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 旅の友「駅弁」。実際に食べた9,000個以上の駅弁を中心に、日本全国と世界の駅弁を紹介します。

JR東海 静岡(しずおか)駅 JR-Tokai Shizuoka Station
2022(令和4)年4月訪問 GoogleMap「静岡駅」

駅名標 駅舎 駅構内

東京駅から新幹線ひかり号で1時間。静岡市は静岡県の中部に位置する、人口約69万人の城下町で県庁所在地。駿河湾から南アルプスまで静岡県を南北に縦貫する広大な市域を持つ。駅弁は明治時代からの駅弁屋が、新幹線ホーム上や改札外コンコースで古風な品揃えを持つ。1889(明治22)年2月1日開業、静岡県静岡市葵区黒金町。

元祖鯛めし(880円)Ganso Taimeshi
2021年1月3日に東京駅の駅弁売店「駅弁屋 祭」で購入 Jan. 3, 2021

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1897(明治30)年に発売された、全国で最古の鯛飯駅弁。現存する駅弁としても、全国で最古かもしれない。経木の枠の小柄な長方形の容器に、桜飯と鯛そぼろの混ぜ御飯の上にさらに鯛そぼろを載せたものを詰める。その両者は一体化し、おはしで上から押すとスポンジのように沈み込み、離すと元に戻る弾力性を持つ。口の中でもその特性が食感に生かされて、味を引き立てる。価格は2002年時点で510円、2010年時点で570円、2014年時点で650円、2017年時点で700円、2019年2月から750円、2022年4月から800円、2023年7月から830円、2024年4月から850円、2025年4月から880円。

1892(明治25)年の静岡大火で負傷した駅弁屋初代店主を鉄道幹部が孫連れで見舞った際、その孫が菓子に見向きもしなかったのに、煮てボロボロになってしまった鯛を味付けして御飯に載せて出すとよく食べたことから、子供も年寄りも食べやすい駅弁を作りたかった病床の店主が調理人に工夫させて製品化した、というエピソードが伝わる。

※2025年4月補訂:値上げを追記
※2025年3月補訂:値上げを追記
※2023年8月補訂:値上げを追記
※2022年4月補訂:値上げを追記
※2021年2月補訂:写真を更新
※2019年8月補訂:写真を更新
※2019年2月補訂:値上げを追記
※2015年10月補訂:値上げを追記
※2014年2月補訂:写真を更新
販売駅
東海道本線 静岡(しずおか)駅 1889(明治22)年2月1日開業 静岡県静岡市葵区黒金町
調製元
株式会社 東海軒 静岡県静岡市駿河区登呂6丁目5番35号 054(287)5171 https://www.tokaiken.jp/

特製鯛めし(1,200円)Tokusei Taimeshi
2023年7月21日に静岡駅の改札外コンコースの駅弁売店で購入 Jul. 21, 2023

掛紙 中身
掛紙 外観 外観 中身

上記の駅弁「元祖鯛めし」の豪華版。鯛めし自体はまったく同じも、皮付き鯛の切り身焼きが載り、煮物のおかずも入るので、その分だけ容器も大きい。鯛飯だけの「元祖」よりはこちらが、昼食には選択されるかも。価格は2008年時点で760円、2015年時点で850円、2017年時点で900円、2019年2月から950円、2022年4月から1,050円、2023年7月から1,100円、2024年4月から1,150円、2025年4月から1,200円。

※2025年3月補訂:値上げを追記
※2023年8月補訂:写真を更新し値上げを追記
※2022年4月補訂:値上げを追記
※2019年2月補訂:値上げを追記
※2015年10月補訂:値上げを追記
※2008年7月補訂:写真を追加
販売駅
東海道本線 静岡(しずおか)駅 1889(明治22)年2月1日開業 静岡県静岡市葵区黒金町
調製元
株式会社 東海軒 静岡県静岡市駿河区登呂6丁目5番35号 054(287)5171 https://www.tokaiken.jp/

東海軒の元祖鯛めし(冷凍)(2,000円)Tokaiken no Ganso Taimeshi
2022年4月9日に静岡駅の改札外コンコースの駅弁売店で購入 Apr. 9, 2022

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2021(令和3)年9月10日にクラウドファンディングで予約販売を開始。10月29日までの期間に、インターネット上のクラウドファンディングサイト「makuake」で支援料金を支払うと、130年以上の時を超え現代に受け継がれてきている静岡駅弁「元祖鯛めし」の冷凍版が、明治時代当時の印刷手法で完全復刻された掛紙を付けて送られた。2022年4月までに静岡駅の駅弁売店でも、このように復刻掛紙2枚と鯛めし2個を2,000円で冷凍販売し始めた。

冷凍食品を収める市販の保冷バッグにも、ちゃんと掛紙がかかる。中身は保冷剤1個と、元祖鯛めしの冷凍版2個。黒いプラ製トレーに鯛飯を詰めて鯛おぼろで覆い、たくあんを載せてふたをして、クラウドファンディング時と異なる復刻掛紙と注意書き食品表示を同封し、透明な袋に密封したものが2個。「本品は加熱が必要です」ので電子レンジで約4分加熱。ホカホカでポロポロの鯛飯をいただけた。内容は駅弁の元祖鯛めしと同じ。それを温めて食べたことがないので、味の違いは分からない。

政府の新型コロナウイルス感染症対策により、2021年に鉄道旅客と駅弁需要が消失した。静岡駅の駅弁屋では売上が半減したというが、これはまだ健闘したほうで、JRの長距離客や他の駅弁屋の売上はおおむね7割減少した。これを機に各地で冷凍駅弁の通信販売が開始または強化される中、静岡駅ではネット上の募金ないし集金という手法を使い、これがテレビや新聞でよく取り上げられた。結果の発表や報道は無かったが、こうして商品となり流通している。

クラウドファンディングでは京都の藤澤萬華堂が木版手摺印刷で掛紙を新規に復刻したが、その後の販売では戦前の掛紙のカラーコピーを添付。鯛飯の掛紙は下記のとおり様々な絵柄があり、調製元でも数十種類を持っているようで、いろんなものが使われるらしい。今回のコピーは2枚とも、1910年代のものか。

販売駅
東海道本線 静岡(しずおか)駅 1889(明治22)年2月1日開業 静岡県静岡市葵区黒金町
調製元
株式会社 東海軒 静岡県静岡市駿河区登呂6丁目5番35号 054(287)5171 https://www.tokaiken.jp/

【終売】元祖鯛めし(木版手摺り掛け紙付き)(1,500円)Ganso Taimeshi (end of sales)
2025年1月13日に京王百貨店の駅弁大会で購入 Jan. 13, 2025

掛紙 中身
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2025(令和7)年1月の京王百貨店の駅弁大会で輸送販売。「駅弁掛紙を木版手摺りで復刻!」として現役の静岡駅弁「元祖鯛めし」に、2021(令和3)年9月10日にクラウドファンディングで冷凍駅弁とともに復刻販売された木版手摺りの復刻掛紙を付けて、1,500円で販売した。結果的に冷凍駅弁3個付きで5,000円だった復刻当時よりお得に買えたと思う。

調製元
株式会社 東海軒 静岡県静岡市駿河区登呂6丁目5番35号 054(287)5171

【終売】こだわりそぼろの鯛めし(1,950円)Kodawari Soboro no Taimeshi (end of sales)
2025年1月4日に京王百貨店の駅弁大会で購入 Jan. 4, 2025

掛紙 中身
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2025(令和7)年1月の京王百貨店の駅弁大会で実演販売。静岡駅で伝統の駅弁「鯛めし」について、京王百貨店駅弁大会限定で、その名を記した特製どんぶりに入れて販売した。2024年の福山駅「備後名物うずみいなり」、2023年の一ノ関駅「平泉鮭めし丼ぶり」、2022年の南千歳駅「北海道グルメ豚丼どんぶり」、2021年の小浜駅「御食国(みけつくに)若狭海鮮鯖づけ丼」、2020年の岡山駅「岡山名物デミカツ丼」、2019年の金沢駅「蟹のドリア」、2018年の水戸駅「常陸牛山椒風味カルビ弁当」、2017年の鳥取駅「山陰鳥取かにめし」、2016年の米子駅「海の宝箱丼」、2015年の名古屋駅「抹茶ひつまぶし日本一弁当」と同じ。中身は通常版の「元祖鯛めし」でなく、上等版の「特製鯛めし」のものにみえる。

調製元
株式会社 東海軒 静岡県静岡市駿河区登呂6丁目5番35号 054(287)5171

【掛紙】元祖鯛めし(750円)Ganso Taimeshi
2019年2月9日に東京駅の駅弁売店「駅弁屋 祭」で購入 Feb. 9, 2019

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2019(平成31)年2月9日に購入した、静岡駅弁のふた。下記の2012年のものと、書いてあることは変わらない。法令の強化により食品表示が大きくなり、なぜか調製元の社名も大きくなった。上記の2021年のものとは、駅弁マークの有無のみの差異。中身はいずれも同じ。

販売駅
東海道本線 静岡(しずおか)駅 1889(明治22)年2月1日開業 静岡県静岡市葵区黒金町
調製元
株式会社 東海軒 静岡県静岡市駿河区登呂6丁目5番35号 054(287)5171

【掛紙】元祖鯛めし(570円)Ganso Taimeshi
2012年9月8日に静岡駅の駅弁売店で購入 Sep. 8, 2012

掛紙 掛紙

2012(平成24)年9月8日に購入した、静岡駅弁のふた。上記の2019年のものと同じだが、間違い探しの範囲で表記の差異はある。容器と中身は変わらない。

販売駅
東海道本線 静岡(しずおか)駅 1889(明治22)年2月1日開業 静岡県静岡市葵区黒金町
調製元
株式会社 東海軒 静岡県静岡市紺屋町9の12 054(253)5171

【掛紙】特製鯛めし(760円)Tokusei Taimeshi
2008年7月26日に静岡駅の改札外コンコースの駅弁売店で購入 Jul. 26, 2008

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2008(平成20)年7月26日に購入した、静岡駅弁のふた。上記の2023年のものと、価格以外はほとんど何も変わらない。昭和の時代から変わらないかもしれない。

販売駅
東海道本線 静岡(しずおか)駅 1889(明治22)年2月1日開業 静岡県静岡市葵区黒金町
調製元
株式会社 東海軒 静岡県静岡市駿河区登呂6丁目5番35号 054(287)5171

【掛紙】元祖鯛めし(510円)Ganso Taimeshi
2002年3月16日に静岡駅の駅弁売店で購入 Mar. 16, 2002

掛紙 掛紙

2002(平成14)年3月16日に購入した、静岡駅弁の掛紙。この当時はボール紙のふたではなく掛紙が使われ、中身も鯛飯は同じだが付合せが黄金漬と紅生姜であった。

販売駅
東海道本線 静岡(しずおか)駅 1889(明治22)年2月1日開業 静岡県静岡市葵区黒金町
調製元
株式会社 東海軒 静岡県静岡市紺屋町9の12 054(253)5171

【終売】新幹線旅グルメ6マス弁当 東海道新幹線編(2,500円)Shinkansen Tabigurume 6mas Bento (end of sales)
2025年1月7日に京王百貨店の駅弁大会で購入 Jan. 7, 2025

掛紙 中身
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2025(令和7)年1月の京王百貨店の駅弁大会で販売。同大会の60回を記念し、新幹線の停車駅で販売している各地域の駅弁を6マスに詰めた弁当を実演販売した。これは東海道新幹線、上越・北陸新幹線、北海道・東北・山形新幹線、山陽・九州・西九州新幹線の4種類のうち「東海道新幹線編」で、静岡駅「元祖鯛めし」、豊橋駅「稲荷寿し」、名古屋駅「松浦の味噌ヒレカツ重」、岐阜羽島駅「ひつまぶし弁当」、米原駅「近江牛ステーキ&焼肉弁当」、京都駅「きつねの鶏めし」の詰合せ。掛紙はその6種類の駅弁の絵柄の組合せで、大きな正方形の容器に6個のプラ製トレーを同じ大きさで詰め、それぞれの中身をミニサイズに収めた。ここでの筆頭は静岡駅「元祖鯛めし」で、駅弁と同じ鯛と飯のみを使用。

調製元
京王百貨店(東海軒、壺屋弁当部、松浦商店、南洋軒、淡路屋)

【掛紙】釜のたいめし(500円)Kama no Taimeshi
1981年1月2日調製 Jan. 2, 1981

掛紙

1981(昭和56)年1月2日17時の調製と思われる、昔の静岡駅弁の掛紙。内容は釜めし容器に入った鯛飯だったのだろうか。20世紀末まで売られていたようだが、現存しない模様。

販売駅
東海道本線 静岡(しずおか)駅 1889(明治22)年2月1日開業 静岡県静岡市葵区黒金町
調製元
合名会社 東海軒 静岡県静岡市紺屋町9の12 0542(53)5171

【掛紙】元祖鯛めし(100円)Ganso Taimeshi
1962年9月3日調製 Sep. 3, 1962

掛紙

1962(昭和37)年9月3日6時の調製と思われる、昔の静岡駅弁の掛紙。今も変わらない、変えていない絵柄。

販売駅
東海道本線 静岡(しずおか)駅 1889(明治22)年2月1日開業 静岡県静岡市葵区黒金町
調製元
合名会社 東海軒 静岡県静岡市紺屋町9の12 (2)0308

【掛紙】釜のたいめし(150円)Kama no Taimeshi
1962年8月15日調製 Aug. 15, 1962

掛紙

1962(昭和37)年8月15日5時の調製と思われる、昔の静岡駅弁の掛紙。1960年代から1990年代まで静岡駅で売られた、釜飯向け容器入りの鯛飯。元祖鯛めしとほぼ同じ絵柄で、背景の色が違う。

販売駅
東海道本線 静岡(しずおか)駅 1889(明治22)年2月1日開業 静岡県静岡市葵区黒金町
調製元
合名会社 東海軒 静岡県静岡市紺屋町9の12 (2)0308

【掛紙】元祖鯛めし(100円)Ganso Taimeshi
1955年10月30日調製 Oct. 30, 1955

掛紙 掛紙

1955(昭和30)年10月30日14時の調製と思われる、昔の静岡駅弁の掛紙。「元祖鯛めし」の掛紙と、「鯛めしおつまみ物」の掛紙に、同一年月日同時刻の調製印があったのは、現在の特製鯛めしのような御飯とおかずがある駅弁だったのか、別個に売られたものなのか。

販売駅
東海道本線 静岡(しずおか)駅 1889(明治22)年2月1日開業 静岡県静岡市葵区黒金町
調製元
合名会社 東海軒 所在地の記載なし (2)0308

【掛紙】鯛飯(30銭)Taimeshi
1941年8月4日調製 Aug. 4, 1941

掛紙

1941(昭和16)年8月4日20時の調製と思われる、昔の静岡駅弁の掛紙。当時の政府の近衛内閣による大東亜新秩序を受けたのだろうか、そのエリアの略図を掛紙の絵柄とした、静岡や鯛飯と何も関係のないものになっている。

販売駅
東海道本線 静岡(しずおか)駅 1889(明治22)年2月1日開業 静岡県静岡市葵区黒金町
調製元
合名会社 東海軒 静岡駅構内 連絡先の記載なし

【掛紙】鯛飯(40銭)Taimeshi
1922年頃調製 1922

掛紙

1922(大正11)年の調製と思われる、昔の静岡駅弁の掛紙。同年に上野公園で開催された平和記念東京博覧会で英国の皇太子殿下が来日されたことを記念して、全国各地の駅弁屋が同じデザインの記念掛紙を使用したもの。周囲に日本と英国の国旗を配し、右に駅弁の名前、左下に調製元、下部に日英の歓迎文、上部の2枠は広告枠。

販売駅
東海道本線 静岡(しずおか)駅 1889(明治22)年2月1日開業 静岡県静岡市葵区黒金町
調製元
東海軒 所在地の記載なし 連絡先の記載なし

【掛紙】元祖鯛飯御辨當(35銭)Ganso Taimeshi Obento
1922年2月11日調製 Feb. 11, 1922

掛紙

1922(大正11)年2月11日の調製と思われる、昔の静岡駅弁の掛紙。駅弁掛紙らしく描かれた赤いタイの絵柄は、21世紀にも流用される。大正時代当時も「元祖」を名乗っていたことが分かる。

販売駅
東海道本線 静岡(しずおか)駅 1889(明治22)年2月1日開業 静岡県静岡市葵区黒金町
調製元
東海軒 所在地の記載なし 308番