札幌駅から特急列車で約1時間半。旭川市は北海道の中央部に位置する、人口約33万人の軍都。稲作や蕎麦などの農業、家具その他の工業、買物公園に代表される商業、旭山動物園などの観光もさかん。駅弁は国鉄時代からの駅弁屋である旭川駅立売が店舗を持つほか、改札口付近の売店でも販売。東京など遠隔地での輸送や実演での販売もよく見る。1898(明治31)年7月16日開業、北海道旭川市宮下通8丁目。
昭和60年代頃に発売か。盆地の町に海の幸。丸い漆器風のプラ容器に酢飯を詰め、ホタテ、とびっこ、錦糸卵、ボイルえび、サーモン、菜の花、カニフレーク、甘酢生姜で覆い、イクラを据える。いろんなものが載るから「ミックス」。いろいろ食べられて、楽しい駅弁。価格は2010年時点で1,000円、2014年4月の消費税率改定で1,030円、2015年時点で1,050円、2021年時点で1,180円。2013年頃までは「ミックス」に加えて、ウニやカニやイクラの「蝦夷わっぱ」もあったが、今はこの「ミックス」だけが現存。
旭川駅を出ると真正面に伸びる歩行者専用道路が「平和通買物公園」。1972(昭和47)年6月に国内初の恒久歩行者天国として整備された旭川のメインストリートで、全国共通の中心市街地空洞化に悩みながらも、買い物客や観光客に利便と安心を景観を与え続けてくれている。
※2023年8月補訂:写真を更新2014(平成26)年1月13日に購入した、旭川駅弁のスリーブ。上記の2023年のものと、おおむね変わらないように見える。中身の変化が写真に反映されている。
2005(平成17)年11月12日に購入した、旭川駅弁のスリーブ。上の8年半後のものと変わらない。調製元の情報の印刷内容が、ちょっとだけ違う。中身も中身の見本写真も変わらない。
2001(平成13)年11月9日に購入した、旭川駅弁のスリーブ。後のものと形状が異なるが、容器の形や中身は変わらない。
2019(平成31)年1月の京王百貨店の駅弁大会や阪神百貨店の駅弁大会で実演販売。調製元の創業120周年記念の駅弁だそうな。スリーブの上面には旭川駅の昔の写真がデザインされ、側面に調製元の歴史を記す。丸い金色のプラ容器に酢飯を敷き、えび、かに、サーモン、ホタテ、ウニ、カズノコ、玉子焼、お新香、ガリで覆う。下記の駅弁「蝦夷わっぱミックス」の上等版のようだが、印象は同じ。1年間ほどの販売か。
※2021年3月補訂:終売を追記2012(平成24)年秋の新発売またはリニューアルか。円形の容器に酢飯を詰めて、ズワイガニのほぐし身とウニのそぼろを敷き、イクラ醤油漬のカップを載せたもの。北海道や旭川の駅弁、あるいは北海道催事の弁当として、何の特徴もないと思うが、駅弁らしい、旭川らしい味ではある。価格は2013年の購入時で1,000円、2014年時点で1,080円。2016年までの販売か。
※2019年8月補訂:終売を追記秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2011(平成23)年秋の新商品。催事場でデビューし、後に駅売りも始めた模様。薄い長方形の容器に透明な上げぶたをして、使用する食材の見本写真を並べたボール紙の枠にはめる。中身は薄く敷いた酢飯の上をサイコロ状のサケ醤油漬、味付つぶ貝、ホタテの酢の物、アナゴ、酢締めサンマ、玉子焼、アマエビ、シイタケ、カンピョウと枝豆でぐちゃぐちゃに覆い、トビッコとイクラ醤油漬を振り掛けたもの。米子駅弁「海の宝箱」や小樽駅弁「海の輝き」に似た印象がもてる、見た目にキレイでとても賑やかなお弁当。食べても風味が賑やか。2015年までの販売か。
※2017年4月補訂:終売を追記秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2007(平成19)年秋の新商品か。豪華な雰囲気の絵柄を印刷した赤い容器を、商品名を描いたボール紙の枠にはめる。中身は酢飯の上に錦糸卵を敷き、ズワイガニの酢漬けのフレーク、イクラの醤油漬、カズノコの白醤油漬け、サーモンの酢漬け、味付つぶ貝、茎わかめで覆い、生姜酢漬と醤油を添えるもの。高くて小さい駅弁であり、今回はスーパーの駅弁大会での販売ということでなんでも酢漬けにしているのかもしれないが、玉手箱の豪華さを持っていると思う。2015年頃までの販売か。
※2017年4月補訂:終売を追記2002(平成14)年に発売。なぜか岐阜県美濃焼の美しい容器を使用し、中身は酢飯の上にウニ、カニ、イクラ、帆立、ワカメ、鮭などが載る、他の旭川駅弁とよく似た内容。味も同じようにうまい。
福井の業者が「日本窯元めぐり」として2001(平成13)年に加賀温泉・名古屋・豊橋・草津・岡山・和田山の各駅の駅弁業者に声を掛け、同じ大きさの容器と同じ値段で6種の駅弁をプロデュース、駅弁大会に売り込んだのだろう。2002年にたしか3種の新種が出た。現地で入手できるかは不明。現存しない模様。
※2017年4月補訂:終売を追記時刻表掲載分では旭川駅弁一の豪華駅弁なのだが、中身はとてもシンプル。長方形のボール紙製パッケージの中に真ん丸い容器がふたつ入り、片方が味付け御飯にイクラ・鮭ほぐし・錦糸卵を載せたイクラ丼で、もう片方がウニシートとウニを敷き詰めたウニ丼。北海道に来たらイクラとウニを食べたいという旅行者の欲求にストレートに応えてくれる駅弁。ふたりで分けるのにも好都合。
価格は2002年の購入時で1,100円、2017年時点で1,250円。現在の旭川駅では、海鮮の見栄えが美しい、もっと高価な駅弁や実演販売弁当がいくつもあるが、これもまだ細々と売られている。2017年頃までの販売か。
※2019年8月補訂:終売を追記1995(平成7)年8月12日の調製と思われる、昔の旭川駅弁のスリーブ。当時は2002年購入のものと同じふたつの容器を並べ、上下に長方形の板を当て、このスリーブに差し込んでいたようで、これに関する注意書きも見える。