東京駅から新幹線ひかり号で1時間。静岡市は静岡県の中部に位置する、人口約69万人の城下町で県庁所在地。駿河湾から南アルプスまで静岡県を南北に縦貫する広大な市域を持つ。駅弁は明治時代からの駅弁屋が、新幹線ホーム上や改札外コンコースで古風な品揃えを持つ。1889(明治22)年2月1日開業、静岡県静岡市葵区黒金町。
静岡駅の台売りで買えたカツサンド。静岡の中心市街地の歓楽街にある弁当店「しずおか弁当」が、2018(平成30)年1月12日から毎週金曜日に静岡駅構内の土産物店「グランドキヨスク静岡」前に出店するようになった。実際には2016年の6月までにはグランドキヨスク静岡に金曜限定で商品を卸していたようで、このカツサンドも駅ではその頃からの販売か。本体や売り場からは読めないが、調製元は公式サイトで、2003年より毎日夜22時から数量限定で販売したカツサンドだと紹介する。
ロースカツのソース漬けと千切りキャベツを耳あり食パンで挟んだカツサンドを3切れ、ピンク色の紙箱に収める。キャベツで分厚く、東京や駅弁の箱サンドより高さもあり、ボリューム感もボリュームもあるカツサンド。トンカツの割合や厚さや脂や味付けが薄めなので、軽めの味で食べやすい。駅では金曜限定かつ売り切れが早そうに見えたので、その点でここでは「幻」かもしれない。価格は2017年時点で550円、2023年5月までには600円。
静岡駅のキヨスク系のコンビニや土産物店で売られていた、2種類のハンバーガーのうちひとつ。2000年代にはすでに売られていたらしい。キハダマグロのメンチカツを、真っ黒のソース漬けにしてキャベツとともにバンズで挟み、透明な袋に詰める。マグロは海と港のある日本全国ほとんどの府県で水揚げされ、山奥の旅館でも提供されて日本全国で買えたり食べられる地域性のない食材だが、静岡県は冷凍を含めたマグロ水揚げ日本一を名乗り、まぐろ類缶詰の生産量では全国シェア97%というくらいなので、量や加工で他を圧倒するマグロの産地。このまぐろバーガーも売り場には、名物の扱いでポップが出ていた。普通においしい、お魚フライのハンバーガー。調製元は静岡県清水で1941年に創業した、学校給食を主力とするパン製造業者。静岡の他駅のキヨスクでも買えるかもしれない。
静岡駅のキヨスク系のコンビニや土産物店で売られていた、2種類のハンバーガーのうちひとつ。牛でも豚でもなく鶏肉のハンバーグを、真っ黒のソース漬けにしてレタスとともにバンズで挟み、透明な袋に詰める。上記のまぐろバーガーと違い、こちらは日本全国のコンビニのサンド・おにぎりコーナーで買えるハンバーガーと、何ら変わらない。調製元は静岡県清水で1941年に創業した、学校給食を主力とするパン製造業者。静岡の他駅のキヨスクでも買えるかもしれない。
2018(平成30)年の4月までに400円で発売。黒はんぺんをフライにして、わさび漬けを混ぜたタルタルソースとともに、耳なし食パンに挟んだものを4切れ、サンドイッチ向けプラ容器にぴったり詰めて、商品名と宣伝文を書いたボール紙の帯で留める。味はイワシつみれ揚げのマヨネーズサンドといった感じで、風味の不思議な合わせ方が興味深い。価格は2019年時点で450円、2020年時点で500円、2022年時点で550円、2023年7月から600円。
黒はんぺんは、静岡県の郷土料理や焼津の特産とされるもの。イワシやサバのすり身を、半円形に整形して茹でたもの。一般にはんぺんといえば、魚肉のすり身にヤマイモや卵白などを加えて泡立てて茹でた、白くふんわりした味のないものを指すが、黒はんぺんはそうではなく、つみれや薩摩揚げに似たものだと思う。静岡ではんぺんといえば「黒」であり、白いものとは認識されないと紹介されることがある。
※2023年8月補訂:値上げを追記静岡駅の駅弁屋がつくる惣菜か。サルやトラやワニなどを描く動物園柄と思われる市販の惣菜向け変型プラ容器に、ハムサンドとタマゴサンド、ポテトサラダ、鶏唐揚と野菜コロッケと焼売とリーフ、ミニゼリーを詰めたミニ行楽弁当。イベントで購入したが、これは駅売り弁当なのだろうか。そんな商品に添付した駅弁と同じ割りばしの、汽車が走る重厚な絵柄が浮いていた。
静岡駅で昔から売られているであろう、助六寿司の駅弁。浅い折箱に細身のいなりずし4個と、かんぴょうの細巻き5個を並べ、ガリの袋と醤油のボトルを添付するだけ。味も没個性。ふたの絵柄を含めて見栄えを飾らない、豊橋駅や草津駅や伊東駅など、東海道エリアで時に話題となる稲荷寿司駅弁と違い、まったく話題に上がらない、そんな惰性に感心させられる。価格は2018年時点で550円、2019年2月から580円、2022年4月から650円。
※2022年4月補訂:値上げを追記2018(平成30)年9月1日に購入した、静岡駅弁のふた。中身は上記の2019年のものと同じで、おそらく長い間変わらない。当時はふたに駅弁マークが付いていなかった。
1936(昭和11)年5月15日2時の調製と思われる、昔の静岡駅弁の掛紙。その絵柄は下記の1931年5月のものと同じで、距離や乗合自動車の料金などのアップデートがされている。保存状態にもよるが、なんとなく紙質が落ちた気はする。
1933(昭和8)年12月20日13時の調製と思われる、昔の静岡駅弁の掛紙。その絵柄は上記の1936年5月や下記の1931年5月のものと同じで、インクが赤でなく青である。何か使い分けでもあったのだろうか。
1931(昭和6)年5月8日18時の調製と思われる、昔の静岡駅弁の掛紙。外枠は交通案内でできていて、静岡駅から名所までの距離や所要時間を記す。掛紙に描かれるのは静岡浅間神社か。
1910年代、大正時代のものと思われる、昔の静岡駅弁の掛紙。収集者は1918(大正7)年のものとしていた。加藤弁当店が三盛軒を経て東海軒となったのは1914(大正3)年4月、1918(大正7)年頃になれば駅弁に調製印が使われるので、この間のものだろう。小鳥に見えるシルエットに、名所案内が記される。
2012(平成24)年11月の発売か。21世紀の新商品であるにもかかわらず、見た目は昭和時代そのもの。静岡駅で伝統の駅弁「サンドイッチ」と同じ構造の紙箱に、レトロと表現されそうなデザインで、豚と富士と商品名と会社名を描く。
中身はヒレカツサンド3切れ、ハムサンド1切れ、タマゴサンド1切れ。通常のカツサンドは、駅弁でもスーパーでもカツサンドのみを詰めることが多いので、この組合せは独特である。メインのトンカツは、固いや硬いでなく「堅い」と表現したい締まり具合で、灰色と歯応えや形状がワイルドに思えた。価格は2013年時点で650円、2015年時点で670円、2019年2月から700円、2022年4月から750円、2023年7月から800円。
※2023年8月補訂:写真を更新し値上げを追記2015(平成27)年9月5日に購入した、静岡駅弁の紙箱。上記の2023年のものと同じ。違いを探せば、価格、食品表示ラベルの形式、おてふきの形状。
1900(明治33)年の発売という、静岡駅の駅弁屋さんのサンドイッチ。タマゴサンドとハムサンドが3切れずつ、まるごとラップに包まれて、国鉄時代から変わらない絵柄の紙箱に収める。静岡駅では1987年の国鉄分割民営化以降、平成時代にも、東京駅と岐阜県の大垣駅を結ぶ夜行快速列車の発着に合わせ、深夜2時頃の駅弁などのホーム上での販売が実施されていた。価格は2014年4月の消費税率改定で320円、2018年の購入時で340円、2019年2月から360円、2022年4月から450円。
※2022年4月補訂:値上げを追記2002(平成14)年3月16日に購入した、静岡駅弁の紙箱。上記の2018年のものと、中身を含めて見事に変わらないし、下記のとおり昭和の頃からも変わっていない。価格表記と中央会の表記があり、バーコードがなく、調製元の所在地が異なるという差異はある。
1992(平成4)年3月14日1時の調製と思われる、昔の静岡駅弁の掛紙。その絵柄は何十年も変わらない。上記の2002年のものと比べて、値段が違う、注意書きが少ない、調製元の会社形態が異なるという差異はある。
1982(昭和57)年6月23日0時の調製と思われる、昔の静岡駅弁の掛紙。その絵柄は何十年も変わらない。上記の1992年のものと比べて、値段が違う、当時の国鉄の旅行キャンペーン「一枚のキップから」のロゴマークが入るという差異はある。
1932(昭和7)年3月31日9時の調製と思われる、昔の静岡駅弁の掛紙。その価格は当時の幕の内弁当と同じ水準であり、現在とは違いサンドイッチは高級な駅弁だった。掛紙に描かれる寺院は、静岡駅の北側で駿府城の向こう側にある、今川家の菩提寺である臨済寺。
静岡駅伝統の駅売り焼売。赤い紙箱に肉焼売が11個入っている。焼売は横浜や小田原のものとほぼ同じサイズで、やや柔らかく大味な感じがする。今では東海道本線沿線を除くと札幌と鳥栖でくらいしか見られなくなった、駅弁スタイルの駅売り焼売。2015年頃までの販売か。
※2020年12月補訂:終売を追記2006年7月23日に購入した、静岡駅弁のパッケージ。上記の2012年のものと比べて、中身と価格と商品名は変わっていないが、ボール紙製容器の構造が違い、その絵柄も微妙に異なる。駅前再開発に伴い調製元が移転したため、その所在地や電話番号も異なる。
2003年3月23日に購入した、静岡駅弁のパッケージ。上記の3年半後と比べて、バーコードがないことと、調製元の所在地に区名が付いていないことくらいしか違わない。
1950年代のものと思われる、昔の静岡駅売り商品の紙袋。品名は「くだもの」としか書かれてないが、中身は何であったのだろう。みかんなら「みかん」と書く気がするし。
東海地方や西日本のキヨスクやコンビニなどで売られる、愛知県の味付けゆで卵で、昭和50年代の発売。その存在は、東日本の「マジックパール・カル」に相当するものだろう。静岡駅の駅弁売店で買った今回のものは、塩味が付いたゆで卵を2個、プラ製のネットに収めたもの。紙箱入りや1個入りのものもある模様。私が食べ慣れたマジックパールより、ざらついた感じを受けた。添付の包み紙に記される「タマゴロウのカラのむき方」の内容が独特。
※2020年12月補訂:写真を更新2015(平成27)年9月5日に購入した商品についていた紙。上の5年後と同じもの。よく見ると、食品表示と調製元の所在地や連絡先が異なる。