旅の友「駅弁」。実際に食べた9,000個以上の駅弁を中心に、日本全国と世界の駅弁を紹介します。
ガイド下じき 楽しい駅弁
日本国有鉄道(国鉄)は、1980(昭和55)年3月15日から「いい旅チャレンジ20,000km」を実施しました。当時の国鉄の鉄道路線の総延長が、約20,000km。赤字に苦しむ国鉄の増収策として、すべての路線に乗ってもらおうというキャンペーンでした。10年間の実施期間中の1987(昭和62)年に国鉄は、政府による分割民営化により消滅しましたが、このキャンペーンは6旅客鉄道会社に引き継がれ、1990(平成2)年3月に終了しました。
ここに、国鉄と共催者の弘済出版社と富士写真フイルムの連名によるノベルティグッズ「ガイド下じき 楽しい駅弁」を入手しました。1981(昭和56)年1月当時で、日本国内を代表すると思われる駅弁が描かれる、興味深い資料です。以下の35駅弁が、この下敷きにイラストや写真で掲載されていました。価格と調製元は他の資料で補いました。
- 北海道 根室本線 釧路駅「貝の釜めし」(500円)※釧正館(後の釧祥館)
- 北海道 函館本線 森駅「いかめし」(350円)※阿部弁当部
- 八戸駅「小唄ずし」(700円)※吉田屋
- 羽後本庄駅「すきやき弁当」(500円)※森川弁当部
- 仙台駅「栗めし」(500円)※こばやし
- 山形駅「九十九鶏弁当」(700円)※紅花軒
- 横川駅「峠の釜めし」(600円)※荻野屋
- 千葉駅「やきはま丼」(価格不明)※万葉軒
- 新横浜駅「シウマイ弁当」(500円)※崎陽軒
- 新津駅「鮭の親子弁当」(700円)※神尾弁当部
- 直江津駅「磯舟」(600円)※ホテルハイマート
- 富山駅「ますのすし」(850円)※源
- 金沢駅「おにえずし」(400円)※大友楼
- 福井駅「赤えびすし」(600円)※番匠本店
- 甲府駅「陣中鍋めし」(600円)※甲陽軒
- 塩尻駅「山菜釜めし」(600円)※カワカミ
- 高山駅「飛騨弁当」(700円)※金亀商事
- 浜松駅「うなぎめし」(800円)※自笑亭
- 豊橋駅「いなりずし」(価格不明)※壺屋弁当部
- 天橋立駅「小鯛すずめすし」(600円)※鶴寿軒
- 吉野口駅「きぬ巻時雨ずし」(300円)※柳屋
- 新宮駅「めはりずし」(400円)※丸新
- 出雲市駅「手打ちそば」(「そば弁当」(300円)か)※黒崎
- 浜田駅「かにずし」(650円)※ピリ軒または新ピリ軒
- 福山駅「鞆の鯛ずし」(600円)※鞆甚
- 糸崎駅「たこめし」(500円)※浜吉
- 広島駅「しゃもじかきめし」(600円)※広島駅弁当
- 宮島口駅「あなごめし弁当」(価格不明)※上野弁当部
- 小郡駅「鱒ずし」(400円)※小郡駅弁当
- 下関駅「ふくめし」(価格不明)※下関駅弁当
- 宇和島駅「斗牛弁当」(600円)※ときわ食堂
- 高知駅「鯖の姿ずし」(600円)※中央食堂
- 博多駅「釜めし」(400円)※博多鉄道構内営業
- 人吉駅「鮎ずし」(600円)※人吉駅弁
- 鹿児島駅「とんこつ弁当」(500円)※わたなべ
主な参考資料
- 国鉄監修交通公社の時刻表1980(昭和55)年10月号(日本交通公社出版事業局)
- 全国駅弁案内昭和53年1月10日現行(国鉄構内営業中央会)
- 駅弁全線全駅345駅1564種詳細パーフェクトガイド(主婦と生活社)1982年1月