東京駅から新幹線はやぶさ号で約100分。仙台市は宮城県の中央に位置する、人口約110万人の城下町で県庁所在地。豊かな植生で杜の都(もりのみやこ)と呼ばれる、東北地方の首都として君臨する大都会。駅弁は明治時代から売られ、戦後昭和から平成時代に3社が競う日本一の激戦区であったが、JR東日本の子会社が駅弁売店を独占した2010年代からは活気がない。1887(明治20)年12月15日開業、宮城県仙台市青葉区中央1丁目。
2023(令和5)年6月1日に仙台駅で発売。下記のとおり、似たような名前や中身の駅弁は、過去にも出ていたと思う。専用の紙箱で写真と地名と料理名により紹介する中身は、宮城県産環境保全米ひとめぼれの日の丸御飯、亘理名物はらこ飯、くるみおこわ、A5ランク仙台牛などの煮物と登米(とよま)名物あぶら麩煮、仙台名物牛たん焼きとこごみ胡麻和えと唐辛子、仙台名物笹かまぼこと三陸産銀鮭の柚香焼きと岩出山名産しそ巻き、宮城県産卵の厚焼き玉子と鶏肉の仙台味噌漬焼き、宮城名物ずんだ餅、仙台長茄子漬けと蔵王大根の味噌漬けと大根塩漬、宮城名物ずんだ餅。9区画に20種類以上の料理や食材を詰め込んだ、地理と郷土のお勉強。
2022(令和4)年2月17日に調製元と仙台駅で発売。その名のとおり、宮城県の誕生150周年を記念した弁当であり、専用の紙箱のふたには宮城県土のシルエットに宮城の食材を並べ、裏面には宮城県150年の略史を掲載する。
中身は封入のおしながきによると、ずんだ餅、宮城県産卵の厚焼き玉子と鶏もも肉の仙台味噌焼き、宮城のお漬物3点盛り、こごみの胡麻あえ、牛たん焼き、笹かまぼこと三陸サンマの甘露煮、みやぎサーモンの柚香焼きと岩出山特産しそ巻き、仙台牛と仙台麩の炊き合わせ、亘理名物はらこめし、帆立照焼きのだしごはん、石巻産真穴子のちらし寿司、宮城県産環境保全米ひとめぼれの梅ご飯の12区画。宮城や仙台の味でがっちり固めた。駅弁では仙台名物と思えてくるスタイルの、なんでもまるごと弁当。2023年3月で終売か。
宮城県は明治5年1月8日(1872年2月16日)に、仙台県を改称してできた。1876(明治9)年内に、現在の岩手県や福島県との県境を動かして、今の形となる。日本が江戸時代から明治時代に移行した際の「廃藩置県」は、1871年、明治4年の出来事として社会科の授業で習うが、47の府県になるのに1888(明治21)年までかかったため、都道府県の誕生日は同じでない。東北6県の人口は、当時は福島県が最も多く、青森県が最も少なく、他の4県はあまり差がなかった。今では宮城県が1番で、福島県が次ぎ、他の4県にあまり差はない。
※2023年4月補訂:終売を追記宮城県仙台地方振興事務所の支援により、2011(平成23)年10月1日から11月30日まで販売。紅葉が描かれた樽形断面の容器を、商品名やいくつかのロゴマークを描いた紙帯で留める。中身は餅米「みやこがね」混じりの茶飯の上を、大和町のマイタケ、泉区の原木シイタケ、紅鮭漬焼、サツマイモ甘露煮、シメジ、サンマ竜田揚、セリ、ニンジン、ダイコンで覆い、糸こんにゃくと仙台味噌かりんを添えるもの。
仙台地区の良質なキノコの生産者と駅弁販売者をマッチングして生まれた、農商工連携や地域振興や震災復興の意味合いも持つ商品であるようだが、見て食べただけでは変な気合いや押し付けは感じられない。秋の味や色や形がうまく合わされており、お得で美味く雰囲気の良い佳作。わけがわからないキノコ丼にしなかった調製元の技術は高い。以後も毎年秋に販売された模様。2017年までの販売か。
※2023年8月補訂:終売を追記仙台・宮城観光キャンペーン推進協議会県南地域部会の企画により、2010(平成22)年11月30日に発売。正方形の容器に透明なふたをして、上面に稲穂をデザインし下面に観光案内を印刷した白いボール紙の枠にはめる。中身は塩むすび、梅むすび、きゃらぶきむすびという3種のおむすびと、豚肉衣焼、玉子焼、ダイコンやサトイモなどの煮物、白石温麺炒め、りんご果汁入りコンニャクゼリーなど。中身の詰め方にギッシリ感があり、食べて楽しくなる感じ。2014年頃までの販売か。
標記の協議会は、2008年10月から12月まで宮城県を中心としたエリアで実施された観光キャンペーン「仙台・宮城デスティネーションキャンペーン」の推進協議会を引き継ぐ形で2009年3月23日に発足したもの。宮城県と県内35市町村に旅行関係の企業や団体などで構成し、以後3か月単位でキャンペーンを打ち続けている模様。
※2017年8月補訂:終売を追記東北新幹線はやぶさ号デビューを記念して、2011(平成23)年3月5〜6日に東京駅で開催された、第13回東日本縦断駅弁大会で発売か。新神戸駅弁「タイガース勝めし」と同じ、野球のボールをもした白い球形の陶器を使用、これに仙台に本拠地を置くプロ野球団「東北楽天ゴールデンイーグルス」の公式ロゴマークをプリントしたうえで、そのイメージカラーに染めたボール紙の枠にはめる。
中身は白御飯の上にチキンカツ、鶏肉のパン粉焼き、ほうれんそう炒め、刻みニンジン、ゼンマイを載せるもの。これもまた「タイガース勝めし」とよく似ているし、おそらく勝つとカツをかけたのだろう。御飯は白ではなく茶飯や洋食系のほうが、油ものの味が生きると思った。この年のみの販売か。
この商品は仙台駅ではなく、駅弁大会で販売されている模様。パッケージに駅弁マークが付いており、NREの駅弁大会で仙台駅弁と紹介されてしまっているため、ここでは疑義駅弁の記号を付けておく。しかしこれを仙台駅で売れない理由と推測される事実が、パッケージの側面に「クリネックススタジアム宮城にてプロ野球開催時には、こちらの容器・お弁当は球場ルールにより持ち込むことが出来ません。」として記載される。確かにこの球場、以前の名前で呼ぶと県営宮城球場では、プロ野球の試合開催時における弁当類の持ち込みが禁止されている。そうでなくてもこの陶器は、危険物として没収されそうな気もする。
持込禁止の主因は球場内での売店の売上の確保のようで、楽天が認めてシールを貼った弁当は球場内に持ち込めることからもそれがうかがえる。2010年の横浜ベイスターズ身売り騒動で球場所有企業のがめつさが話題となった、うちの近所の横浜スタジアムでもそんなことはしていない。楽天はインターネット上のショッピングモールとして日本一支持されているし、その創業者である会長兼社長にはカリスマ的な人気を集めているが、誰に何と言われようとこれくらいがめついことを平然と行えるからこそ、球団を持てるような財産を7年で蓄えられるのだという一端が、ここにうかがえるような気がした。
※2017年8月補訂:終売を追記2005(平成17)年10月1日に、仙台駅で発売。宮城県仙台都市圏の5市8町1村と山形県村山地域の7市7町が、2002(平成14)年度から実施する仙台山形交流連携事業の一環として、2005(平成17)年7月16日に宮城大学で実施された「仙山圏駅弁創作事業」にて、宮城大学事業構想学部事業計画学科と宮城学院女子大学学芸学部食品栄養学科の学生が提案した創作駅弁3種類の商品化。
華やかな赤い柄の容器に割りばしを置き、駅弁の名前をふわりと描いた白い掛紙を巻き、セロハンテープで留める。中身は紅花混じりのきのこおにぎり、小女子と青菜のおにぎり、牛肉、玉こんにゃく、焼き鮭、ダイコンの酢の物、レンコン梅肉挟み揚げ、そば団子など。仙台と山形の名物や味わいを盛り込んだのだそうな。
創作駅弁の他の2種類は、日本レストランエンタプライズの「仙山芭蕉めぐり」と「がんこおやじ」。当初は3か月間の期間限定販売を予定していたようだが、「がんこおやじ」を除く2品は2010年時点でも販売が続いた。2010年頃までの販売か。
※2017年8月補訂:終売を追記2007(平成19)年12月から仙台駅で展開される「女将のおもてなし弁当」シリーズの第1弾として、同年12月から4か月間の期間限定駅弁として発売。黒塗りの容器に、表面に駅弁の名前、裏面に仙台と秋保の名所5箇所の紹介を印刷した掛紙を巻き、ゴムで留める。9区画に分けられた中身は、御飯として酢飯を玉子焼で包んでイクラ、カニ、ウニ、小エビを載せた海鮮茶巾、おかずとしてナス味噌田楽、笹かまぼこと山菜、鶏照焼、マイタケ天とししとう天、タケノコやニンジンなどの煮物、牛たん塩焼き、ニシンと菜の花、デザートとして抹茶わらび餅。
中身と秋保との関係は知識がないし、掛紙にも書かれないので分からないが、登場順と異なり先に食べた鳴子編や松島編と同じく、質の高く雰囲気の良いお弁当。調製印が示すとおりデパートでの実演販売が行われるくらいの人気と評判を得ているのだろう。今回の京王百貨店の駅弁大会でも一日500個が売れたそうな。価格は2007年の発売時や2010年の購入時で1,100円、2016年時点で1,150円。2020年までの販売か。
秋保(あきう)温泉は仙台市内にある、平安時代やそれ以前から記録に残る古くからの温泉地。この湯治場は大正時代の鉄道の開通により石材の採掘や温泉地として発展し、第二次大戦後は自動車の普及で仙台の市街から車で20〜30分で行ける利便性を武器に、会議場や宴会場や宿泊地として繁栄した。
※2021年3月補訂:終売を追記2007(平成19)年12月から仙台駅で展開される「女将のおもてなし弁当」シリーズの第2弾として、2008(平成20)年4月1日に発売。黒塗りの容器を、松島を描いた掛紙で包む。中身は細かく10区画に区切られ、中央の2区画はウナギ御飯とカキ御飯、周囲の8区画はおかずなどで、アカモク唐揚とししとう、アサリと海苔の佃煮、マグロ竜田揚、カキとほうれん草のゆず味噌田楽、がんもどき、小エビとアサリのかき揚げ、カキのマリネ、菜の花と小エビのおひたし。
見てのとおり、おかずの種類に困らないうえにおいしいお弁当。そして、おしながきを読んで改めて中身を見渡すと、松島も産地であるカキが4個も入り、地元ではカキに並ぶ名物だというアサリも入り、大正時代にはよく獲れたというウナギも入る、松島づくしの内容である。欠点を探せない、パーフェクトの駅弁だと思う。価格は2008年の発売時や2010年の購入時で1,100円、2016年時点で1,150円。2020年までの販売か。
松島湾内に260とも808とも言われる多数の小島が浮かぶ松島は、東北地方を代表する名勝として、古くは平安時代から歌に詠まれ、江戸時代には天橋立や宮島と並び日本三景と称され、現在も年間約370万人の観光客が訪れる。東北一の都会である仙台市街から1時間をかけずに行ける、東北観光の定番スポット。
※2021年3月補訂:終売を追記2007(平成19)年12月から仙台駅で展開される「女将のおもてなし弁当」シリーズの第3弾として、2008(平成20)年10月1日に3か月間の期間限定駅弁として発売。竹皮編みの正八角形の容器を使用、商品名と鳴子エリアを思わせる渓谷やこけしなどの絵柄を印刷した紙帯で留める。
中身は御飯としてクリ混じり白飯ときのこ入り茶飯と古代米入り赤飯で3種のミニミニおにぎり、おかずはマイタケや細竹やサツマイモや山菜の天ぷら、豚の塩炒め、サトイモやカボチャなどの煮物、イワナの塩焼き、漬物とクリ大福など。煮物や焼き物や揚げ物を折り重ねる、彩り豊かな秋の味。販売期間の翌年もこうして駅弁大会に出てきており、現地でも2008年10月から12月までの3か月間で9,295個が売れたという。価格は2008年の発売時や2009年の購入時で1,100円、2016年時点で1,150円。2020年までの販売か。
※2021年3月補訂:終売を追記塩釜(しおがま)商工会議所の「塩竈(しおがま)みなとブランド推進委員会」とNREが共同で開発し、2009(平成21)年10月1日から12月31日まで仙台駅と東京駅と新幹線の車内で販売された期間限定駅弁。竹皮編みの柄を印刷した容器に、表面に商品名と宣伝文を、裏面に塩釜の市街地の観光地図を描いた掛紙をかけて、ゴムで留める。
中身は宮城県産ひとめぼれの白飯むすびとひじき飯むすびが各1個と、鮭の酒粕漬け焼、ナスやカボチャなど野菜の素揚げ、昆布佃煮、笹かまぼことカステラ蒲鉾、ミニクッキー2種など。個々の料理に不協和音が聞こえるものの、見栄えと個々の味はきれいな感じ。以後も2015年頃まで販売された模様。
宮城県の鹽竈(しおがま)では、奈良時代あるいはそれ以前から製塩が行われていたようで、製塩に使う竈(かまど)がその地名の由来なのだそうな。国内での製塩は、現在はイオン交換膜で濃縮した塩水を真空式蒸発缶で煮詰めて製造されるが、1960年代頃までは塩水の濃縮を海沿いの塩田で行い、大正時代前後までは煮詰めを平釜で行い、大昔には乾かした海藻に海水をかけて塩水の濃縮をしていたいう。
海藻を使い濃縮した塩水を釜で煮詰めて作った塩を「藻塩(もしお)」といい、この駅弁には塩竃市内でホンダワラを使い製造した藻塩が使われるとともに、袋詰めでも添付される。塩の味など直接なめない限り変わらないと思うし、1985年から2002年にかけて行われた塩の製造や販売に関する規制緩和を受けて全国に乱立したブランド塩の派手な売り文句には公正取引委員会の警告が出たほどだが、塩竃市では地域おこしの一環として藻塩が活用されている。なお、本文中でシオガマの表記が揺れ動いているのは誤記ではなく、それぞれで使い分けられている。
※2017年8月補訂:終売を追記2007(平成19)年10月から12月までのJRグループ観光キャンペーン「仙台・宮城デスティネーションキャンペーン」の実施に合わせて、同年5月までに発売し、後にJR発足20周年記念駅弁の仙台駅こばやし版としての位置付けも兼ねた。宮城の四季をそれぞれ絵葉書風に描いた絵柄を並べる柄の、ボール紙製の専用紙箱を使う。駅弁マーク、JR20周年、杜の都仙台、宮城DCと4種のロゴマークが付く。
12区画のトレーに入る中身は、日の丸、鮭いくら、カキ、赤飯で4種類の御飯と、フカヒレあんかけ、牛たんコロッケ、もち豚味噌焼、牛肉エリンギ炒め、鶏照焼と玉子焼、サンマ竜田揚、笹蒲鉾と駄菓子など。それぞれが仙台や宮城にちなむことがおしながきで確認でき、これは季節の絵柄を採用した絵葉書を兼ねる。コンセプトに忠実な演出系で、風味も良好。宮城県が「食材王国みやぎ」を打ち出してから、駅弁に限らず宮城の食にしっかりとした筋が通った気がする。2011年頃までの販売か。
※2016年12月補訂:終売を追記仙台駅の日本レストランエンタプライズの釜飯駅弁。商品名を書いたボール紙で封をした、オールプラスティック製の釜型容器の中に茶飯を詰めて、牛タン・煮カキ・笹蒲鉾・仙台麩などを載せる。米国産牛肉禁輸で以前のようにはいかない牛タンはともかく、仙台駅弁にしては全体的に風味が落ちるし価格も高いし、仙台名物をあれもこれもと欲張り過ぎた感はある。2005年頃までの販売か。
※2017年8月補訂:終売を追記プロ野球「東北楽天ゴールデンイーグルズ」の仙台進出にあやかって、2004(平成16)年12月頃に発売。大きな長方形のボール紙製パッケージには、バットとボールとダイヤモンド(内野)のイラストを描く。中身は日の丸御飯にメンチカツと棒カツとエビカツ、その下にたっぷりの千切りキャベツやフェットチーネを敷き、ポテトフライなどを添えるもの。現存しない模様。
プロ野球のペナントシーズン中の2004年6月に突然発表された、近鉄バファローズとオリックスブルーウェーブの合併に始まる騒動で、史上初のストライキ試合中止や8球団1リーグ制構想など、ペナントレースそっちのけの大激論が繰り広げられたものの、結局はネット系新興企業の新規参入とセ・パ交流戦の実現という小変化で落ち着いた。日本プロ野球50年ぶりの新球団と、ロッテの準本拠地以来28年ぶりの地元球団に、仙台は沸いている模様。
※2017年8月補訂:終売を追記仙石線に登場した石ノ森章太郎キャラクター列車「マンガッタンライナー」に合わせて、仙台駅弁業者別に3種類が発売されたマンガ弁当の日本レストランエンタプライズ版として、2003(平成15)年3月22日に発売。仮面ライダー1号を描いたボール紙のふたを開けると、チキンナゲット・鶏そぼろ・青のり・海苔・かんぴょう・枝豆春巻で描いた、写真のとおり見事な仮面ライダー1号の顔が登場。他の具もソーセージに肉団子に海老フライと子供向け。
食べていて周囲の視線が気になるかもしれないが、洋風弁当としての味は良い。なお、発売開始当初はナゲットにケチャップを塗って目を表現していたそうだが、それがフィルムにべったり付いてしまうため別添となった模様。2003年内のみの販売か。
ゲゲゲの鬼太郎で街おこしに成功した鳥取県境港市にあやかってか、宮城県石巻市も地元出身の著名漫画家である故石ノ森章太郎氏のマンガで街おこしを始めて、それがJR仙石線に波及した。山手線の中古車を改装したマンガッタンライナー車両は、車体や車内にそのキャラクターのシールをたくさん貼り、広告枠は沿線小学生の絵画が埋め、自動放送は「ロボコン」の声というこだわりよう。これはやりすぎという声もちらほら。
※2017年8月補訂:終売を追記宮城県の食関連産業振興キャンペーン「食材王国みやぎ」の実施に伴い、2003(平成15)年7月1日から8月31日まで販売した期間限定駅弁。精米後の米粒を模した容器を、輪ゴムで留めてボール紙の枠をはめる。その底面にお品書き付き。
中身は自社精米の減農薬減化学肥料宮城県産ひとめぼれの御飯に、宮城野ポーク仙台味噌焼・河南町の鶏梅肉焼・気仙沼のさんま甘露煮・岩出山の田舎しそ巻・古川茄子のはさみ揚げなどなど、デザートも中鉢屋の仙台駄菓子と、宮城の食材をふんだんに使用している。
パッケージには宮城県産ひとめぼれの稲穂が付き、これが見栄えをぐっと上げているが、この年に冷害により宮城・岩手・青森の各県の稲の作柄が最悪となったことは何とも皮肉なこと。天候不順はこの駅弁の中身にも影響を及ぼし、沼えびの不漁で小梅に変更した旨のしおりが挟まっていた。
岡山駅、高崎駅、小田原駅に次ぐキティちゃん駅弁として、2003(平成15)年1月に発売か。キティちゃんが着物を着てこけしになったプラ容器を使用。中身は減農薬宮城県産ひとめぼれの御飯に、焼鳥やつくね団子や海老に、椎茸やタケノコの煮物、そして金太郎飴タイプのキティちゃん蒲鉾が入る。仙台駅弁にしては価格の割に中身が薄く、これは容器を楽しむ駅弁。2005年頃までの販売か。
※2017年8月補訂:終売を追記こけしの頭を模したプラスティック製容器を透明な袋に詰める。中身は「ごもく弁当」のとおり、御飯の上に鶏・椎茸・ゴボウ・海老・厚焼卵・蒲鉾・帆立などを積み重ねている。量は少なめで、味は仙台駅弁なので良い。こけしの台になる格好の赤い厚紙では、宮城県のこけしを遠刈田(とおがった)系・鳴子系・作並系・弥治郎系に分類して紹介し、今の観光ガイドではあまり触れられなくなった雑学知識が吸収できる。2010年頃までの販売か。
※2017年8月補訂:終売を追記竹皮を模したボール紙製容器の中に、醤油を塗って焼いた普通の焼きおにぎり、牛タン入りおにぎり、シソの葉巻きおにぎりと円形のおにぎりが3つに漬物が入る。具がない、またはほとんどない握り飯で、焼きおにぎりはカリカリ感がまったくなく炭火焼特有の香りも感じられないが、飯の美味さで食が進むし、駅弁らしい包装に手を抜かずにこの低価格はなかなかのもの。2003年頃までの販売か。
※2015年9月補訂:終売を追記掛紙を兼ねる紙のふたをかけた正方形大の容器は、写真のように細かく仕切られる。真ん中は宮城米ひとめぼれを使用した白御飯と竹の子御飯(季節の御飯)、周囲にはさんま、牛タン佃煮、笹かまぼこ、野菜煮に厚焼き卵や男爵コロッケなど、ひとつひとつが丁寧に調理されたおかずが配置される。仙台駅弁は幕の内と名乗るものが最も美味いと思う。人間だけではなくインコも気になる味。2008年頃までの販売か。
※2016年12月補訂:終売を追記