸淡路鳴門道の道弁にしてあげたいような。現在は販売されていない模様。
※2013年5月補訂:終売を追記今回で4回目となる、阪神百貨店の駅弁大会と毎日放送のテレビ番組「水野真紀のMaki’s魔法のレストラン」とのタイアップ弁当。今回も催事場で一日千個を販売した。今回は週末の販売ブースに行列ができず、かつての盛況がウソのよう。
専用の長方形のボール紙箱には円形の窓があき、プラ製丼に収まる中身がよく見える。その中身は酢飯の上に錦糸卵を敷いてまぐろの塩焼きとタレ焼きを載せ、透明なシートを挟んで串カツを3種(トンカツ2種とエビフライ)を置く。
まずはソースを専用トレーに注いで串カツを浸けて食べ、次にマグロ酢飯丼を食べるのが正しい食べ方か。番組の内容やそんな食べ方はホームページや現物に書かれておらず、普通にごはんとおかずとしてソースなしで食べたため、少量さと雑然さのみが印象に残るし、コテコテ感も関東人にさえ物足りない。
なお、前年の弁当に絡んだタレント弁護士は、公示直前に「出馬は2万%ない」旨と断言したにもかかわらず、この阪神百貨店の駅弁大会の会期中に自民党の推薦で大阪府知事選挙に立候補し、翌週には過半の得票率を獲得する圧勝で知事に就任した。出馬前にもタレントとして面白いが公人としてはどうかと思う言動が度重なっていたと思うのだが、これだから大阪の選挙は分からない。
今回で3回目となる、阪神百貨店の駅弁大会と毎日放送のテレビ番組「水野真紀のMaki’s魔法のレストラン」とのタイアップ弁当。今回も催事場で一日1,000個を売り、その期間中だけ新神戸駅でも少し売った模様。今回はチラシや売り場で駅弁を名乗らなかったものの、書籍型の容器には駅弁マークが輝く。
番組レギュラーのタレント弁護士にちなみ、六法全書をイメージした真っ赤な本の型紙容器を使い、金文字で商品名を書いてゴムで留める。中身はカルビごはん、海老カツ、牛肉重ね巻、根菜ひじきサラダ、菜の花の胡麻和え、玉子焼、甘味のリンゴ型饅頭。
感覚的に中身の8割は牛肉。採算度外視の赤字弁当という紹介もあるが、肉だらけな中身は満載というより偏向という印象。和解や解決ではなく「勝訴」という名前やコンセプトもどうかと思った。前2回のタイアップ弁当は、デパートの開店とともに整理券を獲得しないと買えなかったものが、今回は一日中整理券を配っており、時間帯によっては無行列での入手もできた。ここでは買い物客は、タレント弁護士に踊らなかった。
毎日放送のテレビ番組「水野真紀のMaki’s魔法のレストラン」の、2006(平成18)年1月26日の放送で開発され、同日から2月1日までの阪神百貨店の駅弁大会で、毎日1,000個が販売された商品。一応ごく少量が、駅や会期終了後の阪神百貨店食品売場でも販売されたようで、こちらも新神戸駅の各売店をめぐり1店1個だけあったものを収穫した。
同じ大きさの正方形の容器4個を二段重ねにして、上下に透明なフタを重ね、紙帯と輪ゴムで留める独特な構造の容器を使う。中身は大阪の豚串カツ、京都の京風炊合せ、滋賀の近江地鶏の炊込御飯、奈良の大和鶏出汁巻玉子、兵庫の淡路ビーフあぶり焼、和歌山の蓮根梅肉和えと、おそらくテレビ局の放送エリアの各府県から何かを取り入れたもの。
そのため中身全体の方向性はまるでないが、個々では良い味が出ているし、この内容と分量で1,000円を切るのはお買い得。ただおそらく、駅売りの個数はデパート売りの数百分の一もないだろうから、駅弁としては疑義を感じざるを得ない。淡路屋の駅弁に必ず書かれる、主な販売駅の記載も、この弁当にはない。
大阪のテレビ局である毎日放送で、毎週木曜日18時55分から放送の番組「水野真紀のMaki’s魔法のレストラン」の、2005(平成17)年1月27日の放送で創作されたらしい「駅弁」で、翌日から2月2日まで阪神百貨店の駅弁大会で一日1,000個が販売されたもの。
金色の星が側面に付く黒塗り二段重ね容器に、タルタルソースと手ふきと割り箸を載せて、駅弁マークと番組ロゴマークが載る取っ手の付いたボール紙で巻く。中身は下段が御飯で、あなごちらしにサケ、サバ、タイのばってらなど、上段はおかずで、エビフライ二尾につくねや煮物や玉子焼など。デザートのふたがくじだったようだが、当たらなかったので賞品は分からない。
価格の割に盛り沢山な内容で、調製元は新神戸や西明石の駅弁屋なので常温でおいしかったが、番組の公式サイトで「魔法のレストランオリジナル駅弁」とうたうのに、駅弁としての販売はなかった模様。駅で売らない弁当を駅弁と言う放送局や調製元の姿勢はどうかと思った。
入手状況から1994(平成6)年6月1日11時の調製と思われる、昔の神戸駅弁の掛紙の一部。神戸・大阪間鉄道開通120周年記念と銘打ち、神戸と大阪と京都で三都として、それぞれの都市を象徴する建造物などが描かれる。ずいぶんと横に長い掛紙である。