東京と日本の中央駅。東海道・山陽・東北・上越・山形・秋田・北陸の各新幹線、東海道・中央・総武・東北の各線、山手線や京浜東北線などの電車が、一日あたり3000本以上行き交い、100万人以上の利用者で終日賑わう。駅弁はJRの子会社が調製するもので100種類以上とも、エキナカの商品を含めて400種類以上とも、デパ地下の弁当を含めて1000種類以上ともいわれる、世界一の駅弁販売駅。1914(大正3)年12月20日開業、東京都千代田区丸の内1丁目。
東京駅の大人の休日駅弁の、2018(平成30)年夏の姿で、7月1日から8月31日までの販売。お品書きを転記すると、上段の「一の重」がホワイトセロリのお浸しホヤ燻製オイル漬、鱧(はも)照焼、焼き合鴨と牛蒡(ごぼう)串、鶏松風、茄子の南蛮酢漬、針生姜、金目鯛塩焼、玉子焼、たたみいわし揚、甘とうがらし揚、二色ズッキーニ、有頭海老、焼ゆば、里芋。下段の「二の重」が国産牛といろいろ野菜の冷しゃぶ風金ごま入りソース添え(牛肉、オクラ、ヤングコーン、キャベツ、トマト)、御飯、ちりめん山椒。
価格は下記の2015年のものより200円のアップで元に戻り、「日本ばし大増」がブランド名から調製元の社名に変わった。牛肉は薄く柔らかく赤身が香り、ごまだれで味が引き立ち、この日に食べた同社の牛肉駅弁とは当然に、レベルが違う感じ。引き続き、東京、新宿、品川、上野、大宮の各駅で販売。東京駅の大人の休日駅弁は、2019(平成31)年4月までの販売か。
※2020年12月補訂:終売を追記東京駅の大人の休日駅弁の、2015(平成27)年秋の姿で、8月27日から11月26日までの販売。お品書きを転記すると、一の重がサーモントラウト若狭焼、長芋素揚、合鴨スモーク串、きのことほうれん草の香味お浸し、松茸入り真丈、さつま芋甘露煮、いかと鮭の麹漬、松茸天ぷら、まこもたけ天ぷら、すだち、塩パック、信玄どり照焼、きのこのバターソース炒め、赤パプリカ素揚、二の重が白飯、ちりめん山椒、飾り人参煮、秋刀魚胡麻風味、煮物。包装や容器や中身の雰囲気に変化はなく、名前はシンプルになり、価格はいつの間にか200円下がった。
東京駅の大人の休日駅弁の、2014(平成26)年秋の姿。翌年の上記のものと、だいたい同じ。
下記の駅弁「懐石弁当 大人の休日」の、2010(平成22)年5月時点での姿。風呂敷包みの二段重ね容器に戻ったが、風呂敷の素材は布ではなく和紙風のプラスティックで、容器の素材は木ではなく発泡材である。
中身は下段が秋田県産あきたこまちの有機認証米の俵飯にサトイモやニンジンや菜の花などの煮物、上段がおかずで有頭海老、サワラ西京焼、ヤリイカ姿煮、ササミ揚げ、ミョウガ甘酢漬、たけのこサラダ、鶏粕漬焼、とうふの磯部揚など。
中身は下記の2007年のものより良くなり、話題の駅弁であった頃に戻りつつあるが、そうなると使い捨てにしかできない容器が惜しい。大人の休日な旅人が旅のリピーターであるのなら、同じような容器や風呂敷ばかり溜まらずに便利だとは思う。
下記の駅弁「懐石弁当 大人の休日」の、2007(平成19)年1月時点での姿。駅弁の名前、容器の構造、中身の見栄え、価格を変えずに生き残っている。JR東日本のキャンペーン「大人の休日」は、発売当所の高級高額国内旅行キャンペーンから、国鉄時代からのJR共通会員組織「ジパング倶楽部」のJR東日本版へと切り替えられている印象で、各地に登場した大人の休日駅弁も自然消滅気味だが、立地でも資本でも本社のお膝元ではひっそりと生き残っている。話題性はゼロになった。
2005(平成17)年9月に発売。1,600円の「東京弁当」と同じ容器を使用、朱色紅葉柄の掛紙を巻いて、ゴムで留める。中身は松茸やいぶりがっこなどの五目御飯に、合鴨ロース、帆立煮、銀だら西京焼、舞茸や金時の天ぷら、カボチャなどの煮物、大根などの酢の物など。
今回の監修者は、成城茶懐石一宮庵の斉藤宗厚氏。料理長は引き続き日本ばし大増の横山勉氏。従来の「大人の休日」と「懐石弁当」を統合し、容器を簡素にして価格を下げた感じ。料理関係でない著名人の起用が売りだったはずで、あの木製容器は好きだったが、今は「極附弁当」があるので、役割分担の見直しは理解できる。2005年12月に同じ路線で「冬」に切り替わった。
2005(平成17)年2月15日に発売。東京駅版の大人の休日駅弁の、2005年の春バージョン。容器はかみ合わせの良い長方形の二段重ね木製容器に再度変更され、これを桜色のハンカチで包む。中身は下段がじゃこの載った白御飯、上段にタケノコや菜の花やタコやハマグリや甘鯛などのおかず。
容器が大きく改善されたので見栄えも同時に向上し、分量は現状維持だと思うが平面積があるので、東京駅版大人の休日駅弁史上で最も見栄えでボリューム感があると思う。ただ、この駅弁は「春」で、同一調製元で同一売店での同時購入な野菜駅弁が「夏」だったのは不思議。次の2005年の夏版でまた終売。
2004(平成16)年12月11日に再登場した、大人の休日駅弁の東京駅版。下記の前作と比較して、監修者が元プロ野球の星野仙一氏に代わり、容器が経木の使い捨て容器に変わり、風呂敷が柄物に替わり、中身の分量はおそらくやや増えた。
前作と同じ水準で品質を保つものの、1,600円の「東京弁当」と3,800円の「極附弁当」が登場しており、その中間の中途半端な位置付けになってしまった。「極附弁当」が売り切れたり、それを取り扱わない売店でのみ買われる感じか。
2004(平成16)年9月8日に発売。漆塗り重箱風の容器を二段重ねにして、同系色の取っ手付き発泡材枠にはめて、和紙風の風呂敷に包む。中身は下段「二の重」が松茸御飯に鶏竜田揚や平目金時揚など、上段「一の重」に海老や秋刀魚やマグロや帆立やイカに各種の煮物など、それぞれになかなか手の込んだ印象。
駅弁というよりデパ地下の季節弁当といった感じで、逆にそんな商品を好む層を駅弁につなぎ止めるための商品か。お品書きが完備しているのでそれを見ながら食べて感心できる内容。1年間ほどの販売か。2005(平成17)年9月に「懐石弁当 大人の休日」が発売されたので、大人の休日駅弁に統合されたのだろう。
※2019年9月補訂:終売を追記2001(平成13)年10月に、JR東日本の「大人の休日」キャンペーンの一環で発売。杉材の弁当箱を布製の風呂敷で包むところから高級感が漂う。中身は大人の休日ブランドのイメージキャラクターを務める俳優の藤村俊二氏がプロデュースした、御飯を含め14品目を数える具の数々、そしてお品書きまで付いている。2泊3日の金沢旅行に10万円の旅費をかけるような人向けで、庶民にはきっと本当には味わえない。12月に中身を変えた「冬」に、翌年3月に風呂敷の色と中身を変えた「春」に、そして5月からは「夏」に更新されている。JR東日本と藤村俊二氏との契約の終了により、2004年7月に終売。