東京と日本の中央駅。東海道・山陽・東北・上越・山形・秋田・北陸の各新幹線、東海道・中央・総武・東北の各線、山手線や京浜東北線などの電車が、一日あたり3000本以上行き交い、100万人以上の利用者で終日賑わう。駅弁はJRの子会社が調製するもので100種類以上とも、エキナカの商品を含めて400種類以上とも、デパ地下の弁当を含めて1000種類以上ともいわれる、世界一の駅弁販売駅。1914(大正3)年12月20日開業、東京都千代田区丸の内1丁目。
2019(平成31)年の発売か。かつての日本食堂の時代の絵柄を復刻したように見える専用の紙箱に、梅おにぎり、鮭おにぎり、鶏唐揚、玉子焼、かまぼこ、大根味噌漬を詰める、文字どおりのおにぎり弁当で、正統派の駅売り箱売りのおにぎり。
おそらく2007(平成19)年8月の東京駅寿司駅弁全面リニューアルで発売。内容は商品名どおりの、太巻2個、細巻がタクアン、かっぱ(きゅうり)、かんぴょうの3種各2個、いなりずしが2個。これを竹皮柄のボール紙で包んで掛紙を巻いて、駅弁らしい体裁に仕上げた。風味は堅めのコンビニ風。NREの駅弁には珍しく、食品表示ラベルに製造者固有記号が付いていた。
2010(平成22)年3月20日調製の東京駅弁の掛紙。上記の駅弁「助六寿司」と同じ容器、価格、中身であり、掛紙のデザインも変わらないが、JR20周年ロゴマークが消え、食品表示が掛紙から消え、竹皮柄のボール紙に食品表示ラベルが貼られていた。
東京駅の駅弁売店「駅弁屋 祭」で、2013(平成25)年の秋頃から4種類を1年間ほど販売か。小柄で簡易なプラ容器に、祭の法被と文字と竹皮編み柄を描いた掛紙を巻く。この中身は鶏飯にぎりと鮭にぎり、玉子焼と小さな焼鮭と鶏照焼、たくあん。すべて同じ値段で、違いは掛紙の色とおにぎりの具だけの模様。価格を除き、いい感じ。ただ、少し前なら500円くらいで出した内容ではないかと思った。
2012(平成24)年4月までに東京駅地下1階「グランスタ」内の駅弁売店「駅弁屋 極」限定商品として発売か。柔らかい梅干しとクールな白飯を合わせた、固めで酸っぱい酸っぱい握り飯2個に、銀鮭塩焼と焼がんも煮を添えて、透明なプラ製の惣菜容器に詰めてから青い掛紙を巻く。名前からして同売店限定で1,800円の幕の内駅弁「銀幕」のおにぎり弁当バージョンなのだろう。同売店の2012年7月2日限りでの閉店により、現在は売られていないものと思われる。
2011(平成23)年から東京駅の駅弁売店「駅弁屋旨囲門」その他NREの首都圏の駅弁売店の一部で見掛けるシリーズのひとつ。「TEBENTO」「EKIBENYA」のロゴマークらしきものが商品名とともに記される掛紙を巻く、スーパーやコンビニでおなじみのプラ製の惣菜容器に、鮭フレークおむすび、昆布おにぎり、梅おにぎり、煮玉子、鶏唐揚2個を詰める。コンビニ弁当を駅弁売店で販売するため、ちょっと駅弁らしくしてみました、という感じだろうか。味は駅弁に入るものとたいして変わらない。現存しない模様。
2010(平成22)年に発売か。透明なプラ製の惣菜容器に、梅、玉子、あさり、えび天、鮭の小さな小さなおむすびが各1個、直列に収められる。容器を留める掛紙も透明なフィルム。具が天むすのように顔を出したおしゃれな見栄えで、味も大丈夫。なお、過去に同じ名前で中身もよく似た商品が、山手線の命名100周年を記念して、2009年10月に販売されたことがある。2014年頃までの販売か。
2010(平成22)年2月21日に発売。細身の専用紙箱をまるごとラップで包む。中身はおいなりさんが3個、うち2個が五目で1個がしそちりめん、小さなおいなりさんは緑色が黒豆で黄色がゆず青菜、他には季節のおはぎと大根の漬物。
21世紀のおいなりさんと表現すべきか。五目としそちりめんのおいなりさんは、皮の味付けや食感が勝り中身の味の差を感じられなかったが、小さなおいなりさんは中身どおりの味、おはぎと漬物も含め、もちっと柔らかく心地よい風味を出していた。調製元がNRE大増ではなく日本レストランエンタプライズなので、箸袋が他の東京駅弁と異なり、仙台や盛岡あるいは過去の東京エリアのタイプのデザインで付属する。2012(平成24)年までの販売か。
※2018年6月補訂:終売を追記2006(平成18)年10月に東京駅で開催された駅弁大会のために、一日500個限定で販売された高級高額おにぎり。同駅の最高額駅弁「極附弁当」に使われる、コンクール金賞受賞の宮城県産有機栽培米を使った、紀州南高梅の梅干入りおにぎり1個と、三重県産のふかひれいり天然岩海苔入りおにぎり1個に、タクアンを添えて竹皮に包み、しおりを入れてラップで包み、食品表示ラベルを貼っていた。
通常の同種商品にコンセプトを持たせて倍額で売る、イベント用として正しい商品。駅弁の始祖はおそらくこういう姿だったであろうというエッセンスもある。ただ、私を含め多くの駅弁大会訪問客にとって、猫に小判となる危惧はある。見た目にはあまり売れていなかった。