東京駅から新幹線で2時間強。京都市は京都府の県庁所在地である、人口約150万人の市。9世紀末の平安時代からの都であり、世界的に著名な古都として、年に5500万人もの観光客が訪れる。駅弁は見た目に多種が売られるが、それらは他府県の駅弁や近隣の弁当であり、京都駅の駅弁や駅弁屋はなくなっている。1877(明治10)年2月6日開業、京都府京都市下京区烏丸通塩小路下ル東塩小路町。
京都中央卸売市場で1927年に創業した西京漬屋「京都やま六」と、姫路駅の駅弁屋「まねき食品」との協業により、2023(令和5)年9月1日に京都、大阪、新大阪の各駅の駅弁売店「旅弁当」で発売。年間に202万切を販売するというサワラの西京焼きを、だし飯に1切れ載せ、錦糸卵で覆い、大根甘酢漬を添え、干し海老の大根なますと煮物を詰める。主役のサワラに加えて御飯でも、淡くふんわり上品な味わいを持つ、焼き魚のお弁当。兵庫や姫路はどこにもなく、これを買った駅弁大会でも京都駅の駅弁とした。
秋冬の駅弁大会シーズンに向けた、2022(令和4)年秋の新商品か。「三千院の里監修」を冠し、草津駅の駅弁屋が調製し、京都駅などで売るお弁当。そら豆型の容器に茶飯を詰め、デンマーク産カラスガレイの西京焼きを載せ、玉子焼、がんもどき、湯葉、椎茸、花にんじん、いんげん、すぐきかぶ漬、かぶら漬、たくあんも載せる。3種もの漬物を含め、味が柔らかく上品な焼き魚丼。
京都駅で2019(平成31)年3月に開店した駅弁売店「旅弁当にぎわい」とともに、この姿で京都駅弁デビューか。「京都ロケ弁」と紹介されたこともあり、京都市内の東映京都撮影所に仕出しされる弁当でもあるらしい。長方形の容器に白飯を詰め、おかかと海苔で覆い、白身魚フライ、ちくわ天、鮭塩焼、玉子焼、きんぴら、柴漬けなどで覆う。これはまさに、のり弁当。商品名を書いた掛紙をかけ、添付のおしぼりは切符型。京都駅で比較的安めなのにうまい弁当として、知られ始めて来ていると感じる。
京都駅で2019(平成31)年3月に開店した駅弁売店「旅弁当にぎわい」とともに、この姿で京都駅弁デビューか。京都居村屋ブランドのサンドイッチは少なくともその3年以上前から、京都駅などのキヨスク系の売店で買えていたと思う。
クラフト紙風の窓開き紙箱に、掛紙を巻いてラップで包む。透明なトレーに収めた中身は、トマト+レタス+チーズ、ハム、 コロッケ+レタス、タマゴ+レタスの4切れ。みずみずしい内容の箱サンド。
京都駅で2019(平成31)年3月に開店した駅弁売店「旅弁当にぎわい」とともに、この姿で京都駅弁デビューか。京都居村屋ブランドのサンドイッチは少なくともその3年以上前から、京都駅などのキヨスク系の売店で買えていたと思う。
クラフト紙風の窓開き紙箱に、掛紙を巻いてラップで包む。透明なトレーに収めた中身は、ヒレカツのソース漬けとレタスをパンに挟んだカツサンドが3切れ。普通においしいカツサンド。
京都駅で2019(平成31)年3月に開店した駅弁売店「旅弁当にぎわい」とともに、この姿で京都駅弁デビューか。京都居村屋ブランドのサンドイッチは少なくともその3年以上前から、京都駅などのキヨスク系の売店で買えていたと思う。
クラフト紙風の窓開き紙箱に、掛紙を巻いてラップで包む。透明なトレーに収めた中身は、薄切り牛カツサンド、だし巻き玉子サンド、チキンカツサンドの3切れ。掛紙によるとそれぞれ、京都府産黒毛和牛、吉田喜の京だし巻き、京都府産丹波あじわいどりを使ったという。具の分厚さが見所。
2013(平成25)年4月に「おにぎり朝一番」の名前で350円にて発売し、2019(令和元)年に「おにぎり」へ改称。中身は発売時から今回2020年10月の購入時まで一貫して、白飯に昆布を貼り、さらにサワラ西京焼の小片とちりめん山椒を貼り付けたものをひとつずつ、ラップに包み、竹皮柄の紙で包み、調製元の包装紙で包み、商品名の紙を貼るもの。つまり、海苔さえも使わない直巻きおにぎりが、2個で470円。その内容に渋さを感じる握り飯。
京都駅の駅弁売店で買えたコンビニおにぎり。具のツナのマヨネーズ和えがけっこうたくさん入っているなと感じた以外は、日本全国のコンビニで買えるものと同じ。調製元が東海道新幹線主要駅の駅弁屋であるJRCPであることが珍しく、その目で見ると包装フィルムではちゃんと汽車が走っている。駅弁マニアの度が過ぎると、他のコンビニおにぎりとの差異が感じられる。包装フィルムの色違いで他に「ウメ」「こんぶ」「サケ」「たらこ」「めんたい」「おかか」もあった。
京都駅の高架下商店街のパン屋さんで販売されていた、箱入り持ち帰りパン商品。京都の町屋をイメージしたのかもしれないボール紙の箱の中に、袋にしっかりパックされた5種類(スイートポテトあん、白あん、抹茶入り白あん、丹波大納言こしあん、小倉あん)の小さなあんパンが1個ずつ入っている。
これを駅弁と呼ぶには、ちょっと無理がある。しかし京都駅からは従来の駅弁屋が追い出されて、今ではJR東海の子会社、JR西日本の子会社、神戸の駅弁屋という、京都に縁もゆかりもない業者の弁当しか買えなくなっている。京都駅で買える、京都河原町で60年以上の歴史を持つパン屋の商品は、現在の京都駅の駅弁よりも駅弁らしいかもしれない。
2017(平成29)年1月の京王百貨店の駅弁大会でデビューか。大会の目玉である対決駅弁の二番手「海の幸黄金の弁当対決」として、福井駅、西明石駅、姫路駅の駅弁と実演販売で対決した。調製元の公式サイトによると、その前月の2016(平成28)年12月12日に、京都で売り始めたという。
長方形の容器にタレ御飯を詰め、真っ白なハモの蒸し物を敷き、大葉と柴漬けを添え、醤油タレと金粉を添える。白身の淡い香りと食感と、色の見た目に違いクセのない御飯。なるほどこれが京都かと感じるのは、飛躍が過ぎるか。追加のタレはともかく、味も臭いも刺激的な柴漬けはなかったほうがよかったかも。駅弁大会の会期をもって売り止めた模様。
※2020年12月補訂:終売を追記現物からは商品名が分からないが、売店ではカツサンドを名乗っていた。調製元専用の、そして原材料名が直接印字されているため、このカツサンド専用のボール紙箱に、三角山型のカツサンド6切れとフライドポテトなどを詰め、中身をまるごとラップで包む。
分量の多さにだけは見るべきものがある、昭和の味。例えば国民の総意で解体されたタルミ国鉄が四半世紀の時を経て、礼賛記事で季刊誌が成り立つくらい美化されているように、弁当が倒立する袋に詰める元駅弁屋らしからぬ失態も含め、ゆったり、どっしりと古風を味わうものだった。
梅小路蒸気機関車館の敷地内の弁当販売小屋では、晴天の土休日に限りこの弁当が購入できたが、2016年4月の京都鉄道博物館へのリニューアルに向けた2015年8月の閉館により失われた。
昭和の頃から京都駅で売られていたと思われる元駅弁。正方形の経木折に、紙を敷いて俵飯を置き、ハンバーグ、ロールキャベツ、白身魚フライ、ロースハム、フライドポテトなどを詰めるもの。一見して純和風の幕の内に見えて、よく見ると確かに「洋食」している。こういう中身は好きなので、食が進んだ。
なお、萩の家の駅弁は、2008年9月までに在来線改札内から売店が消え、2010年9月に新幹線改札内から商品が消え、同年12月に売店も閉店してしまい、今では駅で買うことができなくなっている。梅小路蒸気機関車館の敷地内の弁当販売小屋では、晴天の土休日に限りこの弁当が購入できたが、2016年4月の京都鉄道博物館へのリニューアルに向けた2015年8月の閉館により失われた。
※2017年8月補訂:終売を追記京都駅で昭和の頃から売られていた鯛飯駅弁。菱形の経木折に同じ形の経木でふたをかけ、駅弁の名前と鯛のイラストを掲載する掛紙で包み、ひもで×字にしばる。中身はタイめしで2/3、鶏八幡巻、紅白のかまぼこ、昆布巻、こんにゃく、ニンジン、黒豆、柿型の和菓子などのおかずで1/3。
買うときは鯛飯駅弁に千円も払うとは割高だと思うが、食べれば納得の高級版。そぼろが多い他駅の鯛めしと違い、荒くほぐした鯛の身もよし、容器の端で整列する煮物類もよし、菱形の経木折も、掛紙の質感や色合いも個性的。京都駅ではJR資本の競合他社も鯛飯駅弁を出しているが、駅構内を探してでもこちらを買いたいもの。
平安遷都1200年に少々遅れて1997年に開業した京都駅ビル。街の景観に関して市民も市外も学者も激しいイデオロギー対立が起こる京都の玄関口に、高さ約60メートル、幅470メートル、奥行約60〜80メートルの巨大な壁を設ける案に対しては、現在でも景観論争の対象となっている。しかし開業してみれば駅ビルは一日約十万人の利用客で大賑わい。近鉄百貨店を閉店に追い込み、JR西日本は年間900億円の売り上げを稼ぎ、駅の乗降客数が1割弱、約4万人増えた。
なお、萩の家の駅弁は、2008年9月までに在来線改札内から売店が消え、2010年9月に新幹線改札内から商品が消え、同年12月に売店も閉店してしまい、今では駅で買うことができなくなっている。
※2011年1月補訂:現況を追記京都駅の在来線ホームに生息した駅弁サンドイッチ。個性のない長方形ボール紙箱を手に持つと、普通の駅弁並みの大きさと重さがある。中身は玉子サンド1切れ、メンチカツサンド1切れ、黒パンでのハムサンド2切れ、フランスパンでの野菜サンド1個、フライドポテト、そして重量を演出していたバナナ1本。
日本の古都である京都に、洋食の伝統や個性は将来的にも生まれないだろうが、このサンド駅弁は京都駅弁にしかない個性を備えているし、あるいはラフな格好の外国人観光客がつまむ姿が似合いそうな、普段着の洋風をさりげなく演出している気もした。
なお、萩の家の駅弁は、2008年9月までに在来線改札内から売店が消え、2010年9月に新幹線改札内から商品が消え、同年12月に売店も閉店してしまい、今では駅で買うことができなくなっている。
※2011年1月補訂:現況を追記2002(平成14)年4月に東京・名古屋・京都・新大阪の各駅で一斉に発売した、学生を対象に公募でパッケージのデザインを募集したお弁当のうち、主に京都駅で販売されるお弁当。ボール紙の容器にトレーを入れ、その中身は鰆西京焼や鶏照焼等のおかずに俵飯の御飯にデザートとして和菓子を入れている幕の内系弁当。東海道新幹線の弁当としては値段の割に良い内容と感じる。2004年以降に終売か。
ジェイアール東海パッセンジャーズ、略称JRCPは、国鉄の分割民営化で日本食堂のJR東海エリアを引き継いだJダイナー東海と、東海道新幹線カフェテリア登場に伴いJR東海が設立した新幹線パッセンジャーサービスが2002年10月に合併してできた、JR東海100%出資の子会社。東海道新幹線の車内販売と「のぞみ」停車駅の駅売店営業をほぼ独占している。
※2015年8月補訂:終売を追記正方形の容器に、通天閣や道頓堀の風景を描いたボール紙でふたをする。中身は五目御飯と白御飯、すき焼き、焼鮭、玉子焼、かまぼこ、イモとピーマンの天ぷら、ニンジンや高野豆腐などの煮物、きんぴらごぼうなど。
調製元所在地も今回購入駅も京都なのになぜ浪速なのか、浪速でなぜこの内容なのか、焼鮭が骨だらけだったり、いくつかのおかずから汁がこぼれたり、売店には中身見本しかなくパッケージを見るには購入が必要という、通常の弁当であればどうでもいいことだが、駅弁と考えたら不満しか残らない。2012年頃まで販売か。
※2015年8月補訂:終売を追記JR西日本の駅弁キャンペーン「駅弁の達人」の実施に伴い、2004(平成16)年5月1日に発売。正方形の容器を使用、中身は3×3で九分割され、茶飯・ちらし寿司・赤飯と三種の御飯に鰆西京焼、合鴨ロース、玉子焼や煮物など、その内容は掛紙に列記されている。同じ調製元が同時に発売した「浪花の味くりげ」とコンセプトが似通っている気がするが、あちらは大阪の味でこちらは京都の味だといい、確かに食べれば雰囲気はまるで異なる。2004年度のJR西日本の駅弁キャンペーン「駅弁の達人」の対象駅弁で、新大阪駅と京都駅で発売。2011年頃までの販売か。
※2017年8月補訂:終売を追記