東京駅から新幹線で4時間強。函館本線の小さな中間駅であった渡島大野(おしまおおの)駅に新幹線の駅を併設するにあたり、現駅名に改称。駅の位置は函館の郊外であるが、函館市内ではなく北斗市内にあるため、同市が駅名に北斗の名を入れることを強硬に要求、政治的にこのような長い駅名にされてしまった。駅弁は新幹線改札内と駅舎内の各地の売店で売られる。1902(明治35)年12月10日開業、北海道北斗市市渡1丁目。
秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2021(令和3)年秋の新商品。スリーブの表記「41°GARDEN」を見て、新函館北斗駅の駅弁としたが、新函館北斗駅で買えたかは分からない。2024年の春までに、東海道新幹線の東京、品川、新横浜の各駅の駅弁売り場で売り始めた。基本的にはスーパーやデパートの駅弁催事や東京で輸送販売される商品とみられる。
中身の写真を美しく載せたスリーブにはめた、やや上げ底で正方形のプラ容器に、酢飯を詰め、鮭フレーク、かにフレーク、蒸しうに、わさび菜、イクラ、ガリで覆い、ホタテ煮、サーモンハラス焼き、カニ脚肉を並べる。内容では典型的な北海道を名乗る海鮮弁当を、常温でも持ち運べる駅弁の体にした感じで、そんな需要があれば向きそう。スリーブの宣伝文からもたぶん、函館駅前の市場とは関係ない。
新函館北斗駅で駅弁が買えるキヨスクで、駅弁と一緒に売られていた棒寿司。大葉や白ごまを混ぜた酢飯に、薄身の真ほっけと生姜を貼り、春採り昆布で巻いた小柄な棒寿司を1本、透明なフィルムで密封し、竹の葉に包み、商品名や紹介文を記した黄色い掛紙を巻く。ホッケは焼き魚では全国の惣菜や居酒屋のメニューでおなじみでも、寿司などそうでない惣菜や弁当は珍しいと思うし、駅弁や駅売りの弁当ではとても珍しく、ホッケの棒寿司は見聞きしたことがない。食べればサバなどメジャーなものに比べて、飯が多く身が少なく味の薄いものに思えても、この内容が駅で買えること自体を旅で味わう。函館駅の駅弁でもごくまれに、幕の内弁当タイプのものにホッケの焼き魚が入ることがある。
新函館北斗駅で駅弁が買えるキヨスクで、駅弁と一緒に売られていた棒寿司。上記の商品「根ぼっけバッテラ棒鮨」の、掛紙に「根ぼっけ焼きばってら」とあるシールを貼り、中身のうち真ほっけが焼いたものになっている。値段を含め、それ以外は変わらない。味もあまり変わらないが、身の固さで食感は異なる。
食品表示での商品名は「トリュフたまごサンド」。2023(令和5)年1月までに、東京駅や駅弁催事などで発売か。トリュフのオイルとエキスと粉末を混ぜた卵サラダを、グラハム粉を使う茶色い耳なし食パンで挟んだサンドイッチを3切れ、半透明のプラ製トレーに収めて透明な袋で密封し、商品名と具材などを描いた黒い紙箱に収める。食べればただのたまごサンドに思えてしまい、どうすればトリュフの味や香りを感じ取れるか。紙箱に「41°GARDEN」「HOKKAIDO」とあるため、ここでは新函館北斗駅の駅弁とみなすが、製造者は埼玉県さいたま市の食品工場であった。
秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2022(令和4)年秋の新商品。長方形の容器に白飯を詰め、黒毛和牛焼肉にんにくバター醤油味とローストビーフを交互に敷き詰め、いくら醤油漬と味付け蒸しウニも交互に置いて、玉子焼とわさび菜を添える。函館とも八戸とも関係がなくても、これはうまそうな魅惑の肉めし。もし駅で買えれば、値は張るけれど、東北・北海道新幹線での移動が豪華になる。調製元は青森県の八戸駅の駅弁屋であり、スリーブにもそう書いてあるものの、同社が新函館北斗駅に出した店「BENTO CAFE 41°GARDEN」表記があるため、新函館北斗駅弁とみなして、ここに収蔵。
2023(令和5)年の1月までに、催事での輸送販売で発売か。長方形の容器に酢飯を敷き詰め、和牛焼肉にんにくバター醤油味とローストビーフで半分ずつ覆い、いくら醤油漬2列と味付蒸しウニ1列で彩り、玉子焼、わさび菜、ガリを添える。お肉たっぷり、ウニとイクラとタレで味と風味もたっぷり。御飯の酸味がマイナスにならない、見た目も味も肉寿司の創作。値が張るだけ、お肉そのものもおいしかった。
秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2019(令和元)年秋の新商品。長方形の容器に茶飯を敷き、牛焼肉にんにくバター醤油味とローストビーフで半分ずつ覆い、ポテトサラダと玉子焼と野沢菜を添える。「北の空」を除くと、名前どおりのローストビーフと焼肉弁当。函館でなく十勝の帯広あたりにあれば、牛肉とじゃがいもで北海道だと思えたか、勘違いできたかもしれない。主に現地でなく催事で売られる商品か。
秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2020(令和2)年秋の新商品か。茶飯を海苔で覆い、カキ煮を8個並べ、玉子焼とニンジンとみぶな漬を添える。カキはスリーブの写真と文字にあるとおり、左側の1列4個を吉田屋の三陸炙りしょうゆ味、右側の1列4個を41°GARDENの北海道塩バター味として、対決弁当とする。八戸駅と新函館北斗駅で駅弁を売る調製元の自社対決でもある。食べて確かに、醤油味とバター味を区別でき、海苔も加えて香りの強い弁当。
2016(平成28)年1月の京王百貨店の駅弁大会でデビュー、同年3月の北海道新幹線と新函館北斗駅開業に合わせて現地で発売。その名のとおり、北海道新幹線のH5系電車の駅弁。中身は同じ調製元の八戸駅弁「E5系はやぶさ弁当」とほぼ同じで、ケチャップライスとアメリカンドック、ミニオムレツ、ハンバーグ、エビフライ、フライドポテト、ウインナーを詰め、ミルク飴を添えるもの。冷凍食品で中身を固めたなという印象も同じ。元ネタのH5系新幹線電車そのものも、E5系の色違いのようなものなので、これでよい。下の他社製品とは、見た目で同じでも、中身に加えて容器もそれぞれ独自である。価格は2016年の発売時や購入時で1,250円、2020年時点で1,300円。
購入時に現物へ記されなかった調製元は、八戸駅の駅弁屋である吉田屋。これは疑義でもなんでもなく、実際に新函館北斗駅の開業に合わせて改札外に店舗を構えた。駅所在地の北斗市の要請と、創業者が現在の北斗市内の出身であることで、駅弁屋が海峡を越えた。函館駅弁の「函館みかど」の北海道キヨスクも改札内、ホーム上、改札外の3箇所に店舗を構えたため、駅弁屋2社が競争する駅となっている。
※2020年6月補訂:値上げを追記秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2020(令和2)年秋の新商品か。茶飯を海苔で覆い、ホタテ煮1個と貝柱を載せ、すき間をいくらととびっこで埋め、3種の漬物を添付する。ホタテが味を支配する。かつて岩手県に、御飯の上に銀河を描いた駅弁がいくつかあったが、ホタテやイクラなどが銀河に見え、それに似ているように見えた。2021−2022年シーズンで終売か。
※2023年4月補訂:終売を追記秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2019(令和元)年秋の新商品か。内容や宣伝文は、スリーブに写真付きでしっかり書かれており、「ローストビーフの上に、うに、いくらをちりばめた宝石のようなちらし寿司です。」ということで、酢飯の上にローストビーフ、蒸しウニ、スクランブルエッグ、いくら醤油漬、わさび菜をちりばめて、タケノコと野沢菜のおひたしと柴漬けを添える。きらびやかな、例えば小樽駅弁「海の輝き」のような見栄えのちらし寿司を、ローストビーフで作った不思議な味。2シーズンを売り、2021年の春頃に終売か。
※2022年4月補訂:終売を追記秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2018(平成30)年秋の新商品か。調製元の八戸駅弁にも使われる、漆塗り木箱を模して分厚く組み立てた厚紙製折箱に、茶飯を詰め、蒸しウニとイクラと玉子焼と野沢菜とガリで覆う。今回は駅弁売店での実演販売のものを買ったようで、調製元が日本レストランエンタプライズになっていた。3シーズンを売り、2021年の春頃に終売か。
※2022年4月補訂:終売を追記秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2017(平成29)年秋の新作。スーパーやデパートでの駅弁大会シーズンに向けて、秋は見栄えの良い駅弁の新作がよく出てくる。他の新函館北斗駅弁と同じく、スリーブの上面に駅弁の名前と中身の写真を半分ずつ載せる。中身は酢飯の上に玉子焼、サーモンのような鮭のこぶ〆、ガリ、カニほぐし身、イクラを並べるもの。見本の写真に違わない見栄えと、安定した味。現地で売られたかは不詳。翌年のシーズンを待たずに終売か。
※2019年8月補訂:終売を追記2017(平成29)年秋の新作。スーパーやデパートでの駅弁大会シーズンに向けて、秋は見栄えの良い駅弁の新作がよく出てくる。他の新函館北斗駅弁と同じく、スリーブの上面に駅弁の名前と中身の写真を半分ずつ載せる。中身は駅弁の名前のとおり、茶飯をローストビーフと牛肉煮、玉子焼、野沢菜、ガリ、イクラ、カニほぐし身、ホタテ照焼、蒸しウニ、サーモンで覆うもの。見本の写真に違わない見栄えと、安定した味。このシーズン限り半年間ほどの販売か。
※2020年6月補訂:終売を追記2016(平成28)年の夏までに発売か。「ザンギ」とは、唐揚げの北海道内での呼び名。駅弁の名前のとおり、長方形の容器にトマトごはんを敷き詰め、ザンギなる鶏唐揚でほぼ覆い、タルタルソースをかけてパセリで彩り、ポテトサラダ、玉子焼、柴漬けを添える。中身は少し異なるが東京駅の名物駅弁「チキン弁当」を思わせる、水っぽい飯とざらついた鶏唐揚が、見た目も発売時期も新しい駅弁なのに昔懐かしい感じ。発売翌年の京王百貨店の駅弁大会での輸送販売では大人気で、開店時でもなかなか買えなかった模様。2018年8月頃に終売。
※2018年10月補訂:終売を追記2017(平成29)年1月の京王百貨店の駅弁大会でデビューか。駅弁大会の目玉である対決駅弁の一番手「平成29年「にくの日」牛肉駅弁頂上対決」で、米沢駅や松江駅や高山駅や武雄温泉駅の駅弁と、実演販売で対決した。調製元は青森県の八戸駅の駅弁屋であるが、容器に「BENTO CAFE 41°GARDEN」の記載があるため、この調製元が新函館北斗駅に出した売店で売られる駅弁だろう。
長方形の容器に白御飯を詰め、中央を赤黒いローストビーフで、周囲を甘い牛肉煮で覆い尽くし、玉子焼とポテトサラダとステーキソースを添える。千円代後半の実演販売に囲まれた、催事場での感覚のマヒを差し引いても、この駅弁なら値段相応のお肉と質と味がありそうな感じ。2シーズン分、1年ちょっとの販売か。
※2020年6月補訂:終売を追記2016(平成28)年3月26日の北海道新幹線と新函館北斗駅の開業と同時にオープンした、同駅舎内の駅弁売店「BENTO CAFE 41°GARDEN」の目玉商品として登場。その前の同年1月の京王百貨店の駅弁大会でも、「新幹線開業記念沿線駅弁対決」として売られた目玉商品4点の一角を占めて実演販売。また、2016年4月に開催された日本食糧新聞社の食品見本市「FABEX」での「惣菜・べんとうグランプリ」で、「駅弁・空弁部門」の最高賞である金賞3点のうち1点を占めた。
四角い容器に茶飯を敷き、パッケージの見本写真のとおり、蒸しウニとイクラ醤油漬けと、大きな蒸しホタテ1個で覆い、大葉で彩る。今回はその駅弁大会で購入。今までの函館の駅弁にない高価で、特大サイズで肉厚のホタテと、あふれんばかりのウニの使用が特徴だというが、イクラはともかくホタテ、ウニ、大葉は乾燥してボロボロになっており、催事場での大量製造品でない現地のものを味わう必要があると思った。この現物では分からないが、調製元と上記の駅弁売店の運営者は、八戸駅弁の吉田屋。2018年までの販売か。
※2019年8月補訂:終売を追記