東京駅から新幹線こまち号で約4時間。秋田市は秋田県の中央で日本海に面した、人口約30万人の城下町で県庁所在地。北前船以来の港町でもあり、油田を抱えた工業都市でもあり、以前は商業でも賑わった。駅弁は明治時代の末期までに関根屋が売り始め、以後は大正時代から21世紀までいくつもの業者が進出、今は関根屋と大館駅の駅弁が駅のコンビニで売られる。1902(明治35)年10月21日開業、秋田県秋田市中通7丁目。
2023(令和5)年6月12日に東京、大宮、仙台、盛岡、京都、新大阪の各駅で発売、17日から秋田駅でも発売。漫画アクションの連載漫画でテレビ朝日のテレビアニメ「クレヨンしんちゃん」のキャラクター駅弁が、なぜか秋田駅の駅弁屋から出てきた。主役の野原しんのすけの父である野原ひろしが秋田県の出身だという設定から来たそうな。
作品のキャラクターをいくつも描く黄緑色の紙箱に、白いプラ製トレーを重ねる。中身は下段が白御飯、上段がおかずで、エビフライ、ハンバーグ、とんぶりとピーマン入りカレー風味かまぼこ、ソース焼きそば、チキンナゲット、ウインナー、クッキー、さけふりかけ。白御飯は作中の飼い犬「シロ」にちなみ、その姿を描くフィルムを載せ、野原しんのすけが嫌いなピーマンを入れたことまでは、作品にちなむ。
クレヨンしんちゃんは、1990年から月2回刊の青年漫画雑誌「漫画アクション」で連載され、1992年に毎週月曜放送のテレビアニメ化。幼稚園児の5歳男児が両親や学校の先生などの大人を、性的な描写を含み下品に巻き込むギャグ漫画は、日本PTA全国協議会が「子供に見せたくないTV番組」第1位の調査結果を示して叩くなど、他のバラエティ番組で聞いたことがあるような騒ぎをもってお茶の間に普及した。
10年くらい経つと描写がおとなしくなり、「ドラえもん」「サザエさん」「ちびまる子ちゃん」などに並ぶか上回る国民的アニメとして定着。2003年に埼玉県春日部市がイメージキャラクターとして採用するなど、90年代の騒動がウソのように健全な作品やキャラクターとして、見られたり使われるようになったと思う。著者は2009年に不慮の事故で亡くなったが、その後も新刊が発行され、新作のアニメや映画が公開されている。
2022(令和4)年10月29日に、秋田、大曲、角館、田沢湖、東京の各駅で発売。駅弁の名前の前後には「特上」「2段」「弁当」が付くことがある。前年に発売の下記の駅弁「サキホコレ」と併売し、こちらはその上等版の位置付けか。「秋田米」「うまさ満開」「サキホコレ」と書いた同じような白い掛紙を使い、こちらには「特上弁当」の赤い表記を加える。
容器は二段重ね。一方に秋田米サキホコレの日の丸御飯に秋田牛の牛肉煮と秋田比内地鶏そぼろも載せ、他方はおかずでとんぶり入り揚げ蒲鉾串、わかさぎ唐揚げ、鶏のお狩場焼き、鮭塩麹焼アスパラ添え、有頭海老など煮物盛り合わせ、厚焼き卵、いぶりがっこ。千円台後半の値付けで攻める、上等幕の内駅弁。
2021(令和3)年11月13日から半月間の予定で発売、同月22日で終売、同年12月30日から1月下旬まで再販売。この年の11月6日に秋田や東京で発売された秋田県産米の新品種かつ最上位品種「サキホコレ」を、その公式な表記ごと駅弁の名前と掛紙に使い、中身に取り入れた。秋田米サキホコレの日の丸御飯に、牛すき焼き、玉子焼、比内地鶏ミニメンチ、とんぶり入りかまぼこ、こごみ胡麻和え、いぶり大根漬とにんじん漬などを添える。確かに白飯の薫り高い、幕の内タイプのお弁当。
秋田にはすでに、1984(昭和59)年9月生まれの「あきたこまち」という銘柄米があり、今も優れた知名度と価格と生産量を維持し、駅弁の名前にもなる。その中で秋田県農業試験場は、米消費量の減少や他県産ブランド米の台頭を背景に、地球温暖化の影響による猛暑でも品質が低下しない高温登熱耐性を付与した、コシヒカリを超える極良食味品種の育成を目標に、2012(平成24)年から10年かけて新品種を開発した。2021年は先行販売という位置付けで、約1か月でほぼ完売、翌2022年から本格販売となる。
2011(平成23)年10月に秋田駅などで950円で発売し、同年の秋冬のスーパーやデパートの駅弁大会へ出荷、おそらく10月から3月まで3シーズン販売し、2014(平成26)年の春頃に終売。漫画家の死去により、追悼の意を込めて2020(令和2)年12月に秋田駅で1,080円にて販売。2021(令和3)年10月に1,100円でみたび発売し、JR東日本の駅弁キャンペーン「駅弁味の陣2021」にエントリー。3度の発売でスリーブの絵柄や容器や中身は変わらないが、不思議とそれぞれ新発売の扱いで紹介された。他に2009(平成21)年の4〜5月、掛紙を使う幕の内タイプの駅弁「釣りキチ三平弁当」が、秋田駅などで1,050円にて販売されたことがある。
駅弁の名前とスリーブの絵柄は、1973(昭和48)年〜1983(昭和58)年に講談社「週刊少年マガジン」に連載された、現在の秋田県横手市の出身である矢口高雄による漫画作品「釣りキチ三平」にちなむ。丸い容器の中身は「きのこ編 和牛入り」ということで、味付飯の上をマイタケ煮、ぶなしめじ炒め、和牛焼肉で覆い、シイタケ、くり、いぶり人参漬を載せるもの。醤油味の煮汁でいただくキノコ丼。味はほとんどマイタケで、そんな雰囲気の駅弁は群馬県の高崎駅とここ秋田駅にしかないと思う。魚釣りの作品にちなむのに、中身に魚介類の要素がまったくない。価格は2022年3月から1,200円。
釣りキチ三平は、「天才釣りキチ少年、三平三平(みひらさんぺい)」(単行本第1巻内容紹介より)が日本中や世界中で魚釣りに挑んだり楽しむ漫画作品。釣り好きの経験と漫画好きの画力で新たなジャンルを築き、矢口高雄の代表作となり、テレビアニメや映画にもなり、この作品の人気により釣りブームが起きたとされ、アメリカやイタリアや中国などにも輸出された。内容も発行も昭和時代の作品で、平成版の連載も2010(平成22)年で終わり、作者も2020(令和2)年に亡くなったが、作品は今も親しまれ、このように駅弁の新作が出たりする。
※2022年4月補訂:値上げを追記1988(昭和63)年8月1日に「あきたこまち弁当」とともに秋田駅で発売。2017(平成29)年秋のJR東日本の駅弁キャンペーン「駅弁味の陣2017」では新作とされた。円形の容器に、あきたこまちの茶飯を詰め、半分をマイタケ煮で、残りを千枚漬、いぶりがっこ、玉子焼、ヒメタケ、クリ甘露煮、大福餅で覆う。このマイタケ飯は、駅弁にしては水気が豊かで、香りや歯応えは控えめ。価格は2004年時点で820円、2011年時点で840円、2014年時点で900円、2020年時点で950円、2022年3月から1,000円、2023年時点で1,080円。
※2023年8月補訂:値上げを追記上記の駅弁「わっぱ舞茸」の、2004(平成16)年時点での姿。当時は杉の曲げわっぱをイメージした、側面が木製の容器を使い、具の種類が少ないかわりに、マイタケがたっぷり入っていた。香りも歯応えも良かったと思う。
※2017年10月補訂:新版の収蔵で解説文を手直し日本で唯一の、うどんの駅弁。1986(昭和61)年から1995(平成7)年頃まで販売されたとされ、その後も時々売られることがあり、最近は2014(平成26)年秋のJR東日本の駅弁キャンペーン「駅弁味の陣」に新作として出てきた。長方形の容器の中はプラスティックのトレーで細かく仕切られ、稲庭うどんの割子が6つ入り、真ん中手前につゆが付く。その左右には海老などのフライと舞茸御飯を配置する。夏期限定の駅弁のはずが、真冬に入手。価格は2002年の購入時で800円、2014年の出現時点で1,000円。その後には販売されていないか。
※2017年8月補訂:値上げと現況を追記2022(令和4)年10月22日に、秋田、大曲、角館、田沢湖の各駅のコンビニで発売。発売前の同月1日からのJR東日本の駅弁キャンペーン「駅弁味の陣2022」にエントリー。秋田駅開業120周年を記念し、秋田駅からつながる各路線の沿線をイメージした幕の内弁当を、11月下旬までの期間限定で発売した。掛紙には昔と今の秋田駅の写真や、120年前の駅開業当時の新聞記事や時刻表がみえる。
お品書きに記された中身は、あきたこまちの舞茸ご飯、鶏肉のお狩場味噌焼、秋田比内地鶏照焼風つくね人参添え、ぶなしめじ炒め、とんぶり入蒲鉾、いぶり大根の天ぷら、わかさぎ唐揚げ、りんごのコンポート。そのコンセプトにより、濃淡はあるも秋田を感じられる内容を持った、期間限定の記念駅弁。普段はこれらの駅で幕の内弁当を買えないと思うので、政府の全国旅行支援の実施や、新幹線・特急乗り放題きっぷ「JR東日本パス」の発売で激増した旅行者に、便利に使われたのではないかと思う。
2006(平成18)年3月に発売か。長方形の加熱機能付き容器を、秋田の郷土料理であるきりたんぽ鍋を描いたボール紙枠にはめる。中身はきりたんぽ、舞茸、ごぼう、糸こんにゃく、鶏肉、椎茸、セリなど。いぶり大根とちょろぎ酢漬が付け合わせ。添付の秋田比内地鶏ガラスープをかけてから加熱する。きりたんぽ鍋の風味が存分に出ている印象。
登場してみればいままでなかったのが不思議な、加熱式きりたんぽ駅弁。ネット上の評判はあまり芳しくないが、加熱後の味や香りもさることながら、具も内容もまさに秋田らしく、類例を見ない。個人的には重視する個性、多様性、地域性のすべてを備える名駅弁だと思っている。この商品が置かれているだけで、秋田らしさが演出される。価格は2007年の購入時で1,200円。2012〜2013年の駅弁大会シーズンで販売を終了した模様。2019年秋のJR東日本の駅弁キャンペーン「駅弁味の陣2019」の実施に合わせて、加熱機能付き容器を長方形にして1,350円で再発売、2021年に終売か。
※2022年4月補訂:終売を追記2020(令和2)年3月20日の発売。秋田の特産品をメインとした駅弁シリーズ「秋田のんめもの弁当」の第4弾で、今回は販売期間を同年6月30日までと区切った。食材のアイコンをちりばめる掛紙の絵柄は、前回とほぼ同じ素材を使いながら描き直されている。今回の中身は、白飯を錦糸卵で覆い、「御狩場焼」なる鶏肉とお麩の味噌焼でまた覆い、煮物や漬物を添える鶏飯駅弁だった。
2019(令和元)年10月1日の発売。今回は1月下旬までの販売と期限を切った。JR東日本秋田支社のプレスリリースによると第3弾だそうで、前年9月の「秋田・男鹿エリア編」、4月の「五能線エリア編」に続くもの。ということは2017年9月の同じ名前の駅弁はこのシリーズではなかったようだ。掛紙の絵柄は過去の3作と変わらないように見えて、食材の絵柄がだいぶ差し替えられたり移動していた。
中身はだいぶリニューアル。三関(みつせき)さくらんぼの漬物による日の丸御飯を、ポルミートソーセージと舞茸のケチャップ炒め、ブランド豚「心像(こころやり)」の野菜肉巻き、秋田ふきの煮物、石孫本店の味噌「金の蔵」、心像の冷しゃぶ、サーモンと玉子焼、「山内(さんない)いものこ」とブロッコリーの餡かけ、りんごのコンポートで囲う、なんでもまるごと弁当タイプ。
2019(令和元)年のゴールデンウィーク頃の発売か。御飯の入らない、麺類の駅弁。中身は塩やきそばをタケノコ、エビ、目玉焼きなどで覆い、紅生姜を添えたもので、本当に常温の焼きそばだけを詰めていた。塩辛くも、常温でいける味。モチモチの富士宮やきそばの麺を、普通くらいに細めにしたような印象を受けた。約1年間の販売か。
※2021年3月補訂:終売を追記2018(平成30)年の年末までに発売か。大きな四角い容器を、なんとなく田舎道を描いたような掛紙で包む。中身は白御飯と鮭照焼と刻み梅、男鹿しょっつる焼きそば、ニンジンやゴボウやがんもなどの煮物、玉子焼とかまぼこと漬物、秋田ふきの油炒めとバター餅。秋田の味を控えめに反映した、幕の内プラスアルファの内容を、斜の仕切りで幕の内らしくなくレイアウト。掛紙の絵柄を含めて見た目は少し淋しく、機能的な車内食という印象も持った。半年間ほどの販売か。
※2020年5月補訂:終売を追記2018(平成30)年9月1日の発売。下記のとおり前年の同日にも同じ名前の駅弁が出ていたと思ったら、当時の掛紙に「秋・冬の味覚編」とあったので、当初からシリーズ化を考えていたか。2018(平成30)年10〜11月のJR東日本の駅弁キャンペーン「駅弁味の陣2018」にエントリー。
掛紙の絵柄は前作と同じく、食材や料理のイラストで埋めた秋田県鉄道路線図と、「今回の食材」と記したイラストが4点。青森県津軽地方、JR東日本秋田支社管轄エリアを含む「秋田のんめものマップ」も添付。中身は茶飯を錦糸卵とタコそぼろと天然真鯛の2種の蒸し焼きで覆い、練り物とやきそばを入れるもの。「塩だれ」「甘辛みそ」のタイは、ただ焼いて臭いものと酒粕漬に感じた。
この「秋田のんめもの弁当」は、2019(平成31)年4月に五能線エリア編(1,500円)へ交代。同年10月に大仙・横手・湯沢エリア編へ交代した。
※2020年1月補訂:終売を追記秋田県で調味料や醤油を製造する東北醤油、秋田県内で学校給食や仕出し弁当を営む秋田米飯給食事業協同組合、秋田駅で駅弁を売る日本レストランエンタプライズのコラボ商品として、2018(平成30)年3月31日に秋田駅と秋田新幹線こまち車内と秋田県内のスーパーで発売。調製元は秋田米飯給食事業協同組合。秋田駅で公式な駅弁屋でもその後継者でもない業者の駅弁が売られる光景を初めて見た。
中身は白御飯を焼鮭と鶏照焼、錦糸卵と野沢菜と紅生姜などで覆い、うずらの卵やニンジンなどの煮物を添えるもの。これらの味付けに、秋田で有名な東北醤油の調味料「万能つゆ味どうらくの里」が使われ、その名がそのまま駅弁の名前になる。茶飯も焼鮭も鶏照焼も煮物も、すべて同じつゆの味、だしと醤油の味がするので、県外から来た者にとっては、あまりうまくないかもしれない。
この駅弁を販売した、秋田駅の在来線改札内コンコースの駅弁売店が閉店したため、2019(平成31)年4月からは駅で売られていない可能性がある。同月からスーパーマーケットチェーン店「マックスバリュ」で土日限定の惣菜弁当になったという報告がネット上にある。その頃にリニューアルし、同年内に終売か。
※2020年5月補訂:終売を追記2018(平成30)年夏の新作か。新聞のような絵柄の掛紙には、この駅弁のことは何も書かれず、調製元の歴史や主力の駅弁の紹介を載せる。竹皮の容器に赤いボール紙のトレーを収め、白飯と茶飯のおにぎりのフィルム巻を各1個と、かまぼこ、玉子焼、肉団子、ゴボウやシイタケやニンジンやヒメタケなどの煮物、漬物を詰める。見た目どおりの内容と味で、価格はやや高いかも。1年間ほどの販売か。
※2020年5月補訂:終売を追記2018(平成30)年7月7〜16日に東京駅の駅弁売店「駅弁屋 祭」で実施された「夏の新作駅弁フェア」への出品作。大きめの容器を包む掛紙には、秋田の春夏秋冬が描かれる。中身は万赤にあきたこまちの白御飯を置き、梅と鮭を載せ、タコ入りやきそば、玉子焼と比内地鶏ミニメンチとバター餅、とんぶり入りかまぼことフキ炒めと大根漬、牛肉やゼンマイやこんにゃくやニンジンやゴボウなどの煮物で囲う。
東海道本線沿線にはよくあるタイプの、季節の幕の内弁当か。例えばいぶりがっこやハタハタのような、見て分かりやすい秋田でなく、地元の人の解説を要す秋田を、なんの説明もなく詰める。現地にあればこれはこれで、普段使いの駅弁として新風が吹くような。しかし秋田でなく東京で売られる駅弁という可能性がある。2019年の春頃までの販売か。
※2020年5月補訂:終売を追記2017(平成29)年9月1日の発売を、JR東日本秋田支社がプレスリリース。駅弁の名前は「秋田のうまいもの弁当」の意だろう。掛紙と添付のチラシには、秋田の県土に料理のイラストがデザインされる。そのイラストには、秋田県でなく青森県になる五能線とその沿線を含んでおり、これは秋田県エリアでなくJR秋田支社エリアをテーマにした駅弁である模様。
中身は、中央に白御飯を詰め、牛肉煮と糸こんにゃくで覆い、その周囲を男鹿しょっつる焼きそば、マイタケのバター醤油炒め、しそ巻き大根、ハタハタのマリネ、煮物、バター餅などで囲むもの。煮物と、秋田駅弁の牛めしがそのまま入る中央部を除き、他の駅弁で見ない変わったもの、イラストマップに載っている秋田エリアのものが入る。2018(平成30)年3月までの販売か。5月まで掛紙の「秋・冬の味覚編」の表記を削除して販売した形跡がある。
※2018年10月補訂:終売を追記2009(平成21)年3月に発売。加熱機能付き容器を用いない800円のバージョンもあり、これが輸送で、それは現地で販売しているのではないかと思う。長方形の加熱機能付き容器を使用、屋台の焼きそばのイメージでデザインされたボール紙の枠にはめる。中身は極太麺の豚そぼろ入り焼きそばにキャベツとニンジンと目玉焼を添え、鶏飯も申し訳程度に詰め、ソースといぶりがっこと福神漬を添えるもの。
太くて真っ直ぐな角麺、特製のソース、具にキャベツと豚挽肉、麺の上に目玉焼き、福神漬を添える横手焼きそばを、弁当での忠実な再現を目指したという。歯ですりつぶして食べる麺は他の焼きそばその他の麺類のいずれにも似ない、記憶に残る味。2014年頃までの販売か。
2006年に第1回が八戸で成功した、全国各地の庶民的な食堂や屋台での料理を集めたイベント「B級ご当地グルメの祭典B−1グランプリ」は、テレビのワイドショーや娯楽報道番組を賑わせて人気が過熱、2日間で約20万人の来場者を集める巨大な大会となった。横手やきそばはに2006年の第1回から出展、2009年9月19〜20日に秋田県横手市で開催された第4回大会でのグランプリの獲得がメディアを賑わせて、一気に全国的な知名度を獲得した。同大会の第1・2回でグランプリを獲得した富士宮やきそばは、すでに富士宮市街や静岡物産展での目玉商品の地位を得ており、駅弁にもなっている。
※2017年8月補訂:終売を追記上記の駅弁「駅弁屋の横手やきそば弁当」の、加熱機能付き容器でないバージョン。長方形の容器に透明なふたをして、さらに駅弁の名前などを書いたボール紙でふたをして輪ゴムでしばる以外は、加熱機能付き容器版と同じ。味も同じであり、横手のやきそばそのものが太麺を使っていることもあり、常温で食べて不味いものではない。駅弁催事専用商品であったかもしれない。2014年頃までの販売か。
※2017年8月補訂:終売を追記2006(平成18)年3月1日に発売。長方形の容器に、森林と夕日と商品名に五能線周りの鉄道路線図を描いたボール紙でふたをする。中身は炊込飯にブナシメジをたくさん載せ、帆立天1個にとんぶりとイクラも少々載せて、ハタハタ揚、ちょろぎ酢漬、いぶりがっこ、こごみ胡麻和えなどを添える。中身が秋田だらけ、万人受けしないであろう秋田感が満点で、自宅で食べても旅気分が盛り上がる。価格は2006年の購入時で850円、2017年時点で1,000円、2022年3月から1,200円。2022年に終売か。
五能線は昭和の昔から風情あるローカル線として地味な人気を集めていたが、1993(平成5)年12月に沿線の白神山地がユネスコの世界自然遺産に登録されたことで人気が爆発、今や一日最大3往復のクルージングトレインが走る観光路線へと変貌した。一方で普通の鈍行列車は激減し、観光列車が運転されていないと旅程も組めない。
※2023年4月補訂:終売を追記秋田新幹線開業前の1995(平成7)年にJR東日本秋田支社が主催した「オリジナル駅弁コンクール」で、アマチュアの部のグランプリを受賞した応募作品が駅弁化されたもので、1997(平成9)年の同線の開業とともに発売。鳥海山をイメージしたという正三角形の容器がとても珍しいし、竿灯をイメージしたと思われる俵型の焼きおにぎりも他では見られない。比内鶏の照焼、いぶりがっこ(タクアンの薫製)、他に舞茸の天ぷらや煮物など、秋田名産をいろいろと具に取り込んだ駅弁。容器が持ちにくいのが難点で、混雑列車で立ちながら食べるには不向き。2009年頃まで売られた模様。
※2014年8月補訂:終売を追記2001(平成13)年1月29日に購入した、昔の秋田駅弁?の紙のふた。東北北海道旅行の帰路に立ち寄った、秋田駅か羽後本荘駅で購入したような気がするものの、紙のふたの実物を見れば駅弁でないことが明らかだし、中身も含めてどうも思い出せない。
2000(平成12)年5月4日に購入した、昔の秋田駅弁の紙のふた。1993年12月に白神山地がユネスコ世界遺産に登録されたことを紹介する。地勢や交通の便が悪くなければ、そして林道建設反対運動が潰されていたら、何の変哲もない禿げ山か植林地になっていただろう。
1972(昭和47)年4月15日の調製と思われる、昔の秋田駅弁の掛紙。なまはげと稲穂とこけしを描く掛紙はちょっと不気味でもある。「うまい秋田のニシキ米」とはササニシキのことだろうか。米の作付けは流行に大きく左右されるので、ここからも時代を感じることができる。
1960年代のものと思われる、昔の秋田駅弁の掛紙。竿灯、なまはげ、梵天(ぼんでん)、秋田の酒、飯詰人形、石油櫓、秋田米と、当時の秋田名物と思われる絵柄を、ローマ字の名前を付けて描く。
第二次大戦後のものと思われる、昔の秋田駅弁の掛紙。収集者は1954(昭和29)年1月9日の調製とみなし、調製印の欄に数字を書き入れた。ひょうたんとエビと、石油櫓らしきものを描く。
第二次大戦前の調製と思われる、昔の秋田駅弁の掛紙。雪山とスキーヤーのシルエットを描き、その間にスキー名所へのアクセスマップをはめるもの。「合の子弁当」とは明治末期から大正時代に流行した、御飯と洋風のおかずを組み合わせたお弁当で、一方で駅弁掛紙に調製印が登場したのは大正中期だそうなので、大正中期から末期頃のものなのだろう。