札幌駅から特急列車で約1時間半。旭川市は北海道の中央部に位置する、人口約33万人の軍都。稲作や蕎麦などの農業、家具その他の工業、買物公園に代表される商業、旭山動物園などの観光もさかん。駅弁は国鉄時代からの駅弁屋である旭川駅立売が店舗を持つほか、改札口付近の売店でも販売。東京など遠隔地での輸送や実演での販売もよく見る。1898(明治31)年7月16日開業、北海道旭川市宮下通8丁目。
2023(令和5)年9月に旭川駅などで発売か。この調製元が作る、旭川市の人気焼鳥店ぎんねこが監修した焼鳥弁当が、2021年6月22日から旭川市内のスーパーで販売されたというので、それが駅弁にも来たものか。監修者のロゴマークを使うスリーブに収めた、浅い長方形の容器にタレ御飯を敷き、タレをまとう串なしの鶏肉と豚肉を3個ずつ並べ、ネギ焼、ピーマン焼、タマネギ焼も同じように並べ、紅生姜を添える。色濃い見た目に重そうで辛そうで、しかし分量と脂か油は控えめで、そんなにきついものでない感じ。加熱も要らずにいただける。
秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2021(令和3)年秋の新商品か。長方形のプラ容器に醤油飯を詰め、塩味の焼ホタテ3個と、牛肉煮とタマネギ煮で覆い、玉子焼と菜の花を添える。「帆立ステーキ」と「牛すき」とは言い過ぎだと思うも、ホタテと牛肉を組み合わせた駅弁はあまりないだろうし、不自然でないし、具の種類の少なさはシンプルでよいともいえる。
2016(平成28)年10月1日に発売。現地で売るよりむしろ、「北海道催事」つまりデパートなどでの北海道展や、駅弁大会で売るための商品である模様。豚型に窓を開けたパッケージにはめた、ふたが透明な長方形の容器の中に、茶飯を敷き、豚ロースと豚バラ肉と豚ひき肉で覆い、きんぴら、菜の花、紅生姜を添える。脂が白く浮く豚肉は、食べると意外にあっさりしていて、噛むと旭川製の醤油「キッコーニホン」の醤油味がにじみ出る。パッケージには何の解説もないが、イラストの景色が旭岳で、橋が旭橋で、これにはぐっと来る。2020年に終売か。
※2022年4月補訂:終売を追記秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2014(平成26)年秋の新商品か。長方形の容器に麦飯を詰め、タレを和えた豚焼肉を並べ、小松菜ナムル、人参ナムル、山わさび醤油漬、温泉卵を添える。属地不明で単純な内容も、味はまあまあ。このような駅弁までを出してきたということは、この調製元の「ふらのとんとろ丼」と富良野駅での駅弁の販売は、なくなったということだろう。2016年までの販売か。
秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2013(平成25)年秋の新商品か。四角い容器に白御飯を詰め、きんぴらごぼうを介して豚のほほ肉の炭火焼きで覆い、紅生姜を添える。肉は固いと感じたが、まあこんな感じかなと思う焼豚丼。この商品と入れ替わりに「ふらのとんとろ丼」と富良野駅弁がなくなったのではないかと思う。今回購入の頃に終売か。
※2016年11月補訂:終売を追記上記の駅弁「炭火焼き豚とろめし」の、2014(平成26)年時点での姿。容器を掛紙で包むのでなくボール紙枠にはめ、価格が100円安かった。中身と味と、パッケージの絵柄は同じ。
秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2009(平成21)年秋の新商品か。旭川で1988(昭和63)年3月に開業し、現在は国内外に約50店舗のチェーン展開を行うラーメン屋「らーめん山頭火」のラーメンを、御飯を使う常温の弁当にしたものである。現地では一日5個ないし10個の限定販売だそうな。
プラスティック製で強度のある円形の容器を、駅弁の名前を大きく書いたボール紙の枠にはめる。中身はラーメンのスープで炊いた御飯の上に、チャーシュー、煮玉子、ネギ、みつば、ナルトと日の丸おにぎりを詰めるもの。同じコンセプトの駅弁は米沢駅や喜多方駅でも見ているが、御飯と合わせて常温で食べる味としては、ちょっと微妙な感じ。2013年頃まで販売された模様。
※2015年7月補訂:終売を追記家具のような赤い木目柄の容器を、同じ色彩のボール紙で巻く中身は白御飯の上を北海道産の味付牛肉やタマネギ炒めで覆い、ニンジンとグリーンピースで彩るもの。旭川らしさや北海道らしさは皆無だが、現地で売られていれば駅弁の種類の幅を広げる存在。と思いきや、公式サイト上でも「顧客・法人様向け出荷」や「ご利用日の3日前までにご注文」などと書いてある、事実上の催事専用商品という疑義駅弁。テレビ番組での紹介例があるらしい。2012年までには終売の模様。
※2015年7月補訂:終売を追記秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2009(平成21)年秋の新商品か。円形の加熱機能付き容器を、商品名やビーフシチューのイメージイラストを描いたボール紙の箱に詰める。中身はデミグラスソースに牛肉が漬かるビーフシチューの上にフィルムを敷き、カボチャの素揚げ、ポテトフライ、ニンジン、フランスパン1個を載せるもの。
冷めてはいけない、御飯が入ってない、パンが固いということで万人受けする商品ではないし、富良野を名乗って富良野駅では買えず旭川駅か駅弁催事でしか買えない商品であるようだが、よくぞこの内容で商品化を敢行したなと感心してしまう、オンリーワンの駅弁。現地では3〜4日前の要予約と調製元公式サイトなどで案内されるが、駅での収穫報告がある。発売はこのシーズンの半年間だけだった模様。
※2015年7月補訂:終売を追記2006(平成18)年1月の阪神百貨店の駅弁大会で登場か。円形の惣菜用プラ製容器を、炭火焼感を描いたボール紙のパッケージにはめる。中身はつまりラム肉丼、御飯の上にヒツジ焼き肉とカボチャ、ニンジン、ジャガイモ、小松菜が載る。
肉の柔らかさも味付けも、普通に肉丼として美味いし、最近はヘルシーさで羊肉が北海道外でも徐々に広まっているのだが、百貨店の催事に出向く客層には以前の臭く硬いイメージが消えないのか、来客で大にぎわいの催事場で実演販売ブースには閑古鳥が鳴いていた。なお、旭川に似たような羊肉駅弁はあるそうだが、この商品そのものは催事用らしい。阪神百貨店の駅弁大会以外で売られたかは不明。
※2015年7月補訂:終売を追記