東京駅から新幹線で3時間弱。神戸市は兵庫県の南東部で大阪湾に面する、人口約150万人の港町。古代からの湊は1868年の開国開港で関西を代表する港湾都市となり、異国情緒や夜景で有名な観光地でもある。駅弁は第二次大戦後に神戸へ移転した駅弁屋の、肉や洋食や新幹線型など、様々な駅弁が賑やかである。1972(昭和47)年3月15日開業、兵庫県神戸市中央区加納町。
2024(令和6)年4月までに発売か。5月まで売られる春駅弁で、2022年発売の「神戸鉄板焼き弁当」の春バージョン。容器や中身のつくりはそれと同じで、スリーブの文字が春と桜の色になり、牛ステーキ弁当の具からコーンとパプリカを抜き、タケノコの素揚げとにんじんを加えた。春らしさは無いと思う、ガーリックのステーキ丼。
2023(令和5)年3月に発売か。5月のゴールデンウィーク明けまで売られる春駅弁で、2018年発売の「神戸名物すきやき弁当」の春バージョン。容器や中身のつくりはそれと同じで、スリーブは春と桜の色になり、牛すき焼きの具にタケノコ煮と菜の花醤油漬を加えた。引き続き、漬物などの付合せやタレなどの袋を添付しない、すきやきだけのお弁当。
2020(令和2)年の3月に発売の春駅弁。ふたには100年くらい前の汽車とツバメと桜並木を描いたのだろうか。中身は松花堂弁当のような4区画に、アサリや山菜などを載せた炊き込み御飯、焼き魚と揚げ出し豆腐とフキやタケノコ、タコにカボチャやサトイモなどの煮物とがんもどきと高野豆腐、牛すき焼き、煮豆と桜餅。1,380円もする高級な弁当には見えない、春らしさをそこそこ含んだ、普段使いの駅弁か。価格は2020年時点で1,200円、2023年時点で1,300円、2024年時点で1,380円。
2015(平成27)年の春に発売か。中身は錦糸卵と山菜などで覆う茶飯、焼サバと玉子焼と花れんこんと昆布巻、牛肉煮、揚げ出し豆腐、菜の花とカボチャとタケノコなどの煮物。しっかりした中身に少しだけ、桜花のふたの絵柄でたっぷりと、春を感じさせている、機能的なお弁当。その前年の秋からの「秋のあじわい」や、冬からの「冬のあじわい」と同じく、京阪神エリアの直営店と駅弁売店で、手広く売られる。価格は2015年時点で880円、2020年時点で900円、2022年時点で950円、2024年時点で980円。
春と秋の「かさね箱」に追加して、2022(令和4)年の夏に発売か。「京風和膳」の副題があるとおり、主に京都駅で輸送販売される駅弁、あるいは催事向けの商品かもしれない。小柄な長方形の容器をふたつ重ね、五重塔をシルエットにした黄緑色のスリーブに収める。中身は下段がちりめん山椒を載せたかやくご飯、上段がおかずで、タコと鶏肉と根菜などの炊き合わせ、キス天ぷらのマリネ、ミョウガ甘酢漬、とうもろこし、あなご、揚げかまぼこ、かぶら醤油漬、抹茶わらび餅など。華美でない姿に上質な食事を詰めた折箱のよう。価格は2022年は1,350円、2023年は1,380円。
2015(平成27)年の1月までに「冬の味わい幕の内弁当」の名前で、京阪神エリアで発売か。おそらく12月から2月までの販売。中身は鶏そぼろと錦糸卵で覆う茶飯、焼鮭と昆布巻と玉子焼、牛すきやき、ニンジンやだいこんなどの煮物、エリンギ葱塩和えと煮豆。ふたの絵柄は中身の食材でできていて、かわいらしい。駅弁売店では比較的廉価な商品として、売れているのかもしれない。価格は2015年時点で880円、2020年時点で900円、2023年時点で950円。
2019(令和元)年の9月に発売の秋駅弁か。ふたには紅葉の鉄橋を走る汽車を描いた。中身は松花堂弁当のような4区画に、山菜栗飯、牛すきやき、タコやサトイモやサツマイモなどの煮物、くるみと黒豆と和菓子と漬け物。1,300円もする高級な弁当には見えない、秋らしさをそこそこ含んだ、普段使いの駅弁か。2020年3月には春駅弁「春の旅路」も発売。
2020(令和2)年の9月頃に発売の「秋の穴子めし」に続き、2021(令和3)年の3月頃に発売。スリーブは赤の濃い春色あるいはサクラ色をしており、アナゴのイラストを使う商品名や内容や明石海峡大橋を描く。中身は「穴子ちらし」と「穴子めし」ということで、四角い容器の一方でタレ御飯をアナゴの蒲焼きとニンジンと奈良漬で覆い、他方で酢飯を煮アナゴと山菜と甘酢生姜で覆う。御飯と御飯の内容で、かき込んで食べる食事に向く。3月から5月までの販売か。9月から11月までの「秋」になると、穴子ちらしの具がくりやしめじなどの秋の味になるらしい。価格は2022年時点で1,150円、2023年時点で1,200円。
※2023年7月補訂:値上げを追記2021(令和3)年の春に発売か。2018(平成30)年の春にも売られたか。「京風和膳」の副題があるとおり、主に京都駅で輸送販売される駅弁、あるいは催事向けの商品かもしれない。小柄な長方形の容器をふたつ重ね、五重塔をシルエットにしたサクラ色のスリーブに収める。中身は下段が油揚げ御飯にタケノコと山菜、上段がおかずで、エビやカボチャや牛肉などの煮物、焼サワラ、かまぼこ、ごま豆腐、菜の花、桜餅など。華美でない姿に上質な食事を詰めた折箱のよう。価格は2022年時点で1,300円、2023年時点で1,380円。
※2023年7月補訂:値上げを追記2014(平成26)年9月に「秋の味わい幕の内弁当」の名前で、京阪神エリアで発売か。おそらく9月から11月までの販売。中身は炊込飯にサツマイモ、煮物、肉団子、焼鮭と蒲鉾と玉子焼、サンマ山椒煮など。秋の色と味がコンパクトに詰まっていた。中身の見栄えもふたの絵柄も、秋らしい彩り。淡路屋には駅弁マークを付ける駅弁と、このそうでない弁当があり、しかし駅では両者を一緒に販売。何か区別があるのだろうか。価格は2014年時点で880円、2020年時点で900円、2022年秋には950円。
※2023年7月補訂:値上げを追記し発売年を2018年から変更2022(令和4)年3月に発売か。丸い容器を収める四角いスリーブには、神戸市街に六甲山やポートタワーのような神戸の風景らしきものが、桜花とサクラ色に描かれる。7区画に仕切られた中身は、炊き込み御飯をくぎ煮とワラビで覆い、茶飯を錦糸卵と煮穴子で覆い、桜餅、鶏つくねと焼鮭と昆布巻、タケノコとエビといんげん、タコ煮と菜の花、きす甘酢漬。神戸の駅弁で定評のあるおかずが、少しずつ入る感じ。「旅のお供の幕の内」の副題があり、幕の内弁当という感じは受けなくも、機能としては幕の内駅弁と同じように使えそう。この春のみの販売か。
※2023年4月補訂:終売を追記